ネットワーク セキュリティ

企業内ネットワークの構築方法は?2つの効果とポイントも紹介

企業内ネットワークは、家庭用とは異なり「接続人数が多い」「セキュリティ対策が必要」といった課題が挙げられます。この記事は、企業の情報システム部門担当者に向けて企業内ネットワークを解説し、構築方法や課題、注意すべきポイントを紹介しています。

事例の課題やよくいただくご相談を基に、サービスの活用方法をご紹介します。

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企業内ネットワークとは?ほかのネットワークとの違い

企業内ネットワークとはどのようなものなのかを解説し、その他のネットワークとの違いについても紹介します。

1.社内で利用するネットワークのこと

企業内ネットワークとは、企業内に構築するネットワークのことです。社内で扱うパソコンやプリンター、OA機器などをネットワークでつなぎ、データを共有して業務を行うため社内ネットワークとも呼ばれています。近年、企業活動を行っていくうえで社内ネットワークの構築は不可欠ですが、同時に導入における課題解決も重要となっています。

2.ホームネットワークとの違い

ホームネットワークは、家庭内で使用することを前提としたネットワークです。パソコンやスマートフォン、家電などをネットワークでつなぎ通信を行います。企業内ネットワークに比べ、同時接続台数が少なく、通信範囲も狭いことが特徴です。Wi-Fi機能を備えた家電や機器が多く販売されており、ケーブルを気にすることなく使用できます。

3.パブリックネットワークとの違い

パブリックネットワークは公衆の場で使用できるネットワークで、現在は駅や空港、飲食店などで無料提供されているケースが多いでしょう。外出先でも使用できるWi-Fiとして便利ですが、不特定多数が接続できるためセキュリティ面に不安があります。

クレジットカード番号やログインID、パスワードなど、外部に漏れてはいけない情報は入力してはいけません。

参考:社内のネットワークを構築せずともクラウドで環境構築可能

ネットワークの違いを把握することは重要ですが、現代ビジネスにおいて企業ネットワークの必要性が低くなっている点も覚えておきたいところです。技術の発達により、企業ネットワークの構築が必須だとはいえなくなりました。

たとえば、下記の例が挙げられます。

  • クラウドサービスの活用
  • 各端末でエンドポイントセキュリティの実施
  • ゼロトラストの実施

ゼロトラストとは「すべてを信頼しない」という考え方から構築するセキュリティ対策の方法です。従来のIDとパスワードによる認証のほかに、クラウドサービス側での認証や端末への証明書インストール、ワンタイムパスワード発行などを活用します。

クラウドサービスの導入よって、従来の企業ネットワークと比べてコストを抑えた環境構築が可能になってきました。

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LANとWANの違いとは

ネットワークには「LAN」と「WAN」の2種類があります。その特徴を、表にまとめました。

表はスライドできます

種類 特徴
LAN
  • ・限られたエリアで接続できるネットワーク
無線LAN
  • ・無線通信でネットワークに接続する
  • ・セキュリティレベルは低い
有線LAN
  • ・パソコンなどの機器を有線で接続する
  • ・無線LANに比べて安定性が高い
WAN
  • ・離れた場所にあるLAN同士をつなげる
  • ・拠点間の通信に利用される

LANは、限られたエリアで接続できるネットワークを意味する「 Local Area Network(ローカルエリアネットワーク)」の略語です。LANには「無線」と「有線」の2種類の接続方式があります。
一方、WANは「Wide Area Network(ワイドエリアネットワーク)」の略で、広範囲なネットワークを指しています。WANなら、離れた場所にあるLANの相互接続が可能です。本社と支社間など距離がある場所は、ケーブルや無線LANでは接続できません。しかし、インターネットVPNや広域イーサネットなどのWANサービスを利用することで、拠点間通信が可能になります。

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企業内ネットワーク構築による2つの効果

企業内ネットワークを構築すると、下記の効果を得られます。

  1. 社外に出せない情報をセキュリティリスクから守れる
  2. マルウェアやウイルスへの感染を防げる

そもそも企業内ネットワークは、機密情報を社内で共有する際に使用されます。順番に見てみましょう。

【効果1】社外に出せない情報をセキュリティリスクから守れる

企業ネットワークは、社外秘の情報を社内で共有する際に、セキュリティリスクから守るために構築されます。

インターネット回線は社外の人も使うため、セキュリティ面で不安がありました。機密情報をインターネット回線上に置けない場合、企業内にサーバーを設置して社内ネットワークだけで共有すれば機密情報を保護できます。

極端な例を挙げると、企業情報をクラウドストレージに保存し、企業内に守るべき情報がない場合はネットワークの構築は不要といえます。

【効果2】マルウェアやウイルスへの感染を防げる

企業ネットワークを構築すると、マルウェアやウイルス感染など外部からの攻撃を防げます。

ネットワークの構成は、おもにインターネットからルーター、スイッチ、アクセスポイント、そして業務で使用するパソコンです。ネットワークの出入り口であるルーターにファイアウォールを設置して、マルウェアの侵入やウイルス感染から業務で使用しているパソコンを守ります。

インターネット回線から企業ネットワークを切り離すことで、ルーター配下のネットワークにおけるセキュリティ対策が可能です。

企業内ネットワークがもつ4つの課題

幅広く活用されるようになった企業内ネットワークの留意すべき課題について紹介します。

【課題1】セキュリティ対策

セキュリティの強化は企業内ネットワークにおいて、最も気を付けなければならない部分です。サイバー攻撃の数は年々増えているうえに、手口も巧妙化しています。社内ネットワークへの不正アクセスや攻撃によるシステムダウンなどを防がなければなりません。それに加え、情報漏えい等に関する社内教育の実施も必要です。

【課題2】IPアドレスが足りなくなる

IPアドレスには、ネットワークに接続している端末を識別する住所のような役割があります。企業内ネットワークでは、組織で自由に使えるプライベートIPアドレスを使用しますが、多くの端末を接続するため足りなくなるかもしれません。

IPアドレスの規模は、端末台数を目安としてA、B、Cのクラスに分かれており、大きな事業所ではクラスA、中規模事業所ではクラスB、小規模ならCを選択するようにしましょう。

【課題3】リモートワークにおける対応が必要

働き方改革や新型コロナウィルス感染症の流行などが要因となり、リモートワークの重要性が高まりつつあります。そのためには、従業員の自宅から社内ネットワークにつなげるための認証方法やVPNの利用を検討しなければなりません。また、ログ監視やデータの暗号化、サイバー攻撃の検知を強化するといった対策も必要です。

【課題4】担当者の業務負荷が増大する

ここまで紹介した課題が実際にトラブルとして発生した際は、ネットワーク担当者がトラブル解決に向けて対応しなくてはなりません。

複雑なネットワーク環境を構築したり安価なシステムを組んだりすると「設定できない」「ネットワークにつながらなくなった」など、社内の問い合わせが増加する恐れもあります。

問い合わせの対応に追われて本来の業務を中断せざるを得ない状況も考えられ、担当者のパフォーマンス低下や業務の停滞を引き起こしかねません。

通常運用のメリットは多いものの、問い合わせ増加などの対策を考慮したうえでネットワークを構築するのがおすすめです。

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企業内ネットワーク構築方法

企業内ネットワーク構築をするには、どのような手順で行うとよいでしょうか。構築方法について説明します。

【ステップ1】社内ネットワークの現状把握

社内ネットワークを構築するにあたって、まずはネットワーク関連で自社が抱える課題や問題点を洗い出す必要があります。その上で、日頃の業務や利用方針に必要、もしくは将来的に必要になると思われるシステムを検討しましょう。また、セキュリティ対策の調査も忘れてはいけません。アクセス権限や接続についてしっかりと検証を行うことが重要です。

【ステップ2】企業内ネットワーク構成や規格を決める

現状把握で浮き彫りになった課題を解決するために、可能な限りシンプルなネットワーク構成を作ります。構成はフロアや拠点数によって変わりますが、1フロア1拠点、または複数フロア1拠点ならルーターの設置は1台が一般的です。デバイスが複数フロアにわたるのであれば、スイッチやハブを設置しましょう。

本社や各支店をつなぐような複数フロア複数拠点の場合は、WANサービスとの契約が必要になります。

【ステップ3】社内ネットワークをマニュアル化する

社員から疑問点が出た場合やシステムトラブルの発生に備えて、マニュアルを作成します。社内ネットワークを管理・運営する部署や担当者を決定することも重要です。マニュアル化することで、担当者が変更になる際もスムーズな引き継ぎができます。また、担当者や部署に問い合わせなくても、社員自身でトラブルに対応できるようになるでしょう。

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企業内ネットワーク接続の3つのポイントとは

企業内ネットワークに接続するために押さえておきたいポイントを紹介します。

【ポイント1】クラウド化への対応

以前はオンプレミスが主流だったため、システムやツールにかかる維持管理のコストが課題となっていました。しかし、クラウド化が進んだことにより、コストを削減しながら企業内ネットワークに接続できるようになっています。

クラウドを利用することで、グループウェアやオンラインストレージなどが活用でき、複数人での同時作業が可能です。ただ、ネットワークを介してデータを頻繁に送受信するため、より強固なセキュリティ対策をしなければなりません。社内システムがクラウド化しても対応できるようなネットワーク構築を検討しましょう。

【ポイント2】シンプルな構築を心がける

社内ネットワークは、シンプルなシステム設計にすることが重要です。複雑な構成にしてしまうと、トラブルが起きた際に原因究明まで時間がかかります。理解しやすいネットワーク構成にすれば、導入後の管理や運用もスムーズに行えるでしょう。また、負荷のかかりにくい構成であることも安定したネットワーク構築には必要な要素です。

【ポイント3】セキュリティルールを設ける

企業ネットワークに接続する際は、セキュリティルールを設定し、遵守することが重要です。ファイアウォールやIDS/IPSなどのネットワーク機器の導入はもちろん、適切なセキュリティルールを設定することで、不正アクセスを防止できます。

たとえば、下記のセキュリティルールが考えられます。

  • パスワードの強制設定
  • アクセス制限の設定
  • セキュリティポリシーの策定

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まとめ:企業内ネットワークの構築は専門業者に依頼するのもあり

企業内ネットワークの構築は、今後の企業活動や業務効率化の実現にとって重要な基盤となります。しかし、構築に関する知識や人材不足から自社での対応が難しい場合もあるでしょう。そのようなときは、外部への委託も検討してはいかがでしょうか。

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