クラウド AI 元SEママの情シスなりきりAWS奮闘記

Amazon Connect×生成AIの可能性。コンタクトセンターもAIが対応する時代に

2025年2月12日掲載

こんにちは、シイノキです。この冬、大流行のインフルエンザですが、我が家もきっちり流行に乗りました。インフルエンザにかかっても2日くらいでケロっとしている息子と、看病しかしてないのに疲れ果てた自分のギャップにげんなりします。

さて、今年もAWS re:Invent振り返りの季節です。毎年書いていますが、1年の早さに呆然としますね。そして今年のテーマもやっぱり生成AIです。より使いやすく・実用化しやすくなるようなアップデート・リリースがたくさんあった様子。このコラムでもいろいろ取り上げていきますが、まずフォーカスするのが、コンタクトセンターサービス「Amazon Connect」です。もともとコンタクトセンターと生成AIは相性がいいとして注目されていましたが、どんな風に進化するのでしょうか。AWS re:Invent 2024ではAmazon Connectに関連するリリースも多くあったのですが、今回はそのなかでもソニービズネットワークスが推す2つに注目してご紹介します。

Amazon Connectとは?基本と振り返り

まずはおさらいから。Amazon ConnectはAWSが提供するコンタクトセンターサービスで、過去のコラム(「ユースケース●AWSの生成系AI「Amazon Bedrock」はなにに使う?」でも生成AIとの連携について紹介してきました。たとえば、「会話内容の文字起こしをさらに要約する」「次やるべきタスクをまとめる」「顧客に送るメールの下書きを作成する」といったイメージです。

このあたりをうまく使えば、お客さまとの通話後の作業がかなり効率化できて、結構便利なのでは?ということですね。生成AIの出力結果は、コンタクトセンターのスタッフが確認して、必要なら調整すればいいですし、あくまで業務をサポートする位置づけとして使える点も、導入しやすそうと思っていました。

Amazon Lex連携で「電話応対の自動化」がもっと簡単に

そんななかで、新機能です。が!そもそも上で挙げた要約などはもちろん生成AIの活用法として有効ではありますが、もう一歩進めたところで期待するのは、「お客さまの電話応対もAIに任せたいよね」というところです。

実際、これまでも会話型AIインターフェース……要するにチャットボットを作るサービス「Amazon Lex」を使えば、対話型のチャットボットは簡単に作れました。Amazon Lexは以前のコラムでも取り上げているので、詳しくはそちらをぜひ!(「AWSの生成系AI最前線・パート2~Amazon Lexがより便利に!改善点3つを解説~

この過去コラムでもテキストベースのチャットボットを例に解説していて、確かにAmazon Lexはテキストでやり取りするボットのイメージが強いですが、テキスト読み上げ機能を使って、音声でやり取りさせることも可能です。要はAmazon Connectの電話の受け答えをAmazon Lexのボットにさせることが、できる!

ここでようやく新機能ですが、これまでは個別にAmazon LexとAmazon Connectを連携させたりしないといけなかったのが、Amazon ConnectにAmazon Lexが統合され、Amazon Connectのコンソール上で直接Amazon Lexの設定ができるようになったのだそう。つまり、予約の電話を受けて、「日時は?」「人数は?」など音声でのやり取りを対話型ボットに任せちゃう、みたいなことが実現しやすくなった、ということです。

予約対応となると、空き状況を調べて、予約システムと連携して……となかなかハードルが高そうですが、たとえばこれまでIVR(自動音声応答)で対応していた、「予約の方は1を、住所変更の方は2を……」といったアナウンスを流してダイヤル入力で通話を振り分けていたところを、ボットで音声対応する仕組みは、かなりハードル低くできそうな予感がします。

ここまでだと、「生成AI」というよりは、既存のAIボットの延長線、という感じではありますが、Amazon Lexの裏に、生成AIを使ったRAGの仕組みを連携させたりしたら、非定型な問い合わせでもライトなものなら生成AIだけでうまく回答できるのでは?と期待できそうです。

ついでに、Amazon ConnectにはAmazon Connect Contact Lensという分析ツールがありまして、もともと機械学習を用いた音声分析機能として会話内容の分析や感情分析などに対応していました。今回のアップデートにより、Amazon Connect Contact Lensで対話型AIボットの利用状況も分析できるようになったのだとか。作成したボットの成功率や、失敗したボットのインテント(ユーザの目的)などを確認できるので、どういう風に使われているかを分析し、改善につなげられそうです。

分析ツールも進化!日中予測ダッシュボードって?

そしてこのAmazon Connect Contact Lensも新機能が出ました。それが日中予測ダッシュボード。そのままではありますが、同日中のコンタクトセンター状況を予測する機能です。

その日の残り時間で予測される問い合わせ数や平均応答時間、平均処理時間が表示されて、15分ごとに更新、しかも、効果的な人員配置の予測までしてくれるのだとか。うまく活用すれば、人員配置を調整して待ち時間を短縮するなど、いい効果を期待できそうです。

<おまけ>営業時間の「休日オーバーライド」がサポートされた!

最後に、AWS re:Invent 2024終了後に発表されたアップデートですが、細かいながら便利!ということでご紹介を。

そもそも、Amazon Connectを使うときはコンタクトセンターの営業時間を指定するのですが、これまでは「月曜から金曜まで、10時~18時まで」のような一律での指定しかできませんでした。祝日や年末年始、会社で決めた休業日なんかは、AWS Lambdaなどを利用して別途指定するしかなかったのだとか。地味に大変。

今回のアップデートで、これをAmazon Connect内で設定できるようになりました。たとえば、自社の休業日をまとめて設定した「オーバーライド」を作って適用することで、該当日がお休みの指定になる、みたいなイメージです。もちろん、「この日だけ営業時間を延ばしたい/短くしたい」みたいな指定もOK。プログラムを作り込んだりする必要がなく、画面操作だけでできるようなので、かなり便利そうです。

コンタクトセンターは生成AIの“実用化”にかなり近い領域かもしれない

生成AIをビジネスにどう活かすかは、去年あたりからかなり大きなテーマとなってきていて、いろいろな企業で検討や模索が進んでいると思います。この流れはもう避けられない、とはいえ、じゃあ具体的に毎日の業務がどこまで便利になるの?というと、「こう使えばすごい効果が出る!」というところまで行きついた企業も少ないのでは?と(自分ができていないが故の個人的期待も含めて)思っています。

そんななかで、生成AIのユースケースを調べていて、よく出てくるのがコンタクトセンター。いろいろな条件がそろって生成AIに向いているんだろうとは感じていましたが、今回のアップデートもあって、「問い合わせの電話をかけて、普通に話していると思っていたら、実は生成AIでした!」なんていうこともすぐそこまで来ているんだろうな、と改めて思いました。

ソニービズネットワークスでは、Amazon Connect環境の構築支援もおこなっておりまして、生成AIとの連携なども提案できます、とのこと。気になることがあれば、まずはお気軽にご相談いただければと思います!

次回はこちらもいろいろ進化したAmazon Qを取り上げます。以上、シイノキでした!

Amazon Connect 導入支援サービス

電話窓口の在宅勤務化を実現する Amazon Connect環境をリーズナブルに 構築できます

お役立ち資料をダウンロード

Amazon Connect まとめて解説 入門編

「Amazon Connect まとめて解説 入門編」のダウンロードをご希望のお客様は、
以下必要事項をご入力ください。

関連コラム

このコラムに関連する製品

  • Amazon Connect 導入支援サービス

    電話窓口の在宅勤務化を実現する
    Amazon Connect環境をリーズナブルに
    構築できます

    詳細はこちら

このコラムに関連する
導入事例

このコラムに関連する
セミナーアーカイブ動画

情シス担当者に捧げる、セキュリティ内製化を促進する生成AI活用術
~アイティメディア社主催 「AWS Secuirty and Risk Management Forum」から弊社セッション~

SHARE
シェアシェア ポストポスト
情シス担当者に捧げる、セキュリティ内製化を促進する生成AI活用術<br>~アイティメディア社主催 「AWS Secuirty and Risk Management Forum」から弊社セッション~
SHARE
ポスト シェア