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AIの活用事例12選!AIの基礎知識や仕組み、できることも併せて解説

AIの活用事例を知ることで、導入後の効果がイメージしやすくなります。AI(人工知能)とは、人間の知的ふるまいの一部をソフトウェアを用いて人工的に再現したものです。課題に応じたAIを用意することで、人の仕事をさまざまな面で助けてくれます。この記事では、AIの導入を検討中の企業担当者向けに、AIの活用事例を紹介します。ぜひ参考にしてください。

動画で3分で解説

AI活用の事例紹介

AI活用の事例紹介

AI活用の事例を、業種別でどのように活用されているのか紹介します。

AI(人工知能)とは

AIとは、「Artificial Intelligence」の略で、人工知能と訳されます。AIの定義は研究者により細かい差異がありますが、いずれの場合も人間の脳に似せてつくられ、自力で思考することで活動を行うコンピューターです。

1.AIは主に2種類

AIには、特化型と汎用型の2種類があります。汎用型は、人間の脳のような高度な思考力を持ち、さまざまな役割や課題を処理できるシステムです。これに対して特化型とは、ある特定の目的を達成するために学習、処理を行うシステムを意味します。

2.AIの仕組み

AIは、大量のデータから特徴や法則を抽出し、それをもとにタスクを実行する役割を持ちます。特徴や法則を抽出するためのデータを教師データと呼び、判定対象のデータを、教師データから得た特徴や法則と照合し、分析をします。

3.機械学習やディープラーニングとの違い

機械学習やディープラーニングはAIを構成する要素の一つで、判別をするためのモデルを生成する手法です。

機械学習とは、人が定義した特徴や法則を事前に学習させることで人間と同じような判別をする技術です。ディープラーニングは、機械学習の手法の一つで、ニューラルネットワークと呼ばれる仕組みを用いて機械が自力で特徴や法則を抽出し判別を可能とする技術です。

AIでできること

AIはさまざまなことを処理・実行できます。ここではAIの活用例を詳しく解説します。

1.画像認識

画像認識は、AI技術の中でも活用が進んでいる機能です。画像データから特徴を抽出し、カメラに写っているものを判別する技術を画像認識と呼びます。

あらかじめ大量の画像データを読み込ませ、画像に映っている物体などが何であるかをAIに覚えさせることで、検査対象の画像データに何が写っているのかを認識できます。画像認識は物体の認識だけではなく文字の認識でも活用されています。

画像認識の活用事例

画像認識の機能は、顔認証や自動運転、異常検知、AI-OCRなどに活用されています。異常検知は、例えば工場の製品などで正常な形状でないものを見つけ出す役割を果たします。AI-OCRとは、AIによる文字認識システムのことです。ただ文字を認識するだけではなく、それを帳票に反映できるシステムもあり、書き写す手間がありません。また、AI画像認識を利用し人を認識させることで、通行人のカウントなどにも活用されています。

2.音声認識

音声認識は、音声をテキストデータに変換したり、音声で機器の操作を可能にするVUI(Voice User Interface)という技術などに活用されています。VUIは音声によってあらゆる情報のやり取りを行うことができます。

音声認識機能の活用事例

音声認識の活用事例としては、議事録作成や同時通訳、コンタクトセンターでの活用などが挙げられます。また、身近なところでは、iPhoneの「Siri」、スマートスピーカーなどにも活用されています。企業だけでなく個人にも便利な機能です。

3.自然言語処理

自然言語は、人間が日常でやり取りする日本語や英語などの、いわゆる「言葉」のことで、自然言語処理はそのような言葉を処理・分析する技術です。

自然言語処理の活用事例

自然言語処理は、チャットボットでのお問い合わせ対応や、カスタマーサポートなどで活用されています。また、大量の言語を収集することによって得られるデータは、AIによって処理が行われ、マーケティング情報の解析にも活躍します。

4.予測分析

AIによる予測分析は、過去のデータを元に傾向を分析し将来を予測する技術です。これまで人の勘に頼っていたような予測、判断を機械的に行うことができます。

予測分析の活用事例

予測分析の活用事例として多いのが、日時や天候など、あらゆる条件から、どれくらいの来客があるかを予測することです。また、過去の販売実績に基づく需要予測にも活用されています。どのようなものがどのくらい売れるのか、商品の需要を分析することが可能です。
成約確率が高い顧客の予測や、故障の可能性がある機械を予測する予知保全など、様々なビジネスの分野で活用されています。

成長を続けるAI市場

国内AIシステム市場は成長を続けています。2020年〜2025年における国内AIシステム市場の年間平均成長率は25.5%にも及びます。さらにここ数年で「データエクスチェンジ」が活発になることが予測されています。データエクスチェンジとは、企業間で収集、分析したデータを共有し、産業全体の発展に寄与する活動です。

AIが必要とされる背景

AIが必要とされる背景には、2025年問題への対応があります。少子高齢化の影響から労働力不足、医療や福祉面での負担増加が予測されているのが2025年問題です。働き手が不足する一方で医療や福祉を必要とする人は増える予測ですが、AIを上手に利用することによって、低い労働生産性からの脱却が狙えると考えられています。

関連記事: ChatGPTで需要予測はできる?活用方法や課題点を解説

AIを活用するメリット

AIは画一的な対応ができるため、ヒューマンエラー防止につながり業務効率化に有用であることがメリットです。また、高度なデータ分析が可能なため、AIを有効利用しているほうがビジネス上優位に立ちやすい側面もあるでしょう。これまで人が行っていた作業をAIが担えば、高齢化社会による労働力不足にも対応できます。

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【産業別】AIの活用事例12選

AIの活用方法は産業によって違います。ここでは産業別に主立った実際の活用事例を紹介します。

1.製造業

製造業ではAI利用による需要予測を活用している事例が増えています。需要を予測することで、製造/供給数を最適化することが可能です。モノは時期や条件によって売れ行きが変わりますが、予測が不正確だと廃棄やコストアップにつながることもあります。需要予測により、出荷や輸送時のコストを最適化できるでしょう。

2.農業

農業の分野では、農作物の生育から出荷までのデータを活用し、数週間先の生産量をAIが予測する、といったようなことが行われています。生育状況の把握は過去のデータから可能です。ここでも需要予測が活用されることがあり、納品先と連携し、納品の予定や予約、生産量の調整などを行うことで、廃棄や不足といった課題を解決できます。

3.畜産

畜産の分野では、AIを利用し、動物の行動データから体調を予測することが可能です。AIによって生体情報を把握したり、疾病等の早期検知につなげたりする動きも活発化しています。

畜産分野全体の問題として、高齢化や後継者不足が挙げられます。これらは生産性の向上や労働負担の軽減によって解決できる可能性のある問題といえるでしょう。

4.水産業

水産業の分野では、AIを漁獲量予測などに利用しています。というのも、急潮や赤潮といった急激な海水温変化を予測できると、養殖場の被害を軽減することにもつながるためです。

また、養殖の現場では天候や魚の体調によって、魚がどれくらい餌を食べるかを予測し、自動で餌やりをする機械も開発されています。結果として、餌の食べ残しや不足を防ぎ、効率良く育てることが可能です。

5.医療・福祉

医療・福祉分野では、AI予測分析がさまざまな役割を担います。例えば、発病の危険性が高い患者を特定したり、重度の敗血症またはショック状態を起こす患者を事前に特定し対処を促したり、といったことができます。

また、事務的な面では、予約日や直前のキャンセルを過去データから分析することで、人的リソースの割り当てを最適化できる側面もあります。

6.金融業

金融業では、クレジットカードの不正検知やクレジットカード詐欺の防止にAIが使われています。顧客が日常と違う行動をしたり、不明瞭なパターンで買い物をしたりすると、AIによってカード決済が停止となる仕組みです。

一方、顧客離れを予測して対策を打てるメリットもあります。お金の動きから取引金融機関を変えようとする試みを察知できれば、直接説得できるでしょう。

7.保険業

保険業では、顧客の行動データをAIが分析し、保険リスクを算出することによって、これらの内容を保険価格に反映しています。AIによる分析を使うと、満期を迎える契約者の行動を予測し、解約への対策ができるのもメリットです。

8.不動産業

不動産業において、不動産の価格判断は従来、人が手間をかけて調査し、行っていたことです。AIが登場してからは、地価や周辺地域の物件の価格を考慮し、簡単に価格推定をおこなえるようなサービスが登場しています。

また、顧客の住まい探しにもAIは役立ちます。顧客の好みや希望を入力し、該当する物件を自動で抽出することも可能です。

9.小売業

小売業では、AIは需要予測に活用されます。いつ、どのようなものが顧客に必要とされるかによって、仕入や従業員の配置を調整でき、極力損失の少ない形で営業できるでしょう。

他にも、顧客データを元に適切な広告やプロモーションを作成できる、価格の上げ下げを最適なタイミングで実施できるといったメリットもあります。

10.建設業

建設業の分野において、AIはさまざまなリスクの軽減に役立っています。例えば、膨大な画像データを解析し、道路陥没の原因を素早く特定できます。他に、過去の事故記録から建設プロセスや現場の危険度を可視化し、事故の発生リスクを事前に予測することも可能です。こうした分析は事故の予防、日々の安全につながるでしょう。

11.運輸業

運輸業では、点検や道路の空洞検知といった安全対策の一環にAIが使用されます。運送車をはじめとする機材や、通行する道路の安全は、絶対に確保しなければなりません。

さらに、走行データを分析することで、最適な配送ルートにより待ち時間やリソースを最適化し、新人ドライバーでもベテランと同じ業務を任せられるのがメリットです。

12.飲食・サービス業

飲食・サービス業では、原価や人件費に対する正当な価格を決めなければ利益が出ないことがあります。AIは商品を評価し価格決定を担うことが可能です。

また、日時によって来客数やメニューの注文数を予測することで、最適なスタッフ配置や食品ロスの削減ができます。食品ロスは環境負荷を改善するためにも必要といえます。

関連記事:
小売業界でAIを利用するメリットとデメリットとは?活用事例も解説
製造業のデジタル化(DX化)とは?推進すべき理由や方法を解説

まとめ

AIはさまざまな業界で、仕事の効率化やロスの削減、労働負担の軽減に役立っています。どの業界でも、AIを導入することによって大きなメリットが得られるといえるでしょう。

これらの活用例の中でも「過去のデータから未来を予測する」予測分析がビジネスの意思決定をより高精度に導く手段として注目を集めています。下記資料では、予測分析を行うことでビジネスにどんなメリットがあるのか、導入事例を交えながらご紹介していますのでぜひご覧ください。

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