クラウド移行とあわせ、
属人化を回避する運用を目指す
カギは「誰でも簡単に使える」クラウドポータル
ワタベウェディング株式会社様
ビジネスサービス 旅行・宿泊・飲食 AWSの活用・環境構築がしたい 500-1,000名
お客様プロフィール
- 会社名
- ワタベウェディング株式会社
- 本社所在地
- 京都府京都市下京区四条通烏丸東入長刀鉾町20四条烏丸FTスクエア
- 設立
- 1964年10月3日
- 資本金
- 41億7,637万2,000円
- 従業員数
- 501~1000名
- 事業内容
- サービス業
国内・海外での挙式からハネムーンまでブライダルに関するあらゆるサービスを提供。国内93拠点・海外41拠点(2019年12月14日現在)のグローバルネットワークを活かし、リゾートウェディングの取り扱い組数においてNo.1の実績を誇る。お客様に「人生最高の一日」を過ごしてもらうために、ブライダルに関する多様なニーズに付加価値の高い提案力で応える。
グループ企業のサーバを集約し、より効率的な運用を目指す
総合ブライダル企業として国内外の挙式からハネムーンまでブライダルに関するさまざまなサービスを展開するワタベウェディング株式会社。従来はグループ会社ごとに運用していたサーバを集約し、クラウドへ移行することで、より効率的なシステム運用を目指していた。「もともとオンプレミスのデータセンターには、ワタベウェディングのサーバ・3ラックのほか、グループ企業である目黒雅叙園とメルパルクのサーバが各2ラックあり、計7ラックのサーバを運用していました。サーバの老朽化に加え、利用していたWindowsServer 2008 R2のOSサポート終了も迫っていたことから、クラウド移行を本格的に検討することにしました」
ファイルサーバやActive Directoryなどが稼働するこれらのサーバは、VMwareの仮想環境に加え、物理サーバも多く、効率的に運用できていなかった。また、月1回ほどはトラブル対応などで担当者がデータセンターまで足を運んでおり、運用の負担も大きかった。クラウドに移行することで、これらの課題もまとめて解決できると期待されていた。
しかしながら同社も、それまでクラウドをまったく利用していなかったわけではない。「基幹システムをあるIaaSに移行したのですが、運用が難しく、保守はすべて外部ベンダーに委託していました。そのため毎月の保守・運用コストがかなりかさんでおりました」情報システム部門担当者の負担はできる限り少なくしたいとはいえ、保守コストが高すぎる。残りのオンプレミスのサーバをすべてこの体制で運用するのは難しいと判断し、ほかのIaaSを検討することに。そこで筆頭候補となったのがAWSだった。
「ユーザ自身で運用できるようにすることで、コストを抑えられます」という提案
AWSへの移行に際し、複数のAPNパートナーから提案を受けたなかで、もっとも低コストで導入可能だったのがソニービズネットワークスの「マネージドクラウド with AWS」だった。
「当社の場合、クラウドに移行するよりもオンプレミスで使い続けた方がコストは安くなります。そのうえで移行に踏み切るためにはできる限り初期コストを抑えたいと考えていました」。他社が運用まですべて請け負う形での提案だったのに対し、ソニービズネットワークスは初期設定のみ代行し、その後の移行や運用はユーザ自身でおこなう形での提案であり、この点が大きなコストの差につながっていた。「正直、他社と比べて『本当に大丈夫なのか』と不安になるほど低コストでの提案でしたし、自分たちで移行や運用ができるのか、期限に間に合うのかという懸念もありました。いざ実際にやってみたところ、それほど難しいこともなく、自分たちで運用する形で十分でした。理にかなった提案だったと思います」
わずか10分で新サーバ立ち上げ……AWSならではのスピード感
実際の移行作業については、ソニービズネットワークスからいくつかの手法が提示され、最終的には、Windows ServerのOSアップグレードもあわせておこなうために、AWS上にEC2インスタンスを作成、再設定したうえでファイルを移行する流れを手作業で実施することに決めた。「台数は多いものの、作業自体はスムーズでトラブルもなく、1年ほどの計画で順次移行を完了しました」資産管理サーバ、BIツール、複合機のドキュメント管理サーバ、プロジェクト管理サーバなどオンプレミスのシステムをAWSに移行。結婚式のアルバム制作に利用する写真を保存するサーバのみ、データが大きく、ストレージ容量・データ転送のコストが見合わなかったため、クラウド移行を断念し、オンプレミスのまま残しているという。
また移行とあわせて、新規サービス立ち上げにあたっての環境整備もおこなった。「結婚式の準備期間にウェディングプランナーと新郎新婦がコミュニケーションをとるためのWebサービスを自社開発することになり、その環境が必要になりました」もともとリゾートウェディングで数多くの実績を誇る同社だが、リゾートウェディングに特化したパッケージ製品を扱う企業が少なく、選択肢が乏しい。自社の強みを活かしたサービスを提供するためにも、システムの内製化を進めている。Linux環境に関しては、取得したバックアップデータをテンプレート化。これをベースにインスタンスを作成することで、わずか10分で新しいサーバを用意できる。「このスピード感はやはりAWSならではかと思います」
ほかにも、AWSでは無料でSSL証明書を発行できる。「弊社では複数のドメインを運用しており、それぞれにSSL証明書が必要です。証明書の発行や更新のたびに手間がかかっていましたが、この点もAWSでずいぶん楽になりました」
圧倒的に使いやすく、だれでも確かに運用できる「クラウドポータル」
「マネージドクラウド with AWS」が標準で提供する運用管理ツール「クラウドポータル」についても高く評価している。「AWSはサーバスペックを簡単にチューニングできる点が魅力です。新しいシステムでは、ある程度パフォーマンスを予測して運用をはじめますが、思ったよりも負荷が高く、スペックをあげたい、ということもありました。インスタンスタイプやディスク容量の変更もクラウドポータルならば簡単で誰でも運用可能です」と話す。「AWSのマネジメントコンソールでも同じことができますが、使い方に迷ってしまうことがあるのに対し、クラウドポータルならばだれでも分かるようになっています。インフラに詳しくない開発者でも『見ればできる』レベルなのがいいですよね」なかでも特に活用しているのがバックアップだ。「バックアップのスケジュール設定もリストアも圧倒的に簡単です。複数システムのバックアップを運用していると、怖いのはオペレーションミスですが、クラウドポータルはシンプルで見やすく、ミスが出にくい構成だと感じています」
また、外部ベンダーや開発メンバー用のアカウントを発行し、それぞれが担当するサーバのみ操作できるように設定。運用を任せているという。「以前から利用しているIaaSで保守コストがかさんでしまったという反省もあり、自分たちで運用できることは重要だと考えています。だからといって、限られた人しか運用できない状況も問題です。コストを抑えて、属人化を回避できるといった意味でもクラウドポータルのメリットは期待以上です」
海外拠点・コールセンター機能にてAmazon WorkSpacesを活用
同社ではAWSのマネージド型仮想デスクトップサービス「AmazonWorkSpaces」も活用している。「以前は、開発などのニーズにあわせてVMware上にクライアントPC環境を構築していたのですが、ソニービズネットワークスからAmazon WorkSpacesを提案いただき、こちらに切り替えました」VMwareでは社外から仮想デスクトップ環境にアクセスできなかったが、Amazon WorkSpaces環境では社外からもアクセス可能となり、活用の幅がぐっと広がった。「海外拠点では、輸出などの規制対象となってしまうため、私たちがキッティングしたPCを送ることができず、現地で調達したPCを利用していました。ですが、これらのPCはActive Directoryにも参加しておらず、そもそもウイルス対策ソフトが入っているかどうかを確認する術もありません。本社側システムへのアクセスのためにソフトウェア型VPNを配布していましたが、動作も不安定でした」そこで、海外拠点向けにAmazon WorkSpaces環境を配布し、基幹システムなどクローズドな環境にアクセスする際に使ってもらっているという。
このほか、コールセンター機能にてAmazon WorkSpacesの活用をスタート。「リゾートウェディングでは旅行をセットで手配することが多く、ウェディングを担当する店舗とは別の窓口として、旅行に関する確認や変更を受け付けるコールセンター機能を新設しました」だが、システムの都合上、店舗ごとに個別のPC環境を用意しなければならない。物理PCを並べて対応するのは現実的ではない……と、1台の端末からAmazon WorkSpacesを使い分ける形で対応しているという。「マネージド型なので運用も簡単ですし、利用する際も通常どおりログインするだけで問題なく使えています」現在30台近くのAmazon WorkSpacesが稼働しており、今後はコストのバランスを見ながら、導入を考えたいと話す。」
現在は会計システムを、リプレースとあわせてAWSへ移行しようと計画を進めている最中だ。「こちらが完了すれば、目指していた理想形が完成します。データベースは現在Amazon EC2上に構築しているので、こちらをAmazon RDSに移行できるかどうかは引き続き検討していきたいですね」運用負荷は最小限にしたい、自分たちで運用したい、そのうえで属人化も避けたい、と矛盾しているようにすら見える要望をすべてクリアした好事例と言えるだろう。
2020年1月現在
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