AWSは「ドル建て、クレジット払い」のみ?
最初は、AWSの支払いは「ドル建て」で「クレジット払い」のみだから、企業の経理が対応しにくい、というものです。確かにサービスリリースからしばらくAWSが「ドル建てクレジット払い」にしか対応していなかったのは事実。そのため、APNパートナー各社が「請求代行」として、「円建て・請求書払い」に対応します、と打ちだしていました。ソニービズネットワークスのAWS導入・運用支援サービス「マネージドクラウド with AWS」も同様です。
ですが、利用料金が一定額を超えるケースでは請求書払いが可能ですし、2015年2月からは支払い通貨として日本円を選択できるようになっています。もちろん「マネージドクラウド with AWS」ならば金額にかかわらず円建て・請求書払いでOK。日本企業の事情にあわせた支払いができるので、ここが問題になることはなさそうです。
AWSは、米国法準拠だから怖い?
「ドル建て払い」とあわせてよく言われていたのが、「AWSは米国法が適用されるから、なにかあったときにアメリカで裁判することになってしまう」というもの。だからリスクが大きい、日本法準拠で使えるクラウドの方が安心!というロジックを見かけた時期もありました。
が!こちらもすでに過去の話。2017年からは、準拠法を日本法、管轄裁判所を東京地方裁判所に変更できるようになっています。最初は、書面での契約が必要だった準拠法変更も、今はマネジメントコンソールからサクッと変更可能です。ただし、デフォルトは今もワシントン州法準拠、管轄裁判所はワシントン州キング郡州裁判所または連邦裁判所。利用開始時に変更する必要があるので、注意しましょう。
サポートは英語なんでしょ?
外資系のサービスを利用する際によく挙げられるのが「英語サポートしかない」問題。なにか起きたときに英語で問い合わせするのはやっぱりハードルが高いですし、トラブル時の緊急対応のときも英語でしか問い合わせできないとなると不安なのは分かる。すごーーーっく分かる。そして、AWSも外資のサービスだから、「どうせ英語のサポートしかないんでしょ?」と思われがちです。確かに、AWSのサポートって英語しかなさそうだし、「丁寧なサポート」とは縁遠そうなイメージ……(偏見)
でもこれ、本当にただの偏見で、ただの思い込み。実際は、ビジネスサポートの契約は必要ですが、24時間365日、日本語でのエンジニアのサポートが受けられます。プランによって条件が異なりますが、困ったら日本語でちゃんと問い合わせできるし、相談できるというのは嬉しい情報です。
ほかのIaaSと比べてリージョン数が少ない?
AWSのリージョン数は世界で22、さらに3つのリージョンの追加が予定されています(2019年10月現在)。北米、ヨーロッパ、アジアなどさまざまなエリアから選択することができますが、ほかのIaaSでは、より多くのリージョン数を謳うものも。単純に比較表を作ると、リージョン数が多い方がいいのでは……と思いそうになりますが、実はそこに落とし穴が! AWSは、リージョンごとに複数のAZ(Availability Zone)から構成され、1つのリージョン内でマルチAZ構成をとることで、高い可用性を実現できます。
ところが、サービスによってはAWSのAZに相当するものをリージョンとしてカウントしているものも。となると、1リージョン内で可用性を担保することができません。 同じ言葉を使っていれば、同じものを指すように思ってしまいますが、サービスごとに定義が違っていたら比較しても意味がないですよね。まずはきちんとその言葉がなにを指すかを調べることが大事。そのうえで比較すれば、AWSのリージョン数は決して少ないものではないはずです。
AWSはDR(災害対策)に弱い?
災害対策の筆頭に挙げられるのが、遠隔地のデータセンターにサーバを分散させること。日本国内では、東日本・西日本それぞれのデータセンターで冗長構成をとる「東西DR」が主流です。 そこで言われるのが「AWSは日本には東京リージョンしかないから、東西DRできない」問題。確かに大規模な災害を想定すると「東京のみ」では不十分……となりそうです。もちろん海外リージョンにDRすればいいとも言えますが、距離が遠くなる分、データを送るのも大変ですし、ハードルが高いことは否めません。
が!AWSにも、大阪リージョンはありまーす!日本企業からの国内DRの強い要望を受け、2017年のAWS Summit Tokyo基調講演で発表。2018年から運用が開始されています。ただし、大阪は「ローカルリージョン」という位置づけ。通常のリージョンとは異なり、東京リージョンのDR先としてしか運用できないという制限がありますし、利用には事前の審査も必要です。 でもですね。そもそもAWSの東京リージョンには4つのAZが用意されています。AZはそれぞれ「地理的に影響を受けない十分に離れた場所にある」とされているもの。具体的な場所は一切公表されていませんが、4カ所に分散されていれば、それだけでも対策として十分では、と思います。
AWSはECサイトやゲームサイト向けで、企業用途には向いてない?
まだそんなこと言ってるの……という気はしますが、なんとなく最初についたイメージを払拭できないことはありますよね。確かに柔軟にリソースを拡張・縮小できるAWSは、キャンペーンなどにあわせて突発的に負荷があがるECサイトや、人気にあわせてどんどん拡張していく必要があるゲームの基盤としてメリットが大きいのは事実でしょうし、現にそういった形で活用している企業も多くあります。
でも、だからといってそれが「企業用途に使えない」とイコールではありません。基幹系システムをAWSに移行した企業も多く、エンタープライズ企業の基幹システム稼働実績もかなりの数に上ります。もはや基幹システムもAWSという選択は、当たり前の時代になった、と言えるでしょう。「マネージドクラウド with AWS」でも実際に基幹システムを移行した事例を多数公開していますので、ぜひご覧ください。
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まとめ
今回は、AWSのデメリットとしてよく挙げられているものを改めて検証してみましたが、「昔はそうだったけれど今はもう違う」というものも多く、AWSがユーザの声や要望にあわせて着々と進化してきている様子が分かるというか、進化しすぎていて、おそろしい子っ……!という感じすらありますが、実際に使うとなればデメリットが解消されることは嬉しいに違いありません。
今回挙げた以外に、よく聞かれるデメリットとしては
- サービスが豊富だけれど、豊富すぎてどれを使えばいいか分からないのが、逆にデメリット
- AWSはサポートしてくれないから、移行も構築も運用も自分で何とかするしかない
といったあたりがありますが、このあたりをフォローするのもソニービズネットワークスのようなAPNパートナーの役割。「マネージドクラウド with AWS」でももちろん、AWSに詳しいエンジニア&営業の皆さんが、豊富なサービスを企業ごとにあわせて構成するのも、移行や構築や運用のサポートも、まるっとお手伝いいたします。企業ごとの無料個別相談も随時受け付けていますので(なんでも相談室)、気になったらまずはぜひお気軽にご相談ください。
以上、シイノキでした。
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