JAWS-UGって何?
JAWS-UG(Japan AWS User Group) は、AWSを使うエンジニアたちが自主的に集まるコミュニティです。全国各地に支部があり、山梨支部もそのひとつ。オンライン・オフライン問わず定期的に勉強会が開催されています。
難しそう、上級者ばかりなんじゃ……と思うかもしれませんが、実際はそんなことありません。初心者向けのセッションもあれば、ライトニングトーク形式の気軽な発表もあります。「AWS好きな人が集まって知見を共有する場」という雰囲気が強く、参加のハードルは思っているよりずっと低いです。
きっかけは「登壇者募集」の一言
参加のきっかけは、社内のチャットに流れてきた一言でした。
「JAWS-UG山梨で登壇者を募集しています。ぜひ!」
見た瞬間、反射的に申し込みフォームを送っていました。登壇枠は4枠中3枠がすでに埋まっていて、残り1枠。「今申し込まないともう無い」と思ったら指が動いていたんです。
……ただ、申し込んだ時点では話すネタは何も決まっていませんでした。
それから慌ててネタを考えて、ふと思いました。「話せるネタなら、ある」
入社してから業務効率化のために取り組んでいたことがありました。それがAmazon QuickとObsidianの組み合わせです。なんとなくやっていた習慣ですが、他のエンジニアに伝えたら役立つかもしれない。そう思い、登壇テーマが決まりました。
登壇テーマ:Amazon Quickで毎朝の日記を自動で立ち上げてみた
今回の登壇で使ったツールは2つです。一つはObsidian、自分のパソコンで動くメモ帳アプリで、マークダウンというシンプルな書き方で箇条書きがサクサク書けます。入社当初はただのメモか daily note(日記)という単純な使い方しかできていませんでした。もう一つがAmazon Quick。この2つを組み合わせることで、使い方が一変しました。
毎朝「今日って何やるんだっけ」問題
新卒の朝あるあるかもしれませんが、1日の始まりがいつも「今日って何やるんだっけ」から始まるんですよね。
その手がかりが全部バラバラの場所にあるんです。
- Windowsのデフォルトメモにちょっとした走り書き
- 先輩の影響で入れたサクラエディタにも何か書いてある
- 今日の打ち合わせはOutlookの予定表
- 頭の中のToDo……覚えているつもり
これを毎朝かき集めるところから1日が始まる。地味に、しんどいんです。
しかも情報をかき集めるだけで毎朝15分かかっていました。それでも大事なタスクを拾い忘れて、同期との雑談で「あれ、あの件どうなった?」って気づく始末。
……これ、AIにやってもらえないかな?と思ったのが出発点です。
Obsidianで「今日の司令塔」日記を作る
そこで使い始めたのがObsidianです。Obsidianの最大の特長は、中身がプレーンテキスト(Markdown)、つまり装飾のないただのテキストだということです。
これが AI と相性抜群なんです。装飾がないから、AIがそのまま素直に読み取れる。逆にAIが書いた結果もMarkdownだから、人間から見ても見やすい。AIと人、両方に都合がいいんですね。
Amazon Quickで「一言30秒」に短縮する
もう一つのツールがAmazon Quickです。Amazon Quickは、話しかけるだけでファイルを読み書きしてくれるAIワークコンパニオン。普通の日本語で話しかけるだけで、ファイルを開いたり、中身を読んだり、書き込んだりしてくれます。プログラミングの知識はゼロで大丈夫。
さらに大事なのが、ぜんぶ手元のPCの中で動くという点。自分のローカルファイルを、外に出さずに自分のマシンの中だけで処理してくれます。ここは安心してもらえるポイントだと思います。
組み合わせると、こうなる
全体の流れはシンプルな3ステップです。
STEP 1 ― Obsidianに書く daily noteに箇条書きでメモするだけ。普段通りです。
STEP 2 ― Amazon Quick に頼む 「今日の日記を作って」と話しかけるだけ。自分専用エージェント「朝の日記アシスタント」に一言投げる。コードもコマンドもいりません。
STEP 3 ― 自動で完成 前日のやり残しタスクが自動で今日に引き継がれ、Outlookに入っている今日の予定も反映されます。タスク・タイムライン・ゴールが1画面に揃った、今日の司令塔になる日記が30秒で立ち上がります。
人がやるのは STEP1だけ。ツールを「組み合わせる」ことで、業務フロー全体が回るんです。
エージェントの作り方は、たった2ステップ
「エージェントを作る」って難しそうに聞こえますが、全然そんなことないです。
- メニューから「Agents & skills」を選んで「Create」を押す
- 指示文を日本語で書いて登録する
プログラミングは要りません。私の場合は「毎朝こういう日記を作ってほしい」というテンプレートを日本語で書いて渡しただけ。これだけで、自分専用の「朝の日記アシスタント」ができあがります。
結果
表はスライドできます
| Before | After | |
|---|---|---|
| 毎朝の情報収集 | 15分かき集めて、それでも拾い忘れも | 一言30秒。タスク繰り越しも予定同期もAIが |
| 効果 | ― | 約30倍の時短に |
何より、拾い忘れの不安から解放されたのが大きかったです。
初登壇、やってみてどうだった?

▲ JAWS-UG山梨 当日の登壇の様子(Obsidianのスライドを投影中)
緊張しました。めちゃくちゃ。
発表直前は手足が震えていました。登壇の順番が後ろの方だったので緊張感が高まっていました。登壇し、参加者の目線を感じた瞬間、「やばい」と思いました。
でも、話し始めたら不思議と落ち着いてきました。聞いてくれる人たちが、うなずきながら聞いてくれているのが分かったからです。
質問が来た!
発表後、「Obsidianのどのプラグインを使っていますか?」「Amazon QuickはどのフォルダをRAG(AIが参照するファイルの仕組み)のソースにしているんですか?」など、具体的な質問をいただきました。
発表が終わったあとの会話が、一番楽しかったです。
同じツールに興味を持っている人、別のワークフローを使っている人、全然違うアプローチをしている人……いろんな人と話せて、「もっとこうしたらいいかも」というアイデアをたくさんもらいました。
参加してよかったこと3つ
- 自分のやっていることを言語化できた — 登壇準備でスライドを作ったことで、なんとなくやっていた習慣を改めて整理できました。
- 社外のエンジニアとつながれた — 社内だけでは出会えない人たちと話す機会が生まれました。
- 「自分も話せる」という自信がついた — 完璧じゃなくても、自分の体験を話すだけで価値になると分かりました。
他の登壇者の方々の発表も熱かった
今回は私を含めて計4名が登壇しました。他の3名の発表も、それぞれ視点が異なっていてとても勉強になったのでご紹介します。
オオタさん:CI/CD からインフラへ ― CloudWatchでPrometheusを置き換える話
今年のAWS Jr.Champions にも選ばれたオオタさんの発表。テーマは CI/CDからインフラ監視へのシフトで、PrometheusとCloudWatchの比較が軸でした。
印象的だったのが「リクエストを送った時間をヒストグラムにする」というユースケース。Prometheusでやっていたことを CloudWatchで置き換えられると、ツールが一本化されてインフラ管理がぐっとシンプルになる ― という話で、監視ツールの選定に悩んでいる方には刺さる内容だったと思います。
サトウさん:Authenticator難民からの脱出
「どのAuthenticatorアプリを使っていいかわからなくなった」という共感度MAXの問題提起から始まったサトウさんのセッション。
きっかけはよく使われていたアプリのデスクトップ版が廃止されたこと。スマホで代替しようにもiPhoneが見つからない、シークレットキーも消えてしまう……という地獄のような状況から、「ひけん」というアプリを発見して解決した体験談でした。スマホでもMacでも使えるマルチプラットフォーム対応がポイントとのこと。「あるある!」という声があちこちで上がっていました。
イケダさん:AWSの昔話 ― m1.smallと時間課金の時代
イケダさんはAWSの歴史を振り返る発表。「昔はインスタンスが 1 つしかなく、時間単位の料金で m1.smallだった」という話は、AWSを最近触り始めた自分には新鮮でした。今では当たり前のように使っているマネージドサービスやオートスケーリングも、かつては存在しなかった。その積み重ねの上に今のAWSがあるんだと、改めてクラウドの進化を感じさせてくれるセッションでした。
フジワラさん:AIを秘書にして、専門外の壁を越える
「Storage-JAWS」というストレージに興味のある人を歓迎するコミュニティを運営されているフジワラさんの発表は、個人的に一番刺さりました。
テーマは 「AIでできないことができるようになる」 こと。S3には種類がたくさんあり、専門家でないと最適な選定が難しい ― でも、そこで「専門外だから」と止まらずに AIを秘書として使うという考え方が軸でした。
具体的にはKiroを使って AWS CDK/BLEAのたたき台を作り、Vibe CodingのSpec作成にも活用するという実践的な内容。「AIや電気などのリソースを消費して、自分が楽しかっただけで終わるのはもったいない」という言葉が特に刺さりました。自分の発表テーマとも重なる部分があって、終わった後に話しかけずにいられませんでした。
新卒・初心者でも登壇できる理由
登壇と聞くと「自分には無理」と思う方も多いと思います。でも、私が感じたのは、勉強会は上級者のためだけの場所じゃない ということです。
むしろ、初心者だからこそ話せることがあります。
- 「最初に詰まったポイント」は初心者に刺さる
- 「こうやって覚えた」という学習プロセスは共感を生む
- 「ツールを試してみた」という素直な体験は誰かの参考になる
難しい設定も、プログラミングも、していません。大事なのは「どのツールを、どう組み合わせるか」を考えること。Obsidianに書いて、Amazon Quickにまとめてもらう。この組み合わせを思いついたことが、今日の全部です。
完璧な技術を持っていなくても、「自分が経験したこと」を話すだけで十分 です。
まとめ
今回、初参加・初登壇という形でJAWS-UG山梨に関わらせていただきましたが、本当に良い経験になりました。
Amazon QuickとObsidianの組み合わせについては、まだまだ改善できることがあると思っているので、ワークフローがもう少し洗練されたらまた記事にしたいと思います。
この記事を読んで、「勉強会、ちょっと興味あるかも」と思っていただけたら嬉しいです。JAWS-UG の勉強会は全国各地で開催されていますので、ぜひ一度覗いてみてください!
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