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【AWS入門】Amazon S3とは?仕組み・メリット・活用方法をわかりやすく解説

2026年9月2日掲載

はじめに

ソニービズネットワークス 開発本部の大森です。

白状します。ちょっと前まで「Simple Storage Service(Amazon S3)= 便利なファイル保管庫」で認識が止まってました。すみませんでした。めちゃくちゃ奥深いです。今日はその反省文を兼ねて、自分が調べたことを書いていきます。

さて、皆さん「Amazon S3」と聞いてどんなイメージがありますか?
「ファイル置くところでしょ?」
…合ってます。合ってるんですけど、それで終わらせちゃうのはもったいない。S3、思ってるより全然できるヤツなんですよ。

この記事では「S3って結局何なの?」というところだけに絞ります。細かい話は別の記事に回すので、今回は5分くらいで「なるほどね」ってなってもらえたら成功です。

Amazon S3って何者?

正式名称は「Simple Storage Service」。略してS3。2006年生まれ。AWSの中でもかなりの古株です、機能はいつの間にか増え続けて今や200以上のアップデートが重なっています。「Simple」とは……?

ひとことで言うと、インターネット経由でファイルを保存したり取り出したりできるストレージ。GoogleドライブとかDropboxのイメージが近いんですが、あっちが「人間が手動で使う」前提なのに対して、S3は「システムが裏側で使う」前提で作られています。プログラムから呼び出しやすいように設計されていて、自動化との相性がめちゃくちゃいい。

ここがポイントで、ただファイルを置くだけじゃなくて「プログラムから自在に操れるファイル置き場」なんですよね。この性質のおかげで、使い道がめちゃくちゃ広い。それは後半で触れます。

覚えることは3つだけ

S3を触るうえで知っておくべき用語、大きく分けて3つしかありません、ありがたいですね。

  • バケット(Bucket):ファイルを入れる箱です。S3を始めるとき最初に作るもの。名前は世界中で被っちゃダメなルールなので、地味に命名に悩みます。ohmori-test-bucket-2026 みたいな感じでつけます。
  • オブジェクト(Object):バケットに入れたファイルのこと。画像でもPDFでも動画でも何でもいけます。1ファイル5TBまで。5TBって、4Kの映画が何百本入る容量なので、まず上限に当たることはないです。
  • キー(Key):ファイルの住所です。users/profile/tanaka.jpg みたいに書く。スラッシュで区切るとフォルダっぽく見えるんですけど、実はS3には「フォルダ」という概念がない。見た目がフォルダっぽいだけ。でもAWSのコンソール画面はちゃんとフォルダ表示してくれるので、知識として知っておけばOKかなと、あまり困ることはないと思います。

で、この3つを合わせるとURLになります。

https://my-app-images.s3.ap-northeast-1.amazonaws.com/users/profile/tanaka.jpg

バケット名+リージョン+キー。これで世界に1つだけのアドレスが決まります。名前に「Simple」って入ってるだけはありますね、シンプルでしょう?

S3の基本構造 — バケット・オブジェクト・キーの関係

S3の何がいいのか

「で、普通にサーバーにファイル置くのと何が違うの?」って思いますよね。自分も思ってました。結論から言うと、4つ違います。

  • 容量を気にしなくていい:バケットに上限がない。1GBだろうが100TBだろうが、入れた分だけ勝手に広がります。普通のサーバーだと「ディスク80%超えたからそろそろ拡張しなきゃ…」ってなるじゃないですか。あれがないです、永遠に「空きあり」です。いっぱい入れられてうれしいってやつですね。
  • 壊れない:正確に言うと「99.999999999%壊れない」。9が11個並んでます。これ、1000万ファイル保存して1万年に1個消えるかどうかというレベルです。裏側でデータが3箇所以上のデータセンターに自動コピーされてるので、1箇所が吹っ飛んでも残り2箇所が生きてる。安心感がすごい。
  • 安い:1GBあたり月額約4円(東京リージョン、2026年8月時点)。50GB置いても月200円。缶ジュース2本弱。しかも「使った分だけ」の課金なので、消せば翌月から即安くなります。
  • デフォルトで鍵がかかってる:新しく作ったバケットは最初から非公開。自分で「公開していいよ」と設定しない限り、外からは見えません。昔はうっかり公開しちゃう事故がニュースになってましたが、今はAWS側がガードを硬くしてくれてます。

料金、具体的にいくら?

「安い」って言われても数字がないと不安ですよね。もうちょっと具体的に。
S3の料金は「保存した量」と「操作した回数」の2本立てです。保存は1GBあたり月4円。操作はファイルを取り出す(GET)のが1万回で0.6円、保存する(PUT)のが1万回で8円ぐらい。個人や小規模プロジェクトなら、月数百円で収まることも珍しくないです、ラーメン1杯より安いことも…あるかも。

あと、新規でAWSアカウントを作ると$100のクレジットが即もらえます(2025年7月〜の新制度)。使い進めると追加で最大$100、合計$200分。S3を試すだけなら実質タダみたいなもんです。

試しに作った後は、しっかりS3を削除しておきましょう!お金かかっちゃうので!

こんな場面で使われてます

さて、安くて壊れなくて容量無限なのはわかった、じゃあ実際みんな何に使ってるのか。代表的なものを4つ紹介します!

1. Webサイトの公開

HTMLと画像だけのサイトなら、S3だけでインターネットに公開できます。Webサーバーが要らない、つまりサーバーの面倒を見なくていいわけですね、とてもありがたいです。
OS更新もセキュリティパッチも不要でコーポレートサイトやキャンペーンLPとかに最適になると思います、CloudFront(AWSのCDN)を前に置けば独自ドメインもHTTPSもいけます。

Webサイトの静的ホスティング構成

2. バックアップ

DBのスナップショットやログをS3に投げておく使い方です。「30日経ったら安いプランに自動で移す」「1年経ったら消す」みたいなルールを一度設定すれば、あとは全自動。
バックアップ、取ってるつもりで取れてないのが一番怖いので、自動化できるのは大きいですね。

バックアップ・災害対策構成

3. データ分析の土台

形式バラバラなデータ(CSV、JSON、画像、ログ…)を全部S3に突っ込んで、あとからSQLで分析する… 俗に言う「データレイク」ってやつですね。
「とりあえず全部ここに入れとけ、使い道はあとで考える」が許されるのは、ほぼ容量無制限×低料金のS3だからこそできることですね。

データレイク構成

4. 機械学習のデータ管理

AIモデルを作るには大量のデータが必要なんですが、テキスト・画像・音声・動画… 形式がバラバラでも全部S3に放り込めます。
しかもバージョニング機能で「学習データv1、v2、v3…」って世代管理ができる… 「このモデル、どのデータで学習したんだっけ?」が追えるのは、あとから地味に効いてきます。
個人的にローカル上で機械学習をしていたことがあるので、その時にS3を使っていれば…データ周りの整理が楽だったなぁと思ってます。

他にもAIの学習データ管理とかIoTデータの保管とか色々あるんですが、長くなるのでそれは次回。ざっくり全体像を図にするとこんな感じです。

S3の活用例 — こんなこともできます

まとめ

今回の話をまとめます。

  • S3は「インターネット経由でどこからでも使える、容量無制限のストレージ」
  • 覚えることは「バケット」「オブジェクト」「キー」の3つだけ
  • 壊れない、安い、鍵がかかってる
  • Webサイト公開、バックアップ、データ分析の土台として使える

ファイル置き場として生まれたはずなのに、気づけば守備範囲がえらいことになってるサービスです。次の記事ではEBS・EFSとの使い分けや、もうちょっとマニアックな活用法について書いていこうと思います。

まずはAWSコンソールでバケットを1つ作って、何でもいいからファイルを1つ上げてみてください。それだけでS3の基本は体感できます。

以上です。読んでいただきありがとうございました。

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