セキュリティの高いテレワーク環境を整備する
1.対策は「ルール」「人」「技術」の3点セットで
先に見た通り、テレワークに関心のある人の内、24.6%が「セキュリティ上の問題がある」と不安を感じています。確かに、テレワークの導入により会社内外のやりとりが多くなれば、そこから情報漏えい等のリスクも生じえます。
テレワークにおけるセキュリティ対策については、どのように考えればよいのでしょうか。総務省が発表している「テレワークセキュリティガイドライン」では「『ルール』『人』『技術』のバランスがとれた対策の実施」が推奨されています。
- ・ルール…個人情報や機密情報の受け渡しなど、セキュリティリスクのある行動についてはルールとして明文化する
- ・人…研修などを通じて、各人のセキュリティ意識向上を目指す
- ・技術…ルールや人でカバーできない種々の脅威に対して、「認証」「検知」「制御」「防御」を自動的に実施する仕組みを整える
この3つの内どれが欠けてもセキュリティリスクは高まります。「ルール」「人」「技術」という基準を踏まえて、バランスの取れたセキュリティ担保を心がけましょう。
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テレワークでも円滑なコミュニケーションを担保する
1.必要最低限「ではない」コミュニケーションが求められている
会社に社員が集まっている状態であれば、ちょっとしたタイミングでの会話や雑談が生じています。そうすることで互いの業務状況を把握したり、適切な報連相をとったりというコミュニケーションが自然に取れているのです。
しかしテレワークにより物理的な距離が離れてしまうと、コミュニケーション量が必要最低限にとどまってしまう恐れがあります。先に挙げた総務省の調査でも、テレワークに対して「他の従業員から孤立している感じがする」というネガティブな印象を持っている人が15.5%も存在していました。
2.コミュニケーションツールは導入するだけでなく、根付かせる
現在はチャットワークやSlackといった、手軽にやりとりできるツールが発達しています。こうしたコミュニケーションツールを導入し、ちょっとした会話や雑談のしやすい環境作りをすることは、会社というチームで仕事をする上で必要不可欠と言えるでしょう。
とは言え、新しいツールには拒否反応を示す人も多いです。導入後も社内文化として根付かせるため、苦手そうな人には対面で使い方をレクチャーしたり、ヘビーユーザになってくれそうな人を見極めて積極的に使ってもらったりなど、定着に向けたフォロー・取り組みまで実施しましょう。
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トップダウンでのテレワーク文化促進
1.日本人は「上司の目」が気になる?
テレワークを敬遠する理由で多かったのが「上司が理解しない(28.0%)」というものです。
「周りに迷惑をかけたくない」「出世や評価に響くのではないか」という不安からか、会社という場所から離れることをネガティブに捉える人は多いようです。これはテレワークのみならず育休取得率の低さにも現れています。
(朝日新聞『日本の父親育休、期間では「世界1位」 でも取得率は…』2019年6月13日)
2.テレワークの成功事例などエビデンスを示し、全社的に取り組む
テレワーク制度を利用しやすい文化を育てる上では、トップダウンでテレワークを推奨することが必要になります。もちろんテレワークに抵抗のある管理職も多いでしょうから、数値や事例をもとに、テレワークの有効性を伝えていくとよいでしょう。
たとえば、テレワークに否定的な意見として「家で仕事をして、社員がサボらないか」という声があります。しかし実際には、テレワーク導入により「業務効率(生産性)の向上に繋がった」という企業が36%も存在しています。
(エン・ジャパン『「テレワーク」についての調査結果』2019年)
また数値以外に、既にテレワークを実施している企業の事例も、社内向けの説得材料になるでしょう。
(例:サイボウズ『成功と失敗のちがいはどこ︖リモートワークを成功させるコツ』)
各社自身が公表している取組事例以外には、公的な情報として、厚生労働省から『テレワーク活用事例 -仕事と育児・介護の両立のために—』が発表されています。導入に向けた成功事例として活用してみてください。
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まとめ
テレワークを導入する上で見逃してはいけないポイントを3点にまとめて解説しました。
- ・セキュリティの担保
- ・コミュニケーションツールの導入・定着
- ・トップダウンによる、テレワークしやすい文化作り
昨今の社会情勢から、テレワークを導入しやすい気運が高まっています。ぜひこれを機に、テレワークの導入を検討してみてはいかがでしょうか。
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