EC2のt2インスタンスを利用中の方へ
InsufficientInstanceCapacityエラーでEC2が起動しないことありませんか?
「これまで問題なく利用できていたのに、急に起動できなくなった」という場合、EC2の設定やAWSアカウントに問題があるのではなく、指定したインスタンスタイプのキャパシティ不足が原因となっている可能性があります。
AWSでは、特定のアベイラビリティゾーンに、指定したインスタンスタイプを起動するための十分なオンデマンドキャパシティがない場合、「InsufficientInstanceCapacity」エラーが発生します。
イメージとしては、電車やバスが満車で、乗車できない状態に近いものです。
AWSの利用状況やアベイラビリティゾーンによって、利用可能なキャパシティは変動します。そのため、これまで問題なく起動できていたEC2インスタンスでも、特定のタイミングでは起動できない場合があります。
t2は旧世代のインスタンスタイプです
t2は、CPU使用率が低い状態を基本とし、必要に応じて一時的にCPU性能を向上させる「バーストパフォーマンスインスタンス」です。
Webサーバーや小規模な業務サーバー、開発・検証環境など、CPU使用率が常時高くないワークロードに適しています。
なお、t2は旧世代のインスタンスタイプとなり、後継世代としてt3やt3a、t4gが提供されています。
現在t2を利用している場合、既存環境を直ちに変更しなければならないわけではありません。しかし、新規にEC2を構築する場合や、既存EC2のインスタンスタイプを見直す場合は、t2を継続して選択するメリットは以前より少なくなっています。
t2からt3へ変更するメリット
t3は、t2の後継となるバーストパフォーマンスインスタンスです。
t2と比較して、主に以下のメリットがあります。
- 新しい世代のプロセッサを採用しており、性能とコストパフォーマンスが向上
- t2と同等の用途で利用でき、既存の環境から移行しやすい
- デフォルトでUnlimitedモードが設定されており、CPUクレジットを使い切った場合もCPU性能を維持できる
※ただし、長時間の高負荷状態が続く場合は追加のクレジット利用料金が発生する点にご注意ください。 - 旧世代のt2から現行世代のインスタンスへ移行できる
- t2のキャパシティ不足が発生した場合の代替インスタンスタイプとして利用できる
また、AWSの情報では、t3は旧世代のt2と比較して、最大30%のコストパフォーマンス向上を実現したとされています。
t2とt3の料金・スペック比較
以下は、t2とt3の主なインスタンスサイズを比較した表です。
表はスライドできます
| インスタンスサイズ | 1時間あたりのオンデマンド料金 | vCPU | メモリ | ネットワーク性能 |
|---|---|---|---|---|
| nano | t2:USD 0.0076 t3:USD 0.0068 |
t2:1 vCPU t3:2 vCPU |
0.5 GiB | t2:低 t3:最大5Gbps |
| micro | t2:USD 0.0152 t3:USD 0.0136 |
t2:1 vCPU t3:2 vCPU |
1 GiB | t2:低~中 t3:最大5Gbps |
| small | t2:USD 0.0304 t3:USD 0.0272 |
t2:1 vCPU t3:2 vCPU |
2 GiB | t2:低~中 t3:最大5Gbps |
| medium | t2:USD 0.0608 t3:USD 0.0544 |
2 vCPU | 4 GiB | t2:低~中 t3:最大5Gbps |
| large | t2:USD 0.1216 t3:USD 0.1088 |
2 vCPU | 8 GiB | t2:低~中 t3:最大5Gbps |
| xlarge | t2:USD 0.2432 t3:USD 0.2176 |
4 vCPU | 16 GiB | t2:中 t3:最大5Gbps |
| 2xlarge | t2:USD 0.4864 t3:USD 0.4352 |
8 vCPU | 32 GiB | t2:中 t3:最大5Gbps |
※上記は、東京リージョンの2026年8月時点でのLinuxのオンデマンド料金をもとに比較した例です。料金はリージョンやOS、購入オプションなどによって異なります。
表を見ると、t3は同じインスタンスサイズのt2と比較して、オンデマンド料金が約11%低く設定されています。
また、t3.nano~t3.smallでは、t2と同じメモリ容量でありながら、vCPU数が2倍となっています。ネットワークパフォーマンスも、t2より向上しています。
このように、t3はt2と比較して、料金を抑えながら、より新しい世代のインスタンスへ移行できる点がメリットです。
InsufficientInstanceCapacityエラーが発生した場合は?
EC2の起動時にInsufficientInstanceCapacityエラーが発生した場合、AWSでは以下の対応が案内されています。
- 数分待ってから再度起動する
- 別のアベイラビリティゾーンで起動する
- 別のインスタンスタイプへ変更する
ただし、重要な業務サーバーの場合、「時間を空けて再試行する」「別のアベイラビリティゾーンで起動する」といった対応では、復旧に時間がかかる可能性があります。
そのため、現在t2を利用している場合は、エラーが発生してから対応するのではなく、計画的にt3への移行を検討することをおすすめします。
t2からt3への変更方法
EC2のインスタンスタイプは、以下の手順で変更できます。
- EC2インスタンスを停止する
- EC2コンソールから対象インスタンスを選択する
- 「インスタンスタイプを変更」を選択する
- 現在のt2インスタンスと同等のt3インスタンスを選択する
- インスタンスを起動する
- OSやアプリケーションが正常に動作することを確認する
変更するインスタンスタイプですが、例えば、現在t2.mediumを利用している場合は、まず同じCPU・メモリ構成となるt3.mediumへの変更をご検討ください。
弊社マネージドクラウド with AWSをご利用のお客さまにおかれましては、マネージドクラウドポータルからもインスタンスタイプの変更が可能となります。変更方法につきましては、下記FAQをご参照ください。
【マネージドクラウド with AWS】マネージドクラウドポータルからインスタンスタイプの変更は可能でしょうか。
なお、古いOSや古いAMIから作成されたEC2インスタンスをt3へ変更する場合、スムーズに移行できない場合があります。インスタンスタイプの互換性につきましては、下記AWSドキュメントをご参照ください。
また、互換性を含め、移行に関してご不明な点やお困りの点がございましたら、弊社までお気軽にご相談ください。
まとめ
t2は現在も利用できるインスタンスタイプですが、旧世代のインスタンスタイプです。
現在t2を利用している場合、すぐに利用を停止する必要はありません。
しかし、今後も他のインスタンスタイプに比べ、InsufficientInstanceCapacityエラーによって必要なタイミングでEC2を起動できない頻度が多く発生する可能性もあるため、今後も継続して利用する理由があるかを確認することが重要です。
EC2のインスタンスタイプ変更は、性能やコストだけでなく、将来的な運用の安定性を見直す機会にもなりますので、特別な理由がない場合は、より新しい世代であるt3への変更を検討しましょう。
