ネットワーク 2026.02.27

Wi-Fi 7とは?6Eとの違いやメリット、ユースケースを解説

Wi-Fi 7とは?6Eとの違いやメリット、ユースケースを解説

オフィスや店舗、工場などで無線LANの利用が一般化するなか、より高速で安定したネットワーク環境を実現する手段として「Wi-Fi 7」に注目が集まっています。これは、2023年末に国内でも利用が解禁された最新の無線LAN規格です。従来のWi-Fi 6やWi-Fi 6Eと比べて、通信速度の向上や低遅延、安定性が強化されています。

本記事では、Wi-Fi 7の特徴やWi-Fi 6やWi-Fi 6Eとの違い、オフィスや店舗でのユースケース、導入時の注意点をわかりやすく解説します。

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Wi-Fi 7とは

Wi-Fi 7とは、2023年12月に電波法施行規則が改正されたことで国内利用が解禁された、最新のWi-Fi規格です。無線LANの通信規格は、IEEE(米国電気電子学会)と呼ばれる団体によって定められており、Wi-Fi 7の正式な規格名は「IEEE 802.11be」です。

近年、Wi-Fi Allianceという団体が、無線LANの通信規格を「Wi-Fi 7」「Wi-Fi 6」といった数字を用いた名称で認定しています。ビジネスシーンでも、この呼び方が一般的に使われています。

Wi-Fiの後に来る数字は世代を表しており、数字が大きいほど新しい世代の規格です。新しくなるほど、通信速度や安定性が向上しています。2026年1月時点では、Wi-Fi 7が最新の規格として位置づけられています。

なお、法人向け無線LANについて詳しくは、以下の記事もご覧ください。

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Wi-Fi規格の歴史とWi-Fi 7の特徴

これまでWi-Fiは、通信速度や安定性の向上などを目的に、段階的な進化を遂げてきました。以下の表は、Wi-Fi 6とWi-Fi 6E、Wi-Fi 7の主なスペックを比較したものです。

表はスライドできます

 
Wi-Fi 名称 Wi-Fi 6 Wi-Fi 6E Wi-Fi 7
仕様 IEEE 802.11ax IEEE 802.11be
2.4GHz対応
5GHz対応
6GHz対応
最大帯域幅 160MHz 320MHz
最大転送レート 9.6Gbps 約 46Gbps
変調方式 (最大) 1024QAM 4096QAM
MIMO (最大) 8×8 MU-MIMO 16×16 MU-MIMO
RU RU Multi-RUs
追加機能 MLO
パンクチャリング

Wi-Fi 7と従来の規格を比較すると、理論上の最大転送レートが、9.6Gbpsから約46Gbpsまで大幅に向上していることがわかります。

また、電波の周波数の範囲を表す「周波数帯」については、Wi-Fi 6Eと同様に2.4GHz帯・5GHz帯・6GHz帯に対応していますが、Wi-Fi 7ではMLO(マルチリンク)機能が追加された点が大きな特徴です。

従来のWi-Fiでは、2.4GHz帯・5GHz帯・6GHz帯のいずれか1つの帯域にしか接続できず、混雑している帯域につながった場合、通信速度が落ちるという課題がありました。

Wi-Fi 7では、MLO(マルチリンク)機能が追加されたことにより、複数の帯域を同時に利用できます。通信状況に応じて最適な帯域を選択でき、高速かつ安定した通信が実現しやすくなっている点も強みの一つです。

Wi-Fi 7とWi-Fi 6・6Eの違い

ここでは、Wi-Fi 7とWi-Fi 6・6Eとの違いについて詳しく紹介します。

MLO(マルチリンク)技術を新たに採用

図版_MLO(マルチリンク)

Wi-Fi 7では、MLO(Multi-Link Operation:マルチリンク)と呼ばれる技術が新たに採用されています。MLOとは、異なる帯域の電波を組み合わせて同時に利用できる技術です。

従来のWi-Fi 6・6Eでは、2.4GHz帯・5GHz帯・6GHz帯のうち、いずれか1つの周波数帯を選択して通信するシングルリンク(Single-Link)が採用されていました。この方式では、接続先の周波数帯が混雑している場合、通信速度の低下や不安定さが生じやすくなります。

一方、MLOは複数の周波数を同時に利用できるため、データ伝送量が増加して通信速度の向上が期待できます。また、電波が混雑した際には、空いている別の周波数帯を優先的に利用する仕組みが採用されており、通信の安定性にもつながる点が特徴です。さらに、同じデータを複数の帯域で同時に送信できることから、データ欠損を防ぎ確実なデータ転送を実現します。

チャネル帯域幅に320MHz幅が追加

チャネル帯域幅に320MHz幅が追加

Wi-Fi 7では、従来の最大160MHzに加えて320MHzのチャネル帯域幅が利用できるようになりました。これにより、Wi-Fi 6・6Eと比べて、より広い帯域を使った通信が可能になります。

帯域幅とは、無線通信においてどれくらいのデータを一度に送受信できるかを示す範囲のことです。道路交通で例えると、帯域幅は道路の幅に当たります。下図のように、道路の幅が広がれば、多くの車がスムーズに同時通行できるようになります。

図版_帯域幅

無線通信においても同様で、チャネル帯域幅が広がるほど、一度に送受信できるデータ量が増えるため、通信速度の向上につながります。特に、高解像度映像や大容量ファイルの送受信など、帯域を多く必要とする業務でWi-Fi 7は役に立つと考えられます。

1つの信号で送信できる情報量が1.2倍

図版_1つの信号で送信できる情報量が1.2倍

Wi-Fi 7では、変調方式の進化により、1つの信号に載せられる情報量が約1.2倍に増加しています。

変調方式とは、データなどの情報を電気信号に変換し、電波に乗せて効率よく送信するための仕組みです。Wi-Fiでは、この変調方式として「QAM(直角位相振幅変調)」が採用されています。

Wi-Fi 6・Wi-Fi 6Eでは、最大1024QAMが採用されており、1回の信号で送信できる情報量は10bitでした。一方、Wi-Fi 7では変調方式が4096QAMへと進化し、1回の信号で12bitの情報を送信できるようになっています。

このように、電波に乗せられるデータの密度が高まることで、より効率的なデータ送受信を行えます。その結果、通信速度の向上につながり、高速かつ快適な通信環境の実現に貢献することが可能です。

Multi-RUとパンクチャリングで未使用チャネルを最大限活用

Wi-Fi 7では、Multi-RU(Multi-Resource Unit)とパンクチャリングという2つの新技術が採用されました。Wi-Fi 6・6Eでは十分に活用できていなかった周波数リソースを有効活用できるようになり、通信の利用効率が大きく向上しています。

Multi-RUとパンクチャリングについて、概要を以下の表にまとめました。

表はスライドできます

Multi-RU(Multi-Resource Unit) パンクチャリング
イメージ (Wi-Fi 6・6Eと比較)

図版_Multi-RU(Multi-Resource Unit)

図版_パンクチャリング

概要
  • 1ユーザーあたりの周波数リソースの割り当てを、さらに細かい単位で制御できる
  • 周波数の割り当てが最適化され、利用効率が向上する
  • 干渉が発生しているチャネルを除外し、干渉していないチャネルのみを利用する技術
  • チャネル全体を有効活用でき、混雑が減り低遅延が実現する

Wi-Fi 7のユースケース

Wi-Fi 7には高速で低遅延といった特性があることから、さまざまな分野での利用が想定されています。ここでは、代表的なユースケースを紹介します。

フリーアドレスなど新しい職場環境の構築

新しい職場環境の構築に、Wi-Fi 7が欠かせません。フリーアドレスやテレワークといった新しい働き方の普及により、社内外の打ち合わせはWeb会議が中心となりました。クラウドサービスの利用も増えるなど、オフィス内のトラフィックが増加傾向にあります。

席を固定しない働き方では、従業員がオフィス内を移動しながら業務を行うため、場所を問わず安定したインターネット接続を利用できる環境が求められます。Wi-Fi 7は、高速かつ低遅延の通信を維持しやすい点が特徴です。そのため、新しい職場環境においても安定したネットワークを確保しやすくなります。

eスポーツの実施

eスポーツの実施にもWi-Fi 7が役立ちます。eスポーツは、社内交流やチームビルディングの手法として注目されており、社内イベントとして採用する企業も見られます。リアルタイム性が重要で、通信の遅延による一瞬のラグがプレイ体験に大きな影響を与えるため、安定した通信環境が必要です。

Wi-Fi 7は、新技術の活用により遅延の少ないスムーズなプレイ環境を構築しやすい点が特徴です。多数の端末が一度に接続されるイベントであっても、通信の混雑を抑え、安定したネットワーク運用を実現しやすくなります。

店舗でフリーWi-Fiの提供

カフェなどの飲食店や商業施設でフリーWi-Fiを提供することで、来店者の滞在時間の延長や、サービスの利用促進が期待できます。

Wi-Fi 7を導入すれば、利用者が多い時間帯であっても、安定した高速通信を提供しやすいでしょう。快適なフリーWi-Fi環境の整備は、顧客満足度の向上や再来店の促進にもつながるため、店舗のサービス品質向上に貢献すると考えられます。

地域で高齢者の見守り体制構築

地域で高齢者の見守り体制を構築する際にも、Wi-Fi 7が有効です。高齢化が進む地域では、見守り活動を担う人材不足が課題となっており、ICTを活用した効率的な体制の整備が求められています。

近年では、高齢者の自宅にIoTセンサーやスマートホーム機器を設置し、活動状況や睡眠データなどを収集することで、日常的な見守りや異常の早期発見につなげる取り組みが進められています。

Wi-Fi 7を活用すれば、複数の見守りデバイスが常時接続される環境でも、安定したデータ通信が実現するでしょう。体調の急変や活動量の急激な低下といった異常データをリアルタイムで把握し、迅速な通知や支援につなげることが可能になります。

オフィスや店舗、工場などの無線化を行う上で重要なポイント

Wi-Fi 7は大きな性能向上が期待できる無線LAN規格ですが、導入時にはいくつか押さえておきたいポイントがあります。ここでは、特に重要な2つのポイントを紹介します。

ルーターとデバイスがWi-Fi 7に対応している必要がある

Wi-Fi 7の性能を最大限に活かすには、無線ルーターに加え、接続するパソコンやスマートフォンなどのデバイス側も、Wi-Fi 7に対応している必要があります。

Wi-Fi 7は下位互換性を備えているため、Wi-Fi 6などに対応した端末でも接続は可能です。しかし、通信速度や安定性は旧規格に引きずられ、Wi-Fi 7本来の性能を十分に発揮できないケースも想定されます。

そこで、導入を検討する際には、利用中の端末や周辺機器を事前に確認し、必要に応じて更新計画を立てることが重要です。例えば、「NURO Biz」のマネージドレンタルサービス「ワイヤレスLAN typeN」を利用することで、常に最新スペックの機器を利用できて安心です。

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高性能アクセスポイントのレンタルと、快適・高セキュアな無線LAN環境運用を任せられるマネージド無線LANサービス

インターネット回線の見直しが必要になる場合がある

Wi-Fiは、建物内での無線通信を便利に使えるようにする技術であり、インターネットそのものの速度を向上させるものではありません。

そのため、ルーターやデバイスがWi-Fi 7に対応していても、接続しているインターネット回線の速度が十分でなければ、Web閲覧や動画視聴、クラウドサービスの利用速度は改善しない可能性があります。

オフィスや店舗、工場の無線環境を見直す際には、Wi-Fi機器の更新とあわせて、業務に必要な速度を確保できるインターネット回線の見直しもセットで検討することが重要です。

NURO Bizで最適なネットワーク・オフィス環境を実現

「NURO Biz」は、高速インターネット接続サービス「NUROアクセス」を基軸としたネットワークソリューションと、マネージド型クラウドソリューションを組み合わせた法人向けブランドです。

通信速度が上下最大10Gbps「NUROアクセス 10G」と下り最大2Gbps「NUROアクセス 2G」の高速インターネット接続サービスと、以下2つの無線LAN関連サービスを同時に導入できます。

表はスライドできます

 
サービス名 概要
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  • 高性能アクセスポイントのレンタルにより、常に最新スペックの機器を利用可能
  • 専門家が事前調査から設定、運用まで対応
  • 電波干渉などのトラブルを防ぎ、最適なパフォーマンスとIT担当者の運用負荷軽減を実現
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  • コストパフォーマンスの高いフルマネージドサービス
  • Wi-Fi 7にも対応し、ビジネス無線LANをクラウドから設定・運用を任せられる
  • 最小限の運用負荷で安定した無線LANネットワークの運用が可能
  • 各種ユーザー認証機能を標準装備し、セキュリティ面でも安心

日々のWi-Fi運用については、ネットワークの専門家が代行するため、IT担当者の業務負担を抑えながら安定したWi-Fi環境を実現できる点が特長です。オフィスや宿泊施設、工場、病院、学校など、あらゆる施設において、快適なWi-Fi接続の実現が期待できます。

「Wi-Fi 7について、さらに詳しく知りたい」「Wi-Fi 7で解決できる課題を知りたい」という場合、以下の資料やリンクもぜひご覧ください。

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クラウド型管理システムで無線LAN環境を簡単導入

【導入事例】約1,500人が利用するネットワークを構築|Sansan株式会社様

クラウド名刺管理サービスを提供するSansan株式会社では、従業員数の増加に伴い、本社におけるインターネット回線の帯域不足が課題となっていました。アクセスポイントのリプレイスなど、Wi-Fi接続環境の改善にも取り組みましたが、Web会議の集中利用時には接続が不安定になるなど、根本的な課題は解消されなかったといいます。

そこで2024年9月の本社移転を機に回線そのものを見直し、「NUROアクセス 10G」や「NUROアクセス 2G」を導入。帯域を2Gbpsから20Gbpsへと拡張しました。

その結果、Web会議やクラウドサービス利用時の不安定さが解消され、約1,500人が快適に利用できる通信環境を実現するとともに、回線コストの大幅な削減にもつながっています。

Sansan様 ネットワーク構成イメージ

【導入事例】介護×ICTで働きやすい環境づくりを実現|株式会社グッドライフケア東京様

多職種連携の在宅介護・看護サービスを展開する株式会社グッドライフケア東京では、クラウドサービスの利用拡大やWeb会議の増加に伴い、通信速度の低下が課題となっていました。当時、ファミリータイプの光回線を利用していましたが、業務のデジタル化や利用者増加の影響もあり、業務に支障をきたしていたといいます。

導入当初は600Mbpsほど出ていたスピードが、4年後には10Mbps程度しか出ない日もあり、本社の移転を機に回線の見直しを行うことになりました。

そこで本社および各拠点で採用されたのが、法人向けの「NUROアクセス 2G」です。その後、さらなる業務環境の整備を目的に本社では「NUROアクセス 10G」を導入し、通信環境を強化することで、本社や各拠点の通信トラブルを解消しました。介護×ICTによる業務効率化を支える基盤として、働きやすい環境づくりに貢献しています。

株式会社グッドライフケア東京様 ネットワーク構成図イメージ

Wi-Fi 7に関するよくある質問

Wi-Fi 7に関するよくある質問と回答を紹介します。

Wi-Fi 7はいつから日本で利用できる?

Wi-Fi 7は、2023年末に電波法施行規則が改正されたことで、日本国内でも利用が可能になりました。これを受けて、2024年以降にはWi-Fi 7に対応した無線ルーターやデバイスが順次登場しています。

Wi-Fi 7を利用するには何が必要?

Wi-Fi 7を利用するには、Wi-Fi 7に対応した無線ルーター(アクセスポイント)と、接続するパソコンやスマートフォンといったデバイスの両方が必要です。

どちらか一方のみがWi-Fi 7に対応している場合でも接続は可能ですが、Wi-Fi 7の高速通信や安定性といった強みを十分に活かせない可能性があります。導入時には、ネットワーク機器とデバイスの対応状況をあわせて確認することが大切です。

古いデバイスでもWi-Fi 7に接続できる?

Wi-Fi 7には下位互換性があるため、Wi-Fi 6・6Eなどの旧規格に対応したデバイスでも接続することは可能です。ただし、通信速度や安定性が接続先の旧規格に準じるため、Wi-Fi 7本来の性能を十分に発揮することはできません。

Wi-Fi 7の特長を活かすには、対応デバイスへの更新や、段階的な入れ替えを検討する必要があるでしょう。

まとめ

Wi-Fi 7は、高速通信や安定性の向上が期待できる次世代の無線LAN規格です。新技術であるMLOや320MHz幅への対応などにより、多数の端末が接続されるオフィスや店舗、工場などでも、快適な通信環境を実現しやすくなります。一方で、インターネット回線の速度が十分でなければ、Wi-Fi 7の性能を活かしきれない可能性がある点にも注意が必要です。

Wi-Fi 7を活用したネットワーク環境の構築には、高速回線と無線LANの構築・運用をワンストップで提供する「NURO Biz」の利用をご検討ください。高速インターネット接続サービス「NUROアクセス」とWi-Fi環境のマネージド型サービスを同時に導入できます。

詳しくは、以下の資料やリンクもぜひご覧ください。

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