そもそもアクセスポイントとは?
アクセスポイントがインターネットに関連する用語なのは、多くの方が理解していると思います。しかし、正確な意味を知る方は多くないのではないでしょうか。最初に、アクセスポイントとは何か、ルーターとの違いを解説します。
アクセスポイントとは?
アクセスポイントとは、ルーターとデバイスをつなぐ機器です。アクセスポイントはルーターと有線LANで接続され、アクセスポイントが無線LANへと変換してデバイスと接続します。
法人でのアクセスポイントは、複数の端末と接続してローカルネットワーク(LAN)を構築します。LANとは限定されたネットワークで、法人であれば社内に限定されたネットワークです。
インターネットを利用するときのアクセスポイントの立ち位置は、下記のようになります。
アクセスポイントとルーターの違いは?
しかし、自宅ではルーターとデバイスを直接、無線LANでつないでいる方も多いかと思います。家庭向けでは、アクセスポイントの機能がついたルーターが一般的です。そのため、ルーターだけでもインターネットに接続できます。
しかし、法人のように端末の数が多い場合は、アクセスポイントとルーターは別々に使用されます。アクセスポイントとルーターの役割の違いは下記のとおりです。
表はスライドできます
アクセスポイント | 無線LANでルーターとデバイスをつなぐ機器。ローカルネットワークを構築する。 |
ルーター | アクセスポイントに通信ルートの整理をして、複数台のデバイスをインターネットに接続する機器 |
アクセスポイントはルーターによって外のネットワーク(WAN)につながることができます。WANとは世界中につながるネットワークのことです。
このように、ルーターがWANとLANの橋渡しをして、アクセスポイントが複数のデバイスと接続してLANを構築します。
法人のネットワーク環境でアクセスポイントは必要か
結論としては、法人のネットワーク環境でも、アクセスポイントが必要となる場合が多いでしょう。
DX化の推進や業務で活用するツールの増加に伴い、ノートPCやタブレット、スマートフォンなど、無線LANを通してインターネットに接続するデバイスが増えてきたからです。
また、近年では「フリーアドレス」という、席を固定しない企業が増えてきました。この場合は、ノートPCやタブレットを持って社内を移動するため、無線LANの構築が必須です。
なお、インターネットに接続するデバイスが、デスクトップPCやサーバーだけであれば、ルーターと中継機に有線LANで接続できるため、アクセスポイントが不要な場合もあります。
接続する機器やインターネットに接続する場所によって最終的な判断を行いましょう。
なぜ法人向けのアクセスポイントを選ぶ必要があるのか
法人には、法人向けのアクセスポイントが必要です。理由は以下の2つです。
- 高負荷の接続にも耐えられるようにするため
- 安定した速度を実現するため
法人では、多数のデバイスがアクセスポイントに接続すると考えられます。そのため、上記の2点を押さえることが、業務を安定してこなすためのポイントです。
それぞれみていきましょう。
【理由1】高負荷にも耐えられるようにするため
業務を滞りなく進めるには、安定した通信速度が重要です。しかし、仕事で複数の人が同時に通信して負荷に耐えられなくなると、通信遅延や一時停止が起こって業務に支障をきたします。
特にクライアントとの大事なデータの送受信や、Webミーティング中などに通信遅延や一時停止が起きると、クライアントに迷惑をかけて信頼を失うことになりかねません。
業務を安定して進めるためにも、クライアントと円滑にコミュニケーションを行うためにも、高負荷に耐えられるアクセスポイントを用意して、通信速度を安定させることが重要です。
【理由2】安定した速度を実現するため
業務を滞りなく進めるには、安定した通信速度が重要です。しかし、仕事で複数の人が同時に通信して負荷に耐えられなくなると、通信遅延や一時停止が起こって業務に支障をきたします。
特にクライアントとの大事なデータの送受信や、Webミーティング中などに通信遅延や一時停止が起きると、クライアントに迷惑をかけて信頼を失うことになりかねません。
業務を安定して進めるためにも、クライアントと円滑にコミュニケーションを行うためにも、高負荷に耐えられるアクセスポイントを用意して、通信速度を安定させることが重要です。
法人向けのアクセスポイントの選び方
法人向けアクセスポイントの選び方を4つ解説します。
- 通信規格や速度は問題ないか
- 接続可能台数は業務に耐えうるか
- セキュリティは問題ないか
- サポート体制はしっかりしているか
安定して業務を運営するためにも上記4点を理解して、アクセスポイントを選ぶようにしましょう。
【選び方1】通信規格や速度は問題ないか
通信規格とは、さまざまなデバイスが通信を行うためのルールのようなもので、通信規格によっても通信速度が違います。
2023年3月時点で主に使われている通信規格は以下の3つです。
表はスライドできます
IEEE802.11n(Wi-Fi4) | 最大通信速度:600Mbps 周波数帯:2.4GHz帯/5GHz帯 |
IEEE802.11ac(Wi-Fi5) | 最大通信速度:6.9Gbps 周波数帯:5GHz帯 |
IEEE802.11ax(Wi-Fi6) | 最大通信速度:9.6Gbps 周波数帯:2.4GHz帯/5GHz帯 |
下にいくほど新しい通信規格で、通信速度も高速です。アクセスポイントによっては、新しい通信規格に対応しているもの、対応がまだなものがあります。
また、アクセスポイントが新しい通信規格に対応していても、デバイスが対応していない場合もあるため、デバイス側の確認も必要です。
将来的には、デバイスも徐々に新しい通信規格に切り替わっていくため、新しくアクセスポイントを導入するときは、新しい通信規格に対応しているものを選びましょう。
【選び方2】接続可能台数は業務に耐えうるか
接続可能台数も重要です。自社の端末が何台同時に接続をするかを確認しましょう。接続可能台数の上限近くまで同時接続してしまうと、通信遅延などが起きて業務効率化が低下する恐れがあります。
余裕を持った接続可能台数で検討しましょう。
【選び方3】セキュリティは問題ないか
無線LANには、データの盗難・不正侵入などのリスクがあります。個人情報や機密情報などが流出すると大きな損失となるため、セキュリティはアクセスポイントの選定において重要です。
通常は暗号化が行われますが、アクセスポイントによって使われる暗号化規格が違います。
表はスライドできます
WEP(Wired Equivalent Privacy) | 暗号の解読が容易で推奨されない |
WPA(Wi-Fi Protected Access) | WEPの問題に対処するために作られた |
WPA2(Wi-Fi Protected Access 2) | WPAを高度化した |
WPA3(Wi-Fi Protected Access 3) | WPA2の強度を増した |
下に行くほど新しい規格で、強度が高くなります。また、最新のWPA3は個人用と企業用に分かれるため、WPA3の企業に対応したアクセスポイントを選びましょう。
【選び方4】サポート体制はしっかりしているか
サービスに不具合が起こる可能性を0にすることはできません。
そのため、サポート体制がしっかりしているかは重要なポイントです。
たとえば、業務中にインターネットにアクセスできなくなると、損失を被る可能性があります。損失がさらに大きくなるまえにも、すぐに対応してもらえるサポート体制があるかは必ず確認するようにしましょう。
なお、大手メーカーであれば製品の保証が3〜5年あるのが一般的です。ハード面の保証の有無もあわせて確認するのがおすすめです。
法人向けの無線LANアクセスポイント3選
法人向けの無線LANアクセスポイントのおすすめ3選を紹介します。
- WAPM-AX8R(BUFFALO)
- WAB-S1775(ELECOM)
- WHG-DAX1800A(I-O DATA)
3つともWi-Fi6とWPA3に対応しており、最新の機能を搭載しています。
1.WAPM-AX8R(BUFFALO)
BUFFALOのWAPM-AX8Rは、512台のタブレットに同時接続や、通信のバラツキが発生しない公平通信制御機能など、大容量でも安定した通信ができるアクセスポイントです。
ほかにも、複数のアクセスポイントを一括管理できるソフトウェア「WLS-ADT」や、災害時に通信環境を提供できる「緊急時モード」を搭載しているなど、豊富な機能を持っています。
高機能な法人向けアクセスポイントを探している方におすすめです。
https://www.buffalo.jp/product/detail/wapm-ax8r.html
表はスライドできます
価格 | 89,800円(税抜) |
同時接続台数 | 512台のタブレットが同時接続可能 |
通信規格 | Wi-Fi6 |
暗号化規格 | WPA3 |
その他 | 公平通信制御機能(通信のバラツキが発生しない) |
2. WAB-S1775(ELECOM)
ELECOMのWAB-S1775は、最大100台までの同時接続に加え、通信のバラツキを抑える平等通信機能も搭載されています。コストパフォーマンスに優れたアクセスポイントです。
https://www.elecom.co.jp/products/WAB-S1775.html
表はスライドできます
価格 | 34,300円(税込) |
同時接続台数 | 最大100台(推奨50台) |
通信規格 | Wi-Fi6 |
暗号化規格 | WPA3 |
その他 | 通信のバラツキを抑える平等通信機能 |
3. WHG-DAX1800A(I-O DATA)
I-O DATAのWHG-DAX1800Aは、Wi-Fi6にWPA3搭載はもちろんのこと、シンプルですっきりとしたデザインが特徴のアクセスポイントです。小規模事業者におすすめです。
https://www.iodata.jp/product/network/ap/whg-dax1800a/index.htm
表はスライドできます
価格 | 33,300円(税込) |
同時接続台数 | 最大100台 |
通信規格 | Wi-Fi6 |
暗号化規格 | WPA3 |
その他 | PoE受電(LANケーブルのみで電源供給) |
【補足】運用保守を考えるとサービスの利用も1つの手
なおアクセスポイントをレンタルすると、レンタルした機器の初期設定や運用保守を自社で実施する必要が出てきます。そのため導入のハードルが上がってしまうのが難点です。
このような場合は運用保守も依頼できるサービスの利用を考えてはいかがでしょうか。
たとえばNURO Bizの無線LANサービスでは、機器のレンタルだけでなく初期設定、運用保守までサービスとして提供しています。詳細については、以下からお問い合わせください。
まとめ:アクセスポイントはWi-Fi6とWPA3対応のものを選ぼう
アクセスポイントの選び方は以下の4つです。
- 通信規格や速度は問題ないか
- 接続可能台数は業務に耐えうるか
- セキュリティは問題ないか
- サポート体制はしっかりしているか
さまざまな商品がありますが、Wi-Fi6とWPA3対応のものがおすすめです。その中から同時接続台数や、通信のバラツキを抑える機能など、法人の状況にあった機能があるかを確認しましょう。
上記の方法で法人向けアクセスポイントを検討・導入して、安定した無線LANを手に入れ、業務効率を高めましょう。
なお、ネットワーク環境は解決したい課題や想定する利用イメージによって大きく変わります。どんな構築にすべきかお悩みの方に向けて、課題感に合わせたおすすめのネットワークをまとめた資料がございますので、下記からダウンロードのうえご活用ください。
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