クラウド導入でよくある失敗事例
クラウドサービスは様々な種類があり、機能も多様化しています。実際に使ってみないと分からない点も多く、失敗してしまう例も少なくありません。ここからは、クラウド導入でよくある失敗事例をご紹介します。
1.社員に導入目的が十分に認知されていなかった
クラウド導入する際は、全ての部署の社員に導入目的をしっかり認知させる必要があります。顧客情報の一元管理化のために営業管理ツールを導入する場合は、社員によるデータ入力が必要です。
某学習塾のケースでは、社員がクラウド導入の目的を認知していないままクラウドを導入。結局、データが全て蓄積されず、顧客情報共有が上手く働かず、データ活用に失敗しました。
社員のシステム利用に対する理解を深めるためにも操作性や入力方法の研修を取り入れましょう。
2.サポート費用負担が大きくなった
中部地方の居酒屋チェーンでは、クラウド導入後にサポート費用が膨らみ、コストが増えた失敗事例があります。従業員のシフト管理と給与計算の効率化のために飲食店から定評のあるクラウドサービスを導入。
しかし、営業時間帯の深夜はサポート対象外だと分かり、サポート費用が別途発生することに。
従量課金制のクラウドだったため、想定外のコスト増大により、クラウドの継続を断念しました。
3.クラウド環境が複雑化した
ある人材会社のケースでは、クラウド環境が複雑化してしまい、顧客データの一元管理が困難になった失敗例があります。
クラウドサービスはオンプレミスのシステムと比較し、サービスの導入が容易です。そのため、社内で複数のクラウドサービスが無秩序に導入され、運用効率が低下したのです。
最近ではクラウドサービス同士がAPIを通してデータ連携するようなサービスが増えているため、導入するクラウドサービスが他のサービスとAPI連絡が可能かどうかを事前に確認することで、複数のサービスを利用しつつ、データの一元管理が可能になります。
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クラウド導入失敗を避けるために事前にやるべきこと
ここからは、クラウド導入の失敗事例から分かった、リスク回避のコツをご紹介します。
1.クラウド導入の目的を明確にする
クラウド導入は多くの成功事例がありますが、目的に合わせて活用しなければ、失敗のリスクがあります。
そのため、自社のインフラ環境をリサーチして「IT戦略」「業務効率化によるコスト削減」など、クラウドを導入する目的を明確にし、導入目的を全社員が理解しておくことが大切です。
2.自社の目的に合わせてクラウドサービスを選ぶ
クラウド導入は口コミや評判のチェックも大切ですが、自社の目的に適したクラウドサービスを選ぶことが大切です。
何のためにクラウドサービスを活用するかを明確にすることで、多数ある中から絞りこんでクラウドサービス選びをすることができます。
クラウドの使いやすさ、導入費用、安全面でのリスク・セキュリティ、サポート体制も考慮して決定しましょう。
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クラウド導入時の注意点
次に、社内データをクラウドサービス上で活用する際の注意点をご紹介します。
1.アカウントの管理
クラウドサービスは場所や時間に関わらず、社員がいつでも情報を共有できるメリットがあります。しかし、クラウド導入後にシステム管理に不備によって、IDやパスワードなどのアカウント情報が漏洩した事例があります。
不正アクセスによって、顧客の情報漏洩リスクがあるのでアカウントの管理は細心の注意が必要です。秘匿性の高い情報には、許可されたユーザーだけが特定の場所または特定の端末からのみアクセスできるようにセキュリティを強化することが大切です。
2.データの公開設定
クラウドサービスでは、顧客データや様々な情報をクラウドサーバーに保存します。外部に公開中のクラウドサーバーに未公開のデータが混ざらないように要注意。情報漏えいを防ぐためにもデータを誰に・どこまで公開するのかには注意が必要です。
3.サービス障害を想定しておく
クラウドサービスは業者側で通信障害や運用の不備などがあると、データ消滅のリスクやアクセスすることが不可能になる可能性があります。万が一のリスクに備えて、情報の取り扱いポリシーを遵守し、データのバックアップをこまめに行うのが良いでしょう。
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まとめ
社内のITインフラ環境を最適化するためにクラウドサービスの導入は一般的になりました。クラウドのメリットを最大限に活かすためにも導入する目的や社員の理解度を高めることが大切です。
クラウドは業務効率の向上に役立つ一方、多くのサービスはID/パスワードによる認証で、ID/パスワードの漏えいによる不正アクセスのリスクがあります。
またクラウド導入後の情報システム担当の悩みとして多く挙げられるのが、ユーザーのID/パスワードに関する問い合わせです。適切なアカウント管理を行っていないとIDが分からなくなった、パスワードを忘れてしまったといった問い合わせに忙殺されるようになってしまいます。
さらにユーザーがID/パスワードを複数のサービスで使いまわすようになると、情報システム担当に問い合わせは減りますが、1サービスでもID/パスワードが漏えいしてしまうと、全クラウドサービスへのアクセスを許してしまうリスクにさらされることになります。
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