クラウド 元SEママの情シスなりきりAWS奮闘記

AWS Summit Japan 2026基調講演●注目は「AIエージェント」と「AI駆動開発」

2026年8月7日掲載

こんにちは、シイノキです。2026年の6月、東京は「ちゃんと梅雨だった」印象で、暑さに弱い身としてはだいぶ助かりました。洗濯物はいつまでも湿っている気がするし、髪はさっぱりまとまりませんが、猛暑と比べたら些末なことです。

そんななか開催された、AWS Summit Japan 2026。初日となる6月25日は朝から雨でしたが、かなり来場者が多かったのでは、という印象でした。私はかなりがんばって、朝8時半の開場を目指したので、無事に基調講演の席(とクッションとランチ券)を入手しました。ちなみにクッションは「勉強机の椅子が固い」と嘆く娘に譲りました。今年はピンクっぽいカラーが使われていたこともあって、気に入ったようです。
というわけで、今年もAWS Summit Japan 2026のセッションレポートをお届けしますが、その初回として基調講演の内容をまとめたいと思います。今年も「AIかなと思っていたら、やっぱりAI推しだった」という感じではありますが、なかでもキーワードとなったのが「AIエージェント」と「AI駆動開発」の2つです。基調講演で言及されたサービスもまとめてご紹介したいと思います!

AWSが訴求する「業務のためのAIエージェント」と「AI駆動開発」とは

「変えるべきものと変えるべきではないものを見極めて、貫くものを持つ企業が、変化を前向きにとらえることができる」という言葉でスタートした基調講演。要件に応じて組み換え、最適なものを実現する「ビルディングブロック」という思想を貫きつつ、これをAIにも展開する、というメッセージへとつながります。
その流れでさまざまな要素が取り上げられていましたが、なかでも注目すべきは「AIエージェント」と「AI駆動開発」の2つです。
AIエージェントでは、「業務のためのエージェント」という言葉が出ていました。生成AIが登場し、AIチャットボットは浸透しつつありますが、毎回プロンプトでイチからやり取りし、終わったら生成AIがそのことを忘れてしまう……というのでは業務効率化に限界があり、それに気づき始めている企業も多いはず。そこで必要になるのが、働き方を変えるようなAIなのだという話です。働き方を変えるAIとはどういうことかというと、「業務のステップを早くする」のではなくて、AIが代わりに実行することで「ステップごとなくす」ようなAIということ。そして、そのためには業務にあわせたAIエージェントを企業ごとに作ることが求められる、というところにつながっていきます。一気に時代が進む勢いに置いて行かれそうになりますが、AIチャットで業務効率化ってそこまでできなくない?という実感と、AIエージェントの盛り上がりからしても、本当にそういう時代へと移っていくのだなと感じました。
そして、もうひとつのAI駆動開発については、かなり重点が置かれていました。システム開発の領域は生成AI活用がかなり進んでいますが、AI駆動開発でさらに開発のあり方が大きく変わりそうです。
AI駆動開発は、人が主導する開発をAIがサポートするのではなく、自律的なAIを中心に開発が進んでいくスタイルで、たとえば、要件定義や設計も、ざっくりした概要をAIに投げかけるだけで、AIが要件を紐解いて開発を進めてくれる、というイメージです。……と言われても具体的にどうなるのか見えにくいところがありますが、AI駆動開発についてはほかのセッションでも詳しく聞いたので、このコラムでご紹介していく予定です。詳しくはそちらをぜひ。どちらにせよ、AI駆動開発は十分現実的になってきていますし、ちゃんと実践できれば開発スピードも圧倒的に速くなるはずです。
そして肝となるのは、これらを支えるサービスをAWSでは数多くそろえていますよ、ということですね。開発を支えるツールから基盤まで、かなりいろいろ言及していたので、なかでも特に注目すべきサービスについて紹介したいと思います。

開発のためのAIエージェント関連サービス

Kiro

まずはソフトウェア開発生成AIアシスタント「Kiro」ですが、これはまさにAIを活用した開発効率化の中核となる存在です。すでにAmazon全体で多くのチームに展開しているそうで、スループットが4.5倍に改善など、「その効果は実証済み」とのこと。
ちなみにKiroの新機能として、ネイティブiOSアプリもリリースされています。スマホから使えても……と思ってしまいましたが、AIが自律的に開発を進めてくれるなら、人はスマホで十分対応できる、ということなのかもしれません。

AWS DevOps Agent

Kiroが開発効率化を中心としているのに対して、こちらは「いかに素早くリリースするか」をサポートするサービス。AWS DevOps Agentでは、インシデント解決を支援し、本番パイプラインの問題に事前に対処し、品質向上の好循環を生み出します。
さらに、AWS DevOps Agentの「Release Management」機能では、コードが生成された瞬間にレビューし、進捗を止めることなく、問題を解消します。「コーディングエージェントとシッピングエージェントがひとつのフローとして動作する」と紹介されており、つまりは、コード生成から本番反映まで一気にフローを進められるので、素早いリリースが可能になる、と理解しました。

基盤整備を支援するAIエージェント関連サービス

AWS Transform

AI駆動開発で開発スピードが速くなると、次にその基盤をどうやって最新の状態に維持するかが課題になります。そこで使えるのがAWS Transformです。システムやコードのモダナイゼーションをおこなうAIエージェントで、これを使って「最新状態の維持」を自動化しよう、ということです。
ただし!AWS Transformはあくまで「見つかった問題に対応する」もの。となると、「だれが問題を見つけるんだ」という課題が出てきます。
この課題を解決するために開発されたのが、continuous modernizationという機能で、これはコードを書いている間に背後で動作し、非推奨のフレームワークなどの技術的負債を見つけてくれます。「AIがコードを生成するのとあわせて、問題を見つけて修正するエージェント」を実現できて、リスクが生まれる余地をなくします。

AIエージェントの本番稼働に向けた関連サービス

Amazon Bedrock AgentCore

こちらは本番環境でAIエージェントを稼働させるための基盤ですが、なかでも特に鍵となるのが「harness」です。「AIエージェントにとってモデルが頭脳ならば、harnessが身体」と紹介されていて、「インフラのセットアップ不要で、3回のAPIコールだけで、動くAIエージェントを作れる」のだそう。どういうこと……?と思いましたが、どうやらモデルとかツールとかプロンプトとかを指定するだけで、AIエージェントが作れる、ということのようです。なんだかすごい世界になってきました。

仕事でAIエージェントを使うのが当たり前になる時代は近い

いろいろと紹介してきましたが、ここで取り上げたのはごく一部でして、基調講演で紹介されたサービスだけでも、数が多くて把握しきれない……というのが正直なところです。ただ、少し前までは「AIでこういうことができる!」と言われても、「どこまで実用化できるのか」と若干疑う気持ちもあったのですが、今回は「きっと使われていくんだろうな」という印象が大きかったです。
それだけAIの進化は速く、さらにAI駆動開発でAIエージェントの活用もどんどん進んでいくんだろうと思います。実際、AWSの生成AIサービスの根幹と言える「Amazon Bedrock」は2026年の1Qだけで、2023年9月リリースからの累計を超えるほど活用されているのだとか。
「AIエージェントを仕事で使う」「業務の一部はAIエージェントが進める」のが当たり前という時代が、本当に近づいてきているんだろうと感じました。
ソニービズネットワークスでは、Kiroの導入や定着化を支援するサービスや、お客さま自身で独自のAIエージェントを簡単に開発できるようサポートするサービスなども提供しています。気になる方はぜひお問い合わせください。

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