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小売業におけるDX(リテールDX)とは?重要な理由や事例を紹介

近年、小売業界でDXへ取り組む企業が増加しています。

しかし、DXとは具体的に何を意味するのかや、「デジタル化」や「IT化」とはどのように異なるのかなど、疑問に思う方も多いのではないでしょうか?

この記事では、小売業界におけるDX(リテールDX)の意味から、なぜDXが必要なのか、さらに具体的な導入事例を詳しく解説していきます。DXによって効率化が進む小売業界において、おいていかれることがないよう、ぜひご一読ください。

なお、小売業界のDXにはAIを使った予測分析ツール「Prediction One」がおすすめです。Prediction Oneを導入することで、需要予測や来店予測が可能となり、在庫や人員の最適化ができるようになります。

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小売業におけるDX(リテールDX)とは?

DXとはデジタルトランスフォーメーションの略で、デジタル化を進めて業務の改善や新しいビジネスモデルの創出、古いシステムの刷新、企業風土の変革を実現することです。

2020年11月に経済産業省が「デジタルガバナンス・コード2.0」を発表しました。デジタル変革の推進には、経営者のリーダーシップやデジタル戦略の策定と実行、デジタル人材の確保と育成、データ活用とセキュリティ対策などが必要という内容です。

この「デジタルガバナンス・コード2.0」の発表は、DXの必要性を国が強く推奨している証拠でもあります。

小売業においてのDXは、サービスや業務プロセスを刷新し、店舗運営のあり方を大きく変えたり、顧客体験を向上させたりなど、イノベーションを創出する新たな取り組みです。リテールDXとも呼ばれています。

この変革を実現するためには、AIやIoT、IT技術の活用が欠かせません。

小売業におけるDXの市場規模は?

小売業においてのDXは、現在成長フェーズにあります。世界における小売業のDXの市場規模は、2020年441億円から2023年2,455億円まで拡大すると予想されていて、2027年までに19.9%まで伸びる見込みです。

それに対して日本の小売業のDXはやや遅れています。スイスの国際経営開発研究所(IMD)が2022年9月に発表した「世界デジタル競争力ランキング2022」では、日本は29位でした。近隣諸国である韓国は8位、台湾は11位、中国は22位という結果を見ると、日本は世界的に出遅れている印象を受けます。

しかし、「国内でのDXが進んでいないなら、自社のDXは急がなくていいだろう」という考えは危険です。DX全体の国内市場は大幅に拡大しており、2019年度から2020年度にかけてのわずか1年で27.2%も伸びています。

つまり、このようなDXの流れに対応できないと、DXを進めた企業より生産性や顧客満足度が低くなり、競争に負けてしまう可能性があるのです。

DXとIT化・デジタル化の違い

DXと似たような言葉に、IT化やデジタル化があります。
それぞれの言葉の定義を整理したのが下記の表です。

表はスライドできます

 
用語 定義
DX 社会や組織・ビジネスの仕組み全体を変えること
IT化 既存の業務プロセスをコンピューターやネットワーク技術を用いて効率化・向上すること
デジタル化 アナログ業務をデジタルに変えて効率化すること

押さえておきたいのは、DXを実現するための手段としてIT化やデジタル化がある点です。たとえば、請求書をペーパーレスにできるツールを導入しても、それは単にデジタル化の一環であり、DXとは言えません。

しかしこのペーパーレス化によって、以下のような変革を実現できるなら、DXの実現への大きな一歩となります。

  • 請求書のファイリングやスキャンの時間が大幅に削減されて月の残業代が減少
  • 購入データをリアルタイムで分析しマーケティング効果を最大化
  • セルフレジと防犯カメラを導入した無人店舗に変更

これらの例からもわかるように、DXの本質は単なる技術の導入ではなく、実際のビジネスにおける変革です。

小売業界におけるよくある4つの課題

小売業界には、以下のような課題を持つ企業が多くあります。

  • 【課題1】顧客の購入方法に対応できてない
  • 【課題2】システムが老朽化している
  • 【課題3】スタッフが足りない
  • 【課題4】マーケティングに関するデータが足りない

DXによって解決できることも多いため、それぞれ確認していきましょう。

【課題1】顧客の購入方法に対応できてない

現在、多くの顧客は多彩な購入方法を求めています。たとえば、支払い方法1つとっても、現金とクレジットカードだけでなく、QRコードや電子マネーなど多様化していますよね。

最新の決済方法に対応していないことが原因となり、他の店舗に顧客が流れてしまうことも考えられます。

また、オンラインでの購入を求める顧客も多いため、ECサイトの構築は不可欠です。

【課題2】システムが老朽化している

現在の小売業の中で古いシステムを使い続けると、業務効率や顧客満足度が低下するリスクがあります。特に、老朽化が進んだシステムは、最新のツールやソフトウェアと連携できないことが考えられます。

これはDXの進行を妨げ、企業の競争力を損なう原因となるでしょう。

たとえばDXを進めるために新しいシステムを導入したものの、既存のシステムを連携できず、業務効率が上がらない可能性もあります。

【課題3】スタッフが足りない

少子高齢化や労働条件の悪さなどが原因で、小売業界全体で人材不足が深刻化しています。

帝国データバンクの「人手不足に対する企業の動向調査(2022年4月)」によると、以下のことがわかります。

  • 正社員の人手不足割合で小売業は上位10業種の中4位
  • 非正社員の人手不足割合で小売業は上位10業種の中4位、5位、8位

小売業は、正社員・非正社員ともに、人手不足の割合が多い業界と言えます。とはいえ、人材を確保するのは簡単ではありません。

そこで、DXによる業務の効率化や自動化が重要となるのです。

【課題4】マーケティングに関するデータが足りない

一昔前のように、すべての顧客が同じニーズを持つ時代は終了しました。現代の顧客のニーズは細分化されています。

どのようなサービスや商品が求められているかだけでなく、どこで購入したいかや、どのように支払いたいかも多様化しています。そのため、マーケティングにおいてさまざまなデータを集めることが必要です。

小売業にDXを取り入れるべき5つの理由

DXを進める理由は、大きく5つあります。

  • 【理由1】業務の効率が向上するから
  • 【理由2】多様化した顧客ニーズに対応できるから
  • 【理由3】人手不足の解決につながるから
  • 【理由4】人的ミスを軽減できるから
  • 【理由5】顧客体験の向上につながるから

先ほど解説した小売業の課題解決と結びつく理由もあるので、1つずつ見ていきましょう。

【理由1】業務の効率が向上するから

DX導入による最大のメリットは、業務の効率化です。特に商品の仕入れや在庫管理、スタッフ間のコミュニケーションなど、これまで時間を要していた業務がスムーズになります。

たとえば、AIを活用した小売業の需要予測は、業務効率の向上に大きく貢献しています。下記記事で詳しく解説しているので、ぜひ参考にしてください。

【理由2】多様化した顧客ニーズに対応できるから

キャッシュレス決済の導入や店舗専用アプリの開発など、顧客の利便性を高める取り組みもDXの一部です。また、DXによって、誕生月にクーポンを発行するなど、顧客一人ひとりに合わせてサービスを提供できるようになります。

その結果として、顧客のリピート購入につながり、囲い込みも狙えます。

【理由3】人手不足の解決につながるから

DXの導入により、事務作業の自動化やセルフレジの利用、ECサイト構築など、人手を必要としない取り組みができるようになります。

そのため、DXを進めることで、人材不足が深刻化する中でもビジネスの継続が可能です。スタッフがいなくても運営ができる無人店舗が、今後増えていくかもしれません。

もちろん、すべての店舗を無人にした方がいいわけではありません。接客を重視している店舗では、人による手厚い対応が重要です。一方で、発注業務や在庫管理など、接客以外の部分では、デジタルを活用することで効率化が計れます。

大切なのは、どの作業を人が担当し、どの作業を自動化するかを見極めることです。

【理由4】人的ミスを軽減できるから

レジや注文の自動化など、DXを用いた取り組みによって人的なミスを大幅に減らせます。

また、AIによる需要予測を始めれば、発注業務の最適化が可能です。過去の販売実績や顧客数などから、未来の販売数を高精度に予測できるため、AIの予測を参考にしながら発注できます。

AIの需要予測とは?企業で必要な理由やメリット、注意点、精度を高めるポイントを解説」に詳細をまとめているので、ご確認してみてください。

【理由5】顧客体験の向上につながるから

小売業界では、以下のような新しい取り組みが注目されています。

表はスライドできます

 
用語 意味
OMO オンラインとオフラインを組み合わせたマーケティング手法 モバイルオーダーで行列を解消
オムニチャネル オンラインとオフラインでの顧客との接点を一元化し、各接点での購買体験を最適化する手法 店舗の商品のQRコードを読み込むとその商品を使ったレシピを提案
ユニファイドコマース 顧客一人ひとりに合わせた最適な体験を提供する手法 顧客の購買履歴や好みに基づき、おすすめの商品やクーポンを個別に提供

これらの手法は、オンラインとオフラインの組み合わせによるマーケティングや、各接点での顧客体験の最適化を目指しています。顧客の期待を超える体験を提供するためには、DXの導入が不可欠です。

小売業界でDXを進めた事例

ここからは、実際に小売業界でDXを進めた事例を紹介します。

【事例1】製品販売:AI予測分析ツールで来店数や出荷数を予測

製造業や建設業向けに製品を販売する某メーカ様では、販売予測や売上予測のために「Prediction One」を導入しました。

自社の物流センターから各店舗へ商品を出荷しています。その際、出荷数の予測が外れると、出荷作業を行う従業員が足りなくなり、コストが割高な派遣スタッフの手を借りなければなりません。

そこで、Prediction Oneによって出荷予測の精度を高め、出荷作業を自社の従業員だけで行えるようになりました。

また、店舗運営において来店予測を行うことで、無駄のない人員配置を実現しました。

【事例2】ローソン:半自動AI発注システムやセルフレジなどを導入

2018年以降、コンビニエンスストア大手の「ローソン」はDXの推進を強化しています。

その取り組みとして、半自動AI発注システムの導入やセルフレジの運用を始めました。また、「Lawson Go」のサービス開始や店舗内にカメラやマイクを設置して、足を止めた場所や手に取った商品など、顧客の行動や反応をリアルタイムに分析しています。

これらの取り組みにより、POSの売上データや会員カードデータだけでは把握できなかった、顧客の深い層のデータの収集が可能となりました。

【事例3】イオンモール:スマホアプリを開発

大手商業施設「イオンモール」は、DXを進める一環として、専用のスマホアプリを開発しました。

このアプリをインストールすると、顧客がクーポンの受け取りやイベント情報の収集、イオンモールの混雑状況の確認などができます。2022年2月時点で累計ダウンロード数が約750万ダウンロードに達しました。

イオンモールは小売事業だけでなく、300を超えるグループ会社から提供されるデータを活用し、このアプリを通じて多岐にわたるサービスや情報提供を行っています。

小売業のDXにおすすめの「Prediction One」

小売業におけるDXの第一歩として、AIを用いた予測分析がおすすめです。たとえば、需要予測を実施することで、各店舗の人員配置や在庫管理の最適化が進みます。

AIを使った予測分析ツール「Prediction One」なら、専門的な知識がなくても予測分析の開始が可能。これまでの発注数や在庫数、来店数などのデータがあれば、すぐに予測分析を試せます。

30日間の無料トライアルを用意しているので、コストをかけずにAIを試してみたい方にもおすすめです。気になる方は、ぜひお気軽にお問い合わせください。

まとめ:小売業のDXは避けられない

小売業界のDXに関する市場は年々拡大しているため、今後も店舗運営を続けるのであればDXは避けられません。

特に予測分析はAIの進歩によって精度が高まっていることもあり、小売業での導入が進んでいます。在庫管理や人員配置など、小売業が抱える課題を解決する手段のひとつです。

AIの予測分析ツール「Prediction One」なら、30日間の無料トライアルを使って、コストをかけずすぐに予測分析を始められます。問い合わせをいただければ、非公開の事例もご覧いただけますので、お気軽にご相談ください。

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