トラフィックとは
トラフィックとは、もともと道路を走る車などの往来や交通を意味し、ネットワークにおいては通信量を指します。
大きなデータのやりとりや、ネットワーク回線にアクセスする人が増えた場合に起きるのが、通信料の増加、つまりトラフィックの増加です。
トラフィックが増加するとネットワーク回線に負荷がかかるため、回線が高帯域でなければ通信障害などのトラブルを引き起こしかねません。
トラフィックの増加による影響
トラフィックが増加すると、下記の影響を及ぼします。
- ネットワーク速度の低下
- 接続状態の不安定化
- パケットロス
- サーバーへの過負荷
ネットワーク回線上におけるデータの渋滞が発生すると、データが先に進めなくなるため、通信速度が低下したり途中で通信が切断されてパケットロスにつながったりします。
また、大量のデータが届くとサーバーの処理能力を超え、想定以上の負荷をかけることがあります。
このようにトラフィックが増加することで、ネットワーク回線やサーバーに悪影響を及ぼし、パフォーマンスの低下を引き起こす可能性があります。
トラフィック増加による悪影響を防ぐ3つの対策
トラフィック増加を防ぐ対策は、下記のとおりです。
- 【対策1】必要なスループットの調査
- 【対策2】インターネット回線の強化
- 【対策3】最新ネットワーク機器の導入
トラフィック増加による悪影響は、もともとのインターネット回線や機器が持つスペックより、利用しているトラフィック量が多い場合に発生します。
順番に見ていきましょう。
【対策1】必要なスループットの調査
トラフィック増加による悪影響を防ぐ有効な対策をとるには、まず必要なスループットの調査が重要です。スループットとは、ある期間内に処理されるデータ量や情報量などのことを指します。
実際に使用しているデータ量を把握していなければ、インターネット回線やネットワーク機器に必要なスペックが判断できません。たとえば、突発的な原因でトラフィックが増加したのであれば、インターネット回線やネットワーク機器の改善は必要ない可能性があります。
つまり、突発的な原因そのものが起こらないように対策するだけで良い場合があることです。したがって、普段からトラフィックを監視して、定常的な増加が確認された場合に回線や機器を改善するのが効果的です。
【対策2】インターネット回線の強化
トラフィックの増加が一時的なものではなく日常的な場合は、インターネット回線の強化を検討しましょう。一時的な対策でトラフィック増加を対策できない場合は、ハードウェア部分の改善が必要です。
たとえば、インターネット技術が発展した現代ビジネスにおいて、クラウドサービスの活用が一般的になりました。クラウドサービスの日常的な利用は、トラフィック増加につながるため、従来のインターネット回線のままでは負荷に耐えられない恐れがあります。
したがって、高帯域なインターネット回線を導入し、トラフィック増加による影響を回避するのが重要です。
【対策3】最新ネットワーク機器の導入
インターネット回線を改善しても、サーバー機器などネットワーク機器のスペックが足りなければ、障害が発生する可能性があります。
データの通信速度が向上しても、機器のデータ処理速度が遅ければ処理すべきデータの渋滞が発生してしまうからです。
たとえば、高速道路の車線の数は十分であっても、高速の出口がETC非対応では渋滞が起きてしまうのと同様です。このようにネットワーク機器もスペックアップしスループットを改善することで、データの渋滞を防ぐことができます。
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トラフィックが増加する6つの原因
トラフィックが増加する原因は、下記のとおりです。
- 【原因1】接続している端末の増加
- 【原因2】クラウドサービスなどオンラインシステムの利用
- 【原因3】テレワークや外部からの接続の普及
- 【原因4】取り扱う情報が大きくなったことによるデータ通信量の増大
- 【原因5】ソフトウェアアップデートやアプリのバックグラウンド動作
- 【原因6】サイバー攻撃やマルウェアによるシステム感染
トラフィック増加の原因が判然としない場合は、バックグラウンドで動作している場合があります。ひとつずつ見ていきましょう。
【原因1】接続している端末の増加
近年、ネットワーク回線に接続している端末が増加していることが、トラフィック増加の原因となっています。
ネットワーク技術の発展から、さまざまな機器がネットワークにつながって情報のやり取りをおこなうようになったからです。
たとえば、IoT機器やスマートフォンなど、従来からあるパソコンに加え、複数の機器がネットワークに接続し、トラフィックが増加しています。
基本的に接続する端末が増えることはあっても減ることはないため、今後もトラフィックは増加する傾向といえるでしょう。
【原因2】クラウドサービスなどオンラインシステムの利用
企業で利用するシステムはオフラインのものがほとんどでしたが、現在はオンラインで稼働するクラウドサービスが多くなりました。
クラウドサービスはランニングコストこそかかるものの、比較的安価で保守管理に工数がかからないことから多くの企業で導入されています。
たとえば、企業活動に重要なCRMやSFA、MAなどはさまざまな企業から豊富な種類がリリースされています。しかし、クラウドサービスの利用はその分ネットワークを利用することになるため、トラフィック増加の要因といえるでしょう。
クラウドサービスはもはや切り離せない存在になりつつありますので、トラフィック増加の対策の重要性が高くなっています。
【原因3】テレワークや外部からの接続の普及
テレワークが普及し、自宅から社内のネットワークに接続する機会が増えたのも、トラフィック増加の原因と考えられます。
多くの企業は、VPN接続によって社内ネットワークにアクセスできる仕組みを構築しています。
便利な反面、VPN端末にアクセスが集中し、回線速度が遅くなったり不安定になったりして業務に支障をきたすことも増えました。
しかし、働き方が再びオフィス出社に戻る傾向があり、外部からの接続もピーク時よりは減ったと考えられます。
今のうちに、VPN端末を始めとするIT機器の強化を行い万が一に備えておくのがおすすめです。
【原因4】取り扱う情報が大きくなったことによるデータ通信量の増大
時代の流れとともに、ネットワーク上でやりとりされるファイルの種類が変わってきました。
テキストファイルから画像、動画と移り変わり、さらに高画質化も進んできたため、扱うファイルサイズが大きくなっています。
また、SNSの発展によりファイルサイズだけではなく、やり取りされるファイルの総数が増加している点もトラフィック増加の一因です。
【原因5】ソフトウェアアップデートやアプリのバックグラウンド動作
一見、これといった原因が見当たらない場合は、ソフトウェアの自動アップデートやアプリのバックグラウンド動作により、トラフィックが増加していることがあります。
いくつかのアプリは、ユーザーの知らないうちに外部サーバーと通信することがあるため、知らず知らずのうちにトラフィックが増加していることも少なくありません。
特に、ソフトウェアの自動アップデートは設定を変えていなければ、同じようなタイミングで実行されるため、一時的にトラフィックが大きく増加します。自覚がないままネットワークを使用しているため、設定を変えるなどの対策が必要です。
【原因6】サイバー攻撃やマルウェアによるシステム感染
トラフィック増加の外的な要因として考えられるのは、サイバー攻撃やマルウェアです。
システムがDoS攻撃を受けたり、ワームやトロイの木馬に感染したりすると外部にデータを送信されてしまい、トラフィックが増加します。システム感染は、トラフィック増加の影響を受けるだけではなく、情報流出などの被害を受ける可能性もあります。
これらの要因によるトラフィック増加を防止するためには、端末のセキュリティ対策を万全にし、従業員に情報セキュリティの教育を実施しなくてはなりません。
下記の資料にセキュリティ対策における見落としがちな落とし穴と、その対策をまとめました。
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まとめ:トラフィック増加を対策して業務進行をスムーズにしよう
トラフィックは、ネットワークにおけるデータ通信量を指します。トラフィックが増加することで、ネットワークの回線速度が低下したり不安定になったりして、業務に悪影響を及ぼしかねません。
基本的な対策としては、ネットワーク回線やネットワーク機器の強化が挙げられます。また、サイバー攻撃やマルウェアなどの外的要因によるトラフィック増加も考えられるため、セキュリティ対策も万全にしておきましょう。
上手に対策してトラフィック増加による悪影響を回避できれば、快適な業務遂行が可能です。
なお、ネットワークを強化するための方法を、下記の資料にまとめています。ネットワークの切れない環境を構築するためにも、ぜひダウンロードのうえご活用ください!
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