IPv6とは?
IPv6とは、従来の「IPv4」に続く、バージョン6のインターネットプロトコルです。
これまではIPv4が主流となっていましたが、インターネットの利用者増加により、Ipv4アドレスが枯渇しました。このことから、約43億個のIPアドレスを割り当て可能なIPv4から、約340澗(かん)個の広大なアドレス空間を持つIPv6に移行する動きが活発化してきています。
IPv6の接続方式
IPv6には主に「IPoE方式」と「PPPoE方式」の2つの接続方式があり、それぞれに異なる特徴とメリットがあります。
ここでは、2つの接続方式について掘り下げます。
IPoE方式
IPoE(IP over Ethernet)方式は、NGN網とISP網の間にある網終端装置での認証を必要とせず、ISP網に直接接続する方式で、安定したインターネット接続を提供できる点が特徴です。
PPPoE方式が経由する網終端装置は、PPPoE方式で接続するユーザーをNGN網とISP網とに繋ぐ役割も果たしていますが、一定の帯域を1,000以上のユーザーで共有し、利用しています。そのため利用ユーザーが多い時間帯では、多くのユーザーのトラフィックが集中し輻輳(ふくそう)状態を引き起こすボトルネックになります。
IPoE方式はこのボトルネックを経由しません。
そのためIPoE方式は、これまで広く使われていたPPPoE方式と比較し、より安定した通信が可能です。
PPPoE方式
PPPoE(Point-to-Point Protocol over Ethernet)方式は、従来から広く利用されている接続方式です。
認証IDとパスワードを使用して認証を行い、インターネットに接続します。
PPPoE方式は接続の際に認証手続きが必要なことから、IPoE方式に比べると多少のラグが発生する場合があります。
また、多くのユーザーの利用が集中する時間帯には、網終端装置がボトルネックとなり大規模な通信速度低下である輻輳が起きるリスクがあるため、高速で安定した接続が求められる場面で利用するなら、IPoE方式を選択するのがおすすめです。
IPv6のメリットやIPv4との違い
IPv6の主なメリットとして、IPv4に比べて膨大なIPアドレス空間を持つことや、IPoEの使用によって通信速度が向上することなどが挙げられます。ここでは、2つのメリットとIPv4との違いについて解説します。
従来よりも多くのIPアドレスを利用できる
IPv6は128ビットのアドレス空間を採用しており、約340澗(かん)個もの大量のIPアドレスを利用できます。
従来のIPv4は32ビットアドレスを使用しており、約43億個のアドレスしか作成できませんでした。このことから、インターネットの急速な普及によるIPアドレスの枯渇問題が課題となっていましたが、IPv6への移行によって解消が期待されています。
IPv6は非常に膨大なIPアドレスを使用できるため、あらゆるモノやヒトやサービスも含めたすべてがインターネットにつながるIoE(Internet of Everything)などにも対応可能です。
パソコンやスマートフォン、タブレット、家電など、さまざまなデバイスがインターネットに接続するようになった現代において、IPv6の導入は不可欠です。
IPv6(IPoE)の使用によって通信速度が向上する
前述のように、IPv6(IPoE)の導入によってIPv4(PPPoE)と比較し通信速度を向上できます。
従来のIPv4(PPPoE)では、NGN網とISP網の接続点にある網終端装置を介して接続を行うため、回線の混雑が発生しやすいという課題がありました。しかし、IPv6(IPoE)では網終端装置を介さずに直接ISP網に接続を行うため、回線の混雑を大幅に軽減できます。
PPPoEに比べてより安定した通信を実現しやすく、快適なインターネットを利用可能です。
企業におけるIPv6対応の重要性
Webサービス等を提供する企業においては、IPv6へ対応していくことが推奨されます。ここでは、企業におけるIPv6移行の重要性について解説します。
業務効率の向上
IPv6(IPoE方式)で接続すると、インターネットの通信速度が速くなることから、業務効率の向上も期待できます。例えば、社内で利用している業務アプリケーションやWeb会議システムが重くなったり、すぐに途切れたりするといった通信の問題を改善できる可能性があります。
従来のIPv4(PPPoE方式)に比べてネットワークの遅延を抑えられるIPv6(IPoE方式)なら、より安定した接続が可能です。そのため、リモートワークやクラウドサービスを利用したオンラインでのチーム作業がスムーズになり、業務効率化をはかれます。
顧客向けのサービスをIPv6にも対応させられる
企業が提供するWebサイトやWebサービスをIPv6に対応させることは、顧客満足度の向上にも寄与します。
現在では多くの大手サービスプロバイダやプラットフォームがIPv6に対応しており、顧客側にもIPv6で快適にサービスを利用したいという需要が高まっています。企業が自社サービスをIPv6に対応させることで、IPv6に対応しているユーザーはよりスムーズで高速なアクセスが可能となり、サービスの利用体験が向上します。
また、IPv6に対応することで、将来的な技術の進展にも柔軟に対応し、顧客に対して常に最新のサービスを提供できます。結果的に、市場における競争力の強化と顧客の信頼獲得にも貢献します。
IPv6に移行することで生じるデメリット
IPv6への移行はさまざまなメリットがありますが、一方でいくつかのデメリットが生じる可能性もあります。ここでは、IPv6に移行することで考えられる3つのデメリットを紹介します。
IPv4よりもセキュリティが強化されるわけではない
IPv6に移行したからといって、IPv4に比べて自動的にセキュリティを強化できるわけではない、という点には注意が必要です。
IPv6はIPsec(IP Security)を標準でサポートしていますが、デフォルトで有効になるわけではありません。設定次第ではセキュリティの強化を図れますが、自動的に効果を発揮するものではありません。そのため、強固なセキュリティ体制を構築するためには、ネットワークの専門知識を持った人材が必要になります。
また、IPv6のアドレス自動設定機能や、IPv6特有のセキュリティリスクも存在します。したがって、IPv6に移行する際は、事前に入念なセキュリティ対策を講じる必要があります。
互換性の問題が生じる可能性がある
IPv6へ移行する際に、既存のIPv4との互換性の問題が生じる可能性があります。
現状では、多くのシステムやアプリケーションがIPv4を利用した接続を前提に設計されています。そのため、接続先のシステムやアプリケーションがIPv6に未対応の場合、通信の不具合やサービスの停止などが発生するおそれがあります。
特に、ネットワーク機器やセキュリティ機器の中には、IPv6への対応が不十分なものも存在します。IPv6への移行をスムーズに行うためには、既存のシステムがIPv6に対応済みかどうかを事前に確認し、必要に応じてアップデートや設定変更を行うことが重要です。
移行にはコストや手間がかかる
IPv6への移行には、一定のコストや手間がかかります。移行に際してハードウェアやソフトウェアのアップグレードが必要な場合は、想定以上に初期投資が膨らむ場合もあるため、事前の試算が重要になります。
また、ネットワーク機器の設定変更や新たなインターネットプロトコルの導入には、専門的な知識とまとまった移行期間が必要です。事前に余裕を持った移行計画を策定し、段階的に作業を進めることが求められます。
計画的に作業を進めることで、業務への影響を最小限に抑え、低リスクで移行を行えます。
IPv6に合わせたセキュリティ対策を行う
IPv6への移行に伴い、セキュリティ対策も見直す必要があります。ファイアウォールの設定やIPsecの活用、ネットワーク監視ツールの導入などを整備して、サイバー攻撃から身を護るための対策を講じましょう。
特に、IPv6特有のセキュリティリスクに対応するための対策は重要です。例えば、IPv6のアドレス自動設定機能を制御する設定や、未知の攻撃に対する監視体制の強化は不可欠です。
十分な対策を講じることで、IPv6環境においても強固なセキュリティ体制を維持し、安心してネットワークを利用できます。
IPv6で接続されているか確認する方法
Windows11で自分が利用しているインターネットがIPv6で接続されているどうかを調べるためには、下記の手順で操作を行います。
- Windowsマークを右クリックし、「設定」を選択
- 「ネットワークとインターネット」→「ネットワークの詳細設定」→「ハードウェアと接続のプロパティ」の順に選択
- ハードウェアと接続のプロパティの情報が表示されるため、「IPv6アドレス」の項目が表示されているかを確認
上記の手順で「IPv6 アドレス:」の部分にIPアドレスが記載されていれば、正しく接続されています。
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