Windows Serverの構築は、EC2インスタンス作成からスタート
「AWS上にWindows Serverを構築したい」と思ったら、どこからスタートすればいいのか。その答えは「EC2」が正解です。要はEC2で仮想サーバを作って、その上にWindowsのOSが乗る、ということですね。
あれ?そしたらWindows Serverのライセンスってどうなるの…?というのは気になるところですが、AWSではWindows Serverのライセンスもあわせて提供されているので、心配はいりません。ではいってみましょう。
AWSのマネジメントコンソールにログインし、ずらっと並んだサービスからEC2を選びます。そして「インスタンスの作成」ボタンをぽちっと。
このときリージョンが「東京」になっているかの確認を忘れずに。弊社では最初にチャレンジしたとき「オレゴン」にインスタンスを作っていました。(意図して海外リージョンなら問題ないんですけどね………)
Windows Serverは「AMI」を使って作る
さて、「インスタンス作成」をクリックするとAmazon マシンイメージ(AMI)を選ぶ画面に移りました。AMIとは、インスタンスの構成情報をまとめたイメージのこと………というとあまりピンときませんが、要は各種OSやDBなどのミドルウェアまでがセットになったAMIが提供されているので、そこから自分が作りたいものを選びましょう、ということのようです。さっそくスクロールして「Windows Server」を探すと………ありました!が!「English」って書いてある!
………ということは、英語版?正直、今回はお試しですし、英語版でもいいといえばいいのですが、せっかくだから日本語版のWindows Server環境を作りたい。ということで調べてみたら、どうやら日本語版はコミュニティAMIから探すようです。
そこで左メニューから「コミュニティAMI」を選択、「Japanese」で検索すると………あった!出てきました。Windows Server 2016、Japanese、また「2018.09.15」となっているので、新しいバージョンということで問題なさそうです。(2018年10月16日時点)
使うAMIが決まったら、次はインスタンスタイプです。サーバのスペックに関係してくるところですが、今回はデフォルトで選択されていて、どうやらおすすめされているらしい「t2.micro」というインスタンスタイプをそのまま選びました。
インスタンスタイプは大量にずらっと出てくるので、正直どれを選べばいいのか途方に暮れます。今回選んだ「T2」は汎用的な用途に使えるインスタンスタイプの一種。なかでも「T2」は「バースト機能」がある種類のようです。要するに突発的な負荷の増加に対応できるタイプらしい。え?バーストなんてしなくない?と(あとから)気づきましたが、とりあえず今回はここで進めます。
そして、次のページで内容を確認して「作成」すれば終わり!………では、ありませんでした。
サーバにリモートで接続するための「キーペア」作成が必要
ここで出てきたのが「キーペアが見つかりません」というエラー。
キーペア………一瞬、はて一体なんだったか………という気持ちになりかけましたが、アレですね。サーバに接続するとき通信を暗号化するために使う秘密鍵・公開鍵のセット、というものです。そういえば、AWSサイトの「Windows Server作成ステップ」的なページでも、事前に用意しておこうと書かれていた気がします。
「あとでも大丈夫!」って書いてあったので、ま、いっか、と思ってここまで進めてきたのでした。
では、ここでキーペアを新しく作りましょう。
プルダウンから「新しいキーペアの作成」を選択して、キーペア名を入力したら、「キーペアのダウンロード」から、ファイルをダウンロードします。ポチっと押すとファイルのダウンロード画面が出てくるので、PCの好きなフォルダを指定して、ファイルを保存しました。これでOKです。
あとは、「インスタンスの作成」をクリックすれば………
インスタンス作成中になりました!ちなみに、「数分かかります」と書いてあるし、作成完了したら自動で完了画面になるのかな、と思ってしばらく待っていたのですが、10分以上待っても変化がないので、インスタンス管理画面(↑の画面ではモザイクをかけていますが、インスタンスIDをクリックすると出ます)で確認したら、しっかり「running」=起動中になっていました。これで完了です!
Windows Serverにリモートで接続してみよう
どうやらこれでAWS上にWindows Serverの環境ができた様子なので、ちゃんと使えるのかリモートから接続してみます。
まずはAWSマネジメントコンソールのEC2ダッシュボードで、インスタンスの管理画面に。今作ったばかりのインスタンスを選んで、「接続」をクリックします。
すると、接続のためのポップアップが表示されるので、まずは管理者用のパスワードを取得します。ここで使うのが、さっき作った「キーペア」のファイルですね。
手順としては、
- 先ほどキーペア作成でつけた名前になっていることを確認しておく
- 「ファイルを選択」から、PCに保存したファイルを指定すると…
- 暗号化の文字列がズラッと表示されるので
- 「パスワードの復号」をクリック
となります。
すると、「リモートデスクトップファイルのダウンロード」ボタンが現れる(下図①)ので、ファイルをダウンロード。パスワード(下図②)もコピペしてメモっておきましょう。
ここまででやっとAWSマネジメントコンソール側での作業が終わります。あとは、PCから今回作成したWindows Server環境にログインすればOKのはず。
ということで、今ダウンロードしたrdpファイルを実行すると………
さっきコピペしたパスワードを入力して「OK」すれば、見覚えのあるWindowsの画面が出てきました。
Windows Server環境、構築完了です!
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まとめ
AWSにWindows Serverを構築するのは思ったより簡単で、割とさっくりとWindowsの画面までたどり着けるものなのね、という感想です。一番のネックは「なんか大変そう」という自分の気持ちを乗り越えることだったかもしれません。
もちろん今回は試しに環境を構築したところまでなので、もしも企業で本格的に利用する場合は、セキュリティグループ(ファイアウォール的なもの)の設定などが必要になりますが、ともあれ、AWSにだってWindows Server構築できるじゃん!しかも簡単じゃん!と分かったことが今回の大収穫。
ちなみに、ソニーネットワークコミュニケーションズが提供するAWS導入支援サービス「Managed Cloud with AWS」では標準でセキュリティグループなどの基本設定を代行。
また、Windows ServerのAWS移行をサポートするオプションメニューも用意しているので、細かいことはよく分からないからまとめて任せたい、という方はぜひお問い合わせください!
Windows Server 2008のサポート終了にあたってAWSは移行先の有力候補となるはず。まずは、環境を作って、試してみてはいかがでしょうか?
以上、シイノキでした!
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