ネットワークの帯域とは?
インターネットやWebの領域で使われる「帯域」は、データ通信において、ネットワークがどれだけのデータ量を処理できるかを示す指標として使用されることが多い言葉です。
厳密には通信における周波数の範囲を表し、パソコンやスマートフォンなど、インターネットを使用するときにデータのやりとりで使われる電波や電気信号の周波数の幅のことも帯域と呼ばれています。
帯域の広さで通信速度が決まる
ユーザーが利用できる帯域が広い回線は通信速度が速くなり、帯域が狭い回線は通信速度が遅くなります。
ちょうど道路の道幅の広さをイメージするとわかりやすいでしょう。
たとえば、道幅が広く車線が多い道路ほど一度に大量の自動車が早い速度で走れます。一方で道幅が狭く片側一車線しかないような道路は、渋滞が起きやすく速度が遅くなりやすいです。
上記の理由から通信速度を改善したい場合には、利用できる帯域を広くする対策が検討されています。
ネットワークエラーは帯域不足で起きる
近年、リモートワークやWeb会議が急増しています。
業務中や会議中にネットワークエラーや速度低下が発生するのも、帯域不足が原因のひとつです。ネットワークには接続できているもののネットワークの遅延やダウンが起きる現象で、帯域の逼迫と呼ばれることもあります。
帯域不足は、先程挙げたリモートワークやWeb会議をはじめ、Windows Update、動画、画像を含む大量データのダウンロードなどによって起こります。とくに、法人の場合は一度に多くのパソコンがWindows Updateを行おうとして帯域を圧迫してしまうケースも少なくありません。
帯域不足に関しては、下記の記事で解説しています。後述する帯域の確認方法や改善方法も紹介しているのでぜひご覧ください。
ネットワークの帯域を確認する方法
ネットワークの帯域不足を解決するには、まず社内の帯域の現状を把握することが大切です。
帯域の測定方法と、目安となる数値を解説します。
現在利用できる帯域の測定方法
帯域を調べる方法は、WEB上で手軽に通信速度を測定できるサイトがおすすめです。測定ボタンを押すだけで自動的に測定がスタートし、測定結果が表示されます。
おすすめのスピードテストサイトは、「マルチセッション & JavaScript対応」です。
上記以外にも通信速度の測定サイトは複数あります。社内で誰でも簡単に試せる上、無料で利用できるので便利です。ただし、それぞれ測定方法が異なるほか、測定する時間帯やPC・スマホによっても数値は変動するため、目安として利用しましょう。
帯域や回線速度の目安
現状の帯域が確認できたところで、業務に支障が起きない帯域や回線速度を知っておきましょう。
業務をスムーズに進めるために必要な回線速度の目安は、法人単位で扱うファイルサイズやデータ量によって大きく左右されます。
また、プロバイダの理論値よりも実際に社内でネットワークを使う時点での実測値が大切です。
さらに、データをアップロードする上りの回線速度も大切ですが、基本的にはインターネットからデータをダウンロードする際の下りの回線速度が重要となってきます。
一般的にインターネット回線を快適に使用するには、用途別で1ユーザーあたり次の表の速度が目安です。
表はスライドできます
データの種類 | 下り(ダウンロード)速度の目安 |
---|---|
テキスト(メールなど) | 1Mbps |
Webサイト閲覧 | 1Mbps〜 |
動画視聴 | 5Mbps〜 |
Web会議 | 10Mbps〜 |
ただし、法人の場合は、上記以外の利用用途でもインターネット利用するため、上記の回線速度を目安にすると帯域不足になるケースが少なくありません。
とくに、クラウドで大量のデータを高速通信する場合や、常時データセンターと通信する場合は、個人利用での想像をはるかに超えてしまいます。高速かつ大容量での通信が必要となることを認識しておきましょう。
NUROアクセスでは、高速かつ安定したネットワーク通信が可能となります。現在のネットワーク環境を改善したい場合は、ぜひ以下のページよりご相談ください。
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ネットワークの帯域を広くする方法
安定した業務を遂行するためネットワークの帯域を広げる方法を、個人と法人のケースに分けて具体的に紹介します。
個人法人共に帯域を広くする方法はいくつかありますので、ぜひご確認ください。
【個人向け】ネットワークの帯域を広くする方法3つ
個人レベルでネットワークの帯域を広くするには、次の3つの方法があります。
- 【方法1】Wi-Fiアクセスポイントのアップグレード
- 【方法2】Wi-Fi信号の強化
- 【方法3】より高速の回線に乗り換える
とくに、2番目の「Wi-Fi信号の強化」は、PCやモバイル端末で無線LANを使用する機会が増えた今、有効な方法のひとつです。
ひとつずつ確認していきましょう。
【方法1】Wi-Fiアクセスポイントのアップグレード
最新のWi-Fiアクセスポイントは、新規格の回線速度に対応しているので、従来の機種に比べてより高速な速度が期待できます。
社内のWi-Fiアクセスポイントを最新機種に新調するほか、最新のファームウェアかどうか確認しましょう。旧バージョンのままの場合は、アップデートするとより高速かつ安定したプログラムがインストールできます。
なお、Wi-Fiアクセスポイントをアップグレードで改善するのは、Wi-FiアクセスポイントとPCやモバイル端末間の通信速度です。Wi-Fiアクセスポイントから上位の通信速度(契約している光回線やプロバイダの帯域)は変わらないので注意しましょう。
【方法2】Wi-Fi信号の強化
Wi-Fiアンテナを追加するか、Wi-Fiアクセスポイントを増やすことでWi-Fi信号を強化できます。
Wi-Fi信号を強い状態で遠くまで届けられるので、Wi-Fiルーターから離れた位置で使用する社内のPCやモバイル端末で効果があります。
Wi-Fiアンテナを追加すると、アンテナの方向へと電波を強く飛ばせます。一方で、Wi-Fiアクセスポイントを増やせば、Wi-Fi信号の電波を広範囲に広げることが可能です。
ちなみに、Wi-Fiアンテナの追加やWi-Fiアクセスポイントの増設も、帯域そのものを広くするわけではありません。しかし、通信速度が安定するため結果としてPCやモバイル端末レベルでの速度アップにつながります。
【方法3】より高速の回線に乗り換える
前述した方法でも改善できない場合は、今よりもっと通信速度の速い回線への乗り換えも検討してみましょう。
プロバイダが公開している理論値をベースに、回線速度測定サイトなどでユーザーが実際に測定した実効速度を参考にしながら回線を選びます。
【法人向け】ネットワーク帯域を広くする方法
ここからは、社内ネットワークを利用している法人で試す価値のある帯域の広げ方と帯域の効率的な利用方法を4つ紹介します。
- 【方法1】高速なインターネット接続
- 【方法2】キャッシュサーバーの導入
- 【方法3】ロードバランサーの導入
- 【方法4】CDNの導入
とくに3番目の「ロードバランサーの導入」は、ネットワークを安定化してシステムダウンの予防にもつながることがポイントです。
では、ひとつずつ見ていきましょう。
【方法1】高速なインターネット接続
現在契約している回線より、より高速なインターネット接続サービスに乗り換えで契約すると、単純に帯域を広げることができます。
また、現在のプロバイダの契約内容を見直して、上位プランに変更するのもおすすめです。
【方法2】キャッシュサーバーの導入
キャッシュサーバーを導入すると、データ転送量を減らすことができるため帯域を確保できます。
キャッシュサーバーとは、インターネット上にあるサーバーのデータを一時的に保存しておき、同じデータにアクセスする際はその場所のデータを参照する装置です。
つまり、一度閲覧したデータを別の社員がアクセスしようとする場合、インターネット上のサーバーにアクセスする代わりにキャッシュサーバーを読み込むため、ダウンロードするデータの節約ができます。
【方法3】ロードバランサーの導入
ロードバランサーの仕組みによって、サーバーの故障やアクセス集中などが発生した際、安定したネットワークが維持できます。
日本語では「負荷分散装置」とも呼ばれており、アクセスが集中してサーバー内のCPUやメモリーに大きな負荷がかかると、複数のサーバーへ自動で振り分ける装置です。複数のインターネット回線を利用し、トラフィックの負荷を分散できるので、より多くの通信が可能になります。
【方法4】CDNの導入
コンテンツデリバリーネットワーク(CDN)を導入すると、Webサイトの読み込み速度を向上させ、帯域の使用状況の改善につながります。
オリジナルデータの保存されたサーバーからデータをコピーして、社内ネットワークに近い場所で保存しておきます。配信元であるサーバーにアクセスするよりもスピーディーにデータのやりとりが可能です。
ネットワーク帯域から見直すプロバイダ選びの3つのポイント
ここまで、ネットワークの帯域に注目して通信速度をアップする方法を紹介してきました。とりわけ、回線を見直すことは、非常に効果が高い方法です。
光回線のプロバイダは、通信速度に対してベストエフォート型と帯域保証型のふたつに大きく分かれます。
プロバイダのタイプの違いを踏まえた上で、プロバイダ選びの3つのポイントを紹介します。
- 【ポイント1】ベストエフォート型の回線速度は高速か
- 【ポイント2】帯域保証型を選んでいるか
- 【ポイント3】IPv6接続に対応しているか
とくに2番目の「帯域保証型を選んでいるか」は、高速かつ安定した通信速度を手に入れるために大切なポイントです。ひとつずつ解説します。
【ポイント1】ベストエフォート型の回線速度は高速か
ベストエフォート型は、理論的に考えられる最大値の通信速度で契約するタイプです。
環境によって実効速度にバラツキがあり、通信品質も不安定な点は注意したいですが、初期費用や料金プランが安価なメリットがあります。
たとえば、1Gbpsの帯域で契約した場合でも、最大の1Gbpsまで速度が出る可能性は低くなります。
ベストエフォート型の場合、基本的に帯域が広いプランほど回線速度も高速になりますので、契約している帯域が1Gbpsであれば、10Gbpsに変更するなど、より高速な回線速度を検討しましょう。
ただし、同じ10Gbpsでもプロバイダによって実効速度が異なります。回線速度測定サイトに投稿されている測定結果やユーザーレビューなどを参考にしながら慎重に選ぶことが大切です。
【ポイント2】帯域保証型を選んでいるか
帯域保証型は、契約した帯域の通信速度が必ず保証されるタイプです。ギャランティ型とも呼ばれています。
ベストエフォート型で通信速度に満足がいかない場合、コストはかかりますが帯域保証型がおすすめです。ベネフォート型で通信速度が出ない場合は、契約した帯域通りの安定した通信速度を実現する帯域保証型を検討しましょう。
以下の記事では、帯域保証とはベストエフォートとの違いも解説していますので、どちらにするか迷っている場合はぜひご確認ください。
【ポイント3】IPv6接続に対応しているか
現在IPv4を利用している場合は、IPv6接続に対応したプロバイダへの変更で、通信速度の改善が期待できます。
IPv6とは、インターネット接続の通信方式のひとつです。
現在普及しているのはIPv4ですが、より通信速度や安定した通信が維持できるIPv6が徐々に広がっています。
ただし、プロバイダによってはIPv6を提供していない場合があるほか、対応ルーターが限られているため、契約時にはしっかりと確認をしましょう。
また、社内のシステムがIPv6に対応しているかも重要です。
以下の記事ではIPv4とIPv6の違いも紹介しています。
まとめ:ネットワーク帯域の改善は帯域保証型のプロバイダ選びがポイント
現状の社内ネットワークで帯域の改善を試したものの、思うように効果が出なかった場合は、新しく法人向けプロバイダへの乗り換え契約がおすすめです。
安定したデータ通信で業務を行うには、帯域保証型(ギャランティ型)を選ぶことが大切です。
帯域保証型はコストが高いデメリットもありますが、通信速度が改善することで社内全体の効率化にもつながるので、費用対効果を調査した上で導入を検討しましょう。
たとえば、NUROアクセスは、下り最大10Gbps/2Gbpsで最低帯域10Mbps以上の帯域確保を装備したギャランティ型となっています。
品質や料金などのコスパに優れる法人向けプロバイダなので、ネットワーク帯域の改善を目指す場合はぜひお試しください。
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