クラウド AI 元SEママの情シスなりきりAWS奮闘記

AWSのBIツール「Amazon QuickSight」は、どう使える?

2023年7月4日掲載

こんにちは。シイノキです。パーソナルトレーニングの効果がすこーしずつ出てきたところで、お菓子を食べたい欲求と戦っています。糖と脂って、おいしいですよね。

さて、今回は「イベントって楽しいけど、疲れ具合がひどすぎる」と自分の体力低下を痛感したAWS Summit Tokyo 2023のレポート第2弾。「Amazon QuickSightでBI環境を統合する」のセッションについてまとめます。
Amazon QuickSightはAWSが提供するBIツール。名前はいろんなところでよく見かけ、気になっていた存在のひとつ。世の中ではデータ分析が注目され、BIツールなどの活用もどんどん進んでいますが、中堅~中小企業だと「うちには関係ない」と思っている企業も少なくなさそう……。でも、ちゃんと使えば便利なのがBIツールのはずです。このセッションではそんな企業のために、Amazon QuickSight入門編として、いろいろなニーズに幅広く対応する各種機能の概要が紹介されました。では早速、レポートしていきましょうー!

BIツールは導入しているのに、使われていない現状

まずはBIツールが求められる背景や、現状の課題から。最初に言われていたのは、やはりデータドリブンの重要性です。企業活動で生成されるデータは増え続けているし、そのデータを活かして、より早い意思決定や効率化、新しいビジネスチャンスの発掘などにつなげていかないといけない、と。そうしないと競争に勝てない時代がきているということですね。そしてその「データを活かす」ためのツールがBI、というわけです。

一方、もちろん企業もBIツールを使っていないことはなく、むしろいっぱい入れてる。組織で使っているBIツールはなんと平均4つ!しかも25%の企業は10個も使っている!そんなに?!という気はしますが、部署ごとに違うツールを使っていて、社内でBIツールが乱立しているケースはやっぱりよく聞きますし、それでなんかうまくいかない、というのもありがち……。

しかも、これだけの投資をしていても、日々のビジネス決定にBIを活用しているのは20%未満に留まるというデータもあり、10年近く変わってないのだとか。もったいないにもほどがある。

じゃあ、なんでこんな状況になっているかというと、データ形式が増えて複雑化していることに加え、使う側のニーズも多様化していることが挙げられます。シンプルに分析したいアナリスト、アクションすべきタイミングを知りたい経営者、レポートを定期配信したいオペレータ……それぞれのニーズに対応しようとした結果、BIツールが乱立してしまう、ということですね。

情シスは大変、現場はカオス。乱立するBIツールがもたらす課題

続いては、こういったBIツールの現状について課題を紐解いていきます。

まずは情報システム部門サイド。BIツールを導入するたびに、データ接続し、モデリングし……と手間がかかり、しかもツールによって仕組みが違う。ガバナンスの問題もあり、学習コストもばかになりません。さらには、別途、社員から「このデータを見たい」と頼まれて、調査して、SQL文書いて対応して……と面倒は尽きません。大変すぎる。

じゃあ、BIツールを使っている社員側はというと、いろんなツール、いろんなバージョンが社内に存在していて、組織・チーム・ユーザごとに同じような分析を違うツールでやって、違うアウトプットをしている状況が見えてきます。それぞれデータ収集のタイミングや集計の方法によって微妙にデータが違い、どれが最新か分からなくて、矛盾していて、違うところで同じ作業をしている……といった感じ。カオスすぎる。ここまでではなくても、うっすらと思い当たるところがある企業も多いのではないでしょうか。

もうひとつついでに、データ関連で必要になるのがレポート。これもせっせとExcelで作るのは手間がかかるし、かといってレポート作成ツールは高額でコスパが悪い。ここもどうにかしたい、というのが課題になる、ということでした。

さまざまなニーズに応えるBIツール「Amazon QuickSight」

こういった、立場ごとのBIツールの課題を解消し、さまざまなニーズに応えた使い方ができるのが、Amazon QuickSight、というわけです。同じインターフェース、同じデータソースの共通プラットフォームから、いろいろなダッシュボードを簡単に作れるので、情報システム部門は複数のBIツールを管理しなくてよくなり、AWSの環境だけ管理すればいい。しかも、Amazon QuickSightはサーバーレスなので、自動スケーリング、自動アップデートで、システム監視だってAWSにお任せできちゃう。データや権限の管理だけすればOK、となります。

ついでに、2022年11月には「ページネイテッドレポート」という機能がリリースされ、レポート作成にも対応。もちろん従量課金でコストを抑えて使えて、レポート作成ツールに代わるものとして期待されます。

要は、Amazon QuickSightでなんでもできるから、社内の「統合されたBIサービス」として使いましょう、というメッセージ、ですね。

<使い方1>インタラクティブ・ダッシュボード 

ではここからは具体的な使い方です。まずはダッシュボード。ダッシュボードは「すぐに作れるか」「みんなが使えるか」が課題ですが、Amazon QuickSightならだれでも簡単に作れて、機械学習まで使えることが特長です。

ブラウザ上で要素をドラッグ&ドロップするだけで作成できて、ドリルダウンやフィルタを追加すれば、インタラクティブな分析も可能。数クリックで共有できて、もちろん常に最新のデータが表示されます。

データソースとしては、AWS内のサービスだけじゃなく、オンプレミスのデータへのアクセスもOK。ExcelやCSVをアップロードすることもでき、サードパーティのデータにも対応します。ちなみに、機械学習は、異常検知や予測あたりに使えるのだとか。

そしてこれらを支えるのが「SPICE」という高速なインメモリデータベース。これで高速な操作を実現しています。こういうのも特別な管理なしで使えるのは魅力的です。

ちなみに、ダッシュボードを作成する「Author」の費用はひとりあたりの月額定額で18USD(Enterprise Edition、年間サブスクリプションの場合、2023年6月現在)。閲覧するだけの「Reader」はユーザ登録だけなら無料で、閲覧するごとに従量課金されます。こちらは1セッションあたり0.3USDで、最大でも月5USD/ユーザ(Enterprise Edition、2023年6月現在)。どれだけ使っても最大が決まっているのはちょっと安心ですね。

セッションでは実際に売上データを分析するダッシュボードを作成するデモが紹介されました。時系列折れ線グラフやピボットテーブル、さらに予測の追加まで、必要な項目をドラッグ&ドロップしていくだけでダッシュボードが完成していきます。これを公開して、ユーザを招待するところまですべてブラウザ上で完結。見ている限りでは「私もできそう」と思える印象でした。

<使い方2>定型レポート

では、続いて定型レポートです。ダッシュボードがあるなら、みんなでそれを見ればいいんじゃない?と思いますが、上司からは「キーになるポイントだけをレポートにまとめてほしい」とリクエストがくるもの。デスヨネー。

Amazon QuickSightなら、インタラクティブ・ダッシュボードと同じ画面で、レポート作成もできちゃう。さらに定期的にレポートを配信することもできます。

これを実現するのが、上でもチラッと紹介した「ページネイテッドレポート」機能ですが、要は「ページネイテッド」……ページ化したレポートで、用紙サイズや向きを指定して、ページに収まるようにレイアウトしたレポートを作れる、という機能です。テーブルなど1ページに収まらないものは、複数ページに分けられて、ヘッダーやフッターを入れることも可能。生成したデータは1年分保存され、過去のデータを閲覧することもできます。

こちらもデモがあり、先ほど作ったダッシュボードからピボットテーブルをレポートとして定期配信するまでの流れが紹介されました。対象を選んで、用紙のサイズや向きを指定して、ヘッダーなどを設定して、フォーマットを整えるだけで完了です。

<使い方3>アプリケーションへの埋め込み

最後は、「アプリケーションへの埋め込み」です。要は、業務アプリケーションとか、社内用ポータルサイトとか、すでにある外部サイトなどにダッシュボードを埋め込みたい、というケース。ニーズがあるのは分かります。

Amazon QuickSightだと、これにも対応。インタラクティブ・ダッシュボードを埋め込むことができます。グラフや表はもちろんですが、データセット作成、ダッシュボード作成などのコンソールごと埋め込むこともできるのだとか。

さらには、匿名ユーザにダッシュボードを公開する、パブリック埋め込みにも対応。自社が持つデータを広く公開したい、みたいなケースで使うイメージですかね。

これらは「1-Click埋め込み」というのがありまして、専用リンクをコピーして、埋め込む先のアプリケーション側にペーストするだけ。まぁ、埋め込む先でどう表現するかとか、どこに入れるかとか、もちろん調整は必要になるんでしょうが、「必要なデータをとってきてグラフとかで表現する」「何ならそれをドリルダウンできるようにする」って、いざ作り込むとなると相当な開発工数がかかるはず。かなり便利な機能なのではないでしょうか。

ちなみに、社内認証とSSOで連携することも可能、というのも付け加えておきます。

メリットの多いAmazon QuickSight、まずはデモ環境を試して

今回のセッションでは、Amazon QuickSightは「あらゆるユーザのニーズに対応できるBIツール」ということで、さまざまな機能・利用方法が紹介されました。サーバーレスで、オートスケーリングできて、従量課金、システム管理に時間を割かずにビジネスに注力できる、というメリットも大きいでしょう。

Amazon QuickSightはDemo Centralという実際に触れる環境も公開しているということなので、一度こういうところを触って試してみるのもいいかもしれません。以上、シイノキでした!

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