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PPPoEとIPoEの違いは?それぞれの特徴とIPv6でとるべき接続方式を解説

PPPoEとIPoEの違いは?それぞれの特徴とIPv6でとるべき接続方式を解説

企業の情報システム担当者にとって、インターネット接続方式の選択は業務効率やセキュリティに直結する重要な判断です。本記事では、PPPoEとIPoEという2つの主要な接続方式の違いを詳しく解説し、IPv6時代に適した接続方式の選び方をご紹介します。通信速度や遅延の問題でお悩みの企業にとって、最適な接続環境を構築するための参考になる情報をお伝えします。

事例の課題やよくいただくご相談を基に、サービスの活用方法をご紹介します。

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PPPoEとIPoEの違い

PPPoEとIPoEは、どちらもインターネット接続に使用される通信プロトコルですが、その仕組みや特徴には大きな違いがあります。企業の通信環境を構築する際には、それぞれの特性を理解した上で適切な選択を行うことが必要です。

PPPoEの仕組み

PPPoE(Point-to-Point Protocol over Ethernet)は、イーサネット上でダイヤルアップ接続のような認証プロセスを実現する接続方式です。PPPoE接続では、インターネット接続の度にプロバイダーとの間でセッションの確立を行い、ユーザー認証を経てから通信を開始します

具体的には、まずPADI(PPPoE Active Discovery Initiation)パケットを送信して接続相手を探索し、PADO・PADR・PADSと呼ばれる応答と要求を経てセッションを確立します。その後、PPPプロトコルの認証方式(CHAPやPAPなど)によってユーザーIDとパスワードで認証され、はじめてインターネット通信が可能となります。

これによりISP(インターネットサービスプロバイダー)がセッションごとにユーザーを識別できるため、サービス提供やネットワーク制御、課金管理などを柔軟に運用することができます。PPPoEは従来のIPv4環境で広く使用されてきた接続方式であり、多くの企業で採用されています。

IPoEの仕組み

IPoE(Internet Protocol over Ethernet)は、イーサネット上でIPパケットを直接送信する接続方式です。IPoE接続では、ユーザー側での認証操作は必要なく、ONUなどの回線終端装置に割り当てられた識別情報をもとに、ISP側で認証が行われます。その後、RA(Router Advertisement)やDHCPv6-PD(Prefix Delegation)でIPv6アドレスが自動設定されます

この方式の最大の特徴は、IPv6に最適化されている点です。 IPv6の通信をIPoE方式で行う「IPv6(IPoE)」では網終端装置を経由する必要がありません。そのため、PPPoE接続に比べ通信の遅延少なく、安定した通信環境を実現できます。

PPPoE接続とIPoE接続の実効速度の違い

企業の業務効率に直結する通信速度と遅延について、PPPoE接続とIPoE接続の具体的な違いを詳しく解析します。特に、リアルタイム性が求められる業務やクラウドサービスの利用において、この違いは重要な判断材料となります。

PPPoE接続とIPoE接続の速度差の主な要因

PPPoE接続とIPoE接続の速度差の主要因は、網終端装置(BRAS)の存在の有無にあります。PPPoE接続では、全ての通信がプロバイダーの網終端装置を経由するため、この部分がボトルネックとなり、結果として、多くのユーザーの利用が集中する時間帯には、通信速度が低下してしまうことがあります。

一方、IPoE接続では網終端装置を経由せず、前述のとおり、直接インターネットへ接続するため、このようなボトルネックが発生しにくい構造となっています。結果として、時間帯による速度変動が少なく、安定した通信環境を維持できる傾向があります。

PPPoE接続とIPoE接続の速度測定

実際の通信環境では、IPoE接続はPPPoE接続と比較して2〜3倍以上の速度向上が期待できる場合があります。ただし、この数値は利用環境や時間帯によって大きく変動するため、導入前の環境調査が必要です。

遅延(ping値)についても、IPoE接続の方が優秀な結果を示すことが多く、リアルタイム性が求められるWeb会議やクラウドアプリケーションの利用において、体感的な改善が期待できます。

以下の表は、一般的な測定結果の比較例です。

 
項目 PPPoE IPoE
平均ダウンロード速度 50-100Mbps 200-500Mbps
平均遅延時間 20-50ms 10-20ms
夜間速度低下 顕著 軽微

表はスライドできます

IPv6対応における接続方式の選び方

IPv6への移行が進む現在、企業の情報システム担当者は将来性を考慮した接続方式の選択が求められています。ここでは、IPv6環境での各接続方式の特徴と、企業環境での推奨事項について詳しく解説します。

IPv4 over IPv6技術の活用

現在多くの企業で課題となっているのは、IPv6環境でのIPv4サイトへのアクセス方法です。この問題を解決するために、MAP-EやDS-Liteといった「IPv4 over IPv6」技術が開発されています。

MAP-E方式では、各ユーザーに割り当てられたIPv4アドレスとポート番号を利用し、IPv6パケット内にIPv4パケットをカプセル化して通信します。これにより、IPv6接続でありながらIPv4サイトへのアクセスが可能になります。 ただし、前述のとおり、利用可能なポート番号やポート数に制限があるため、大規模な企業環境では注意が必要です。

DS-Lite方式は、ユーザー側の端末やルーターで発生したIPv4通信をIPv6パケットにカプセル化(IP-in-IP)し、IPv6網の中を通す方式です。プロバイダー側の設備でカプセルを外してNAT変換などの処理を行い、インターネットのIPv4ネットワークと通信します。多くの対応ルーターでは初期設定が自動化されており、ユーザー側での設定が簡単になる特徴があります。

企業環境での推奨接続方式

企業環境での接続方式選択において、現在はIPoE接続とIPv4 over IPv6の組み合わせが推奨されています。この組み合わせにより、高速通信と既存システムとの互換性を両立できます。

ただし、セキュリティ要件の高い企業では、IPoE接続のユーザー操作不要な認証特性(セッション単位の認証や個別認証を持たないこと)による追加対策が不可欠です。ファイアウォールの強化や、VPNの活用など、総合的なセキュリティ対策の見直しが求められます。

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まとめ

PPPoEとIPoEの違いを理解することは、企業の通信環境を最適化する上で重要な要素です。

現在のインターネット環境では、通信速度向上やアドレス枯渇対策の観点からIPv6対応とIPoE接続が推奨されますが、企業のセキュリティ要件や既存システムとの互換性を十分に検討した上で選択することが重要です。通信速度の改善や業務効率の向上を図りたい企業は、自社の要件に合わせて適切な接続方式を選択し、必要に応じて追加のセキュリティ対策を講じることで、最適な通信環境を構築できるでしょう。

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IPv4 over IPv6とは?どんなメリットがある?

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