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品質管理の3つの工程と7つの手法を解説!品質保証との違いとは?

「自社の製品やサービスの品質が、顧客のニーズを満たせているかわからない」
「実際、どのように品質を管理すればいいかわからない」
このような悩みを持っていませんか?

品質管理は企業成長のカギとなりますが、その方法をイメージできない人も多いかもしれません。

そこで本記事では、品質管理の基本的な内容から具体的な手法について詳しく解説していきます。品質管理にAIを活用した方がいい理由もお伝えするので、初めて品質管理に取り組む人はもちろん、すでに取り組んでいて効果を高めたい人も、ぜひ参考にしてください。

事例の課題やよくいただくご相談を基に、サービスの活用方法をご紹介します。

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品質管理とは?

品質管理とは、製品やサービスの品質を保証するためのプロセスを指します。製造業において使用される場合が多く、品質管理を行うことで不良品や製造過程でのエラーを早期に発見し、対策を立てることが可能です。

品質管理は、主に以下の3つの要素で構成されています。

  • 工程管理:各工程を検査する
  • 品質検証:製品が基準を満たしているかチェックする
  • 品質改善:不具合の特定や原因の究明、トラブルの再発防止などを考える

上記の工程を実施することで、製品やサービスの品質を一貫して維持・向上させられます(各工程の詳細は次章でお伝えします)。

品質保証との違い

品質管理と品質保証はどちらも製品の品質に関する言葉なので混同されやすいですが、明確な違いがあります。

主な違いは主に対応範囲です。

品質管理は原材料の調達から販売までの品質をカバーします。つまり、製品完成時までが対応範囲です。

一方で、品質保証は製品が市場に流通した後の品質も保証します。アフターサポートやクレーム対応も範囲となるため、品質保証の方が業務範囲が広いと言えるでしょう。

品質管理の規格・資格

品質管理には「ISO(アイエスオー/イソ)9001」という規格があり、現在では全世界で100万以上の組織が取得している世界的な基準です。ISO規格を取得していることは「同じ品質やレベルで製品やサービスを提供できること」を意味し、国際的な取り引きをスムーズに進めるためのひとつの指標となります。

また品質管理には、以下のような民間の資格もあるのが特徴です。

表はスライドできます

品質管理民間の資格
資格名 内容
品質管理検定(QC検定) 日本規格協会グループが主催する資格で、品質管理に関する基本的な知識と技術を証明。1~4級までのレベルがあり、毎年3月と9月の2回実施している。
信頼性技術者資格認定制度(JCRE) 信頼性技術の基礎知識と評価・改善するための技術力の有無を証明。初級・中級・上級の3段階に分かれている。
R-Map実践技術者認定制度 ソフトウェア開発のリスク管理に関する知識と技術を証明。初級・中級・上級の3段階に分かれている。

品質管理においてISO規格や民間資格を所持していることは、信頼性や透明性の確保、顧客満足度の向上、さらには企業の競争力向上にも影響を与えるでしょう。

品質管理に求められる素養

品質管理の担当者には、以下のような素養が求められます。

  • 数字に苦手意識がない
  • リスクマネジメント能力
  • コミュニケーション能力

まず「数字に対する苦手意識がない」ことです。品質管理では、数値データを解析し、品質改善のための具体的な行動を立案する必要があります。統計的なデータ分析が得意であり、論理的な思考を持つ人材であれば望ましいでしょう。

次に「リスクマネジメント能力」が必要です。品質管理のエキスパートとして、予期しないトラブルや問題が発生した場合にも冷静に対処し、適切に対策を立てなければなりません。

さらに、「コミュニケーション能力」も非常に重要です。品質管理では、製品開発や製造部門、営業部門と連携を取ることが頻繁にあります。加えて、お客様への対応が必要になるケースもあるため、スムーズにコミュニケーションを取る力も欠かせません。

品質管理の3つの構成要素

品質管理は、以下の3つの要素から構成されています。

  • 工程管理
  • 品質検証
  • 品質改善

それぞれ見ていきましょう。

工程管理

工程管理とは、計画された目標と実際の進捗を比較し、そのギャップを特定し改善することです。労働に関わる人や資材、設備等を管理し、効率的に運用します。

具体的には、

  • 誰がいつ作業を担当しても同じ品質で製造できるよう、作業手順をまとめる
  • 研修やスタッフの教育を実施する
  • 設備の点検や管理を行う

などが挙げられます。

品質検証

品質検証とは、製品や原材料、製造工程を確認し、品質を保証することです。具体的には、下記のようなポイントをチェックします。

  • 完成した製品が一定の品質を満たしているか
  • 原材料や部品などに異常はないか
  • 生産ラインの工程は問題ないか

品質検証は、顧客への信頼を保ち、製品を持続的に改良するための重要な工程です。

品質改善

品質改善とは、不良品が出てきたときの改善策を考えることです。再発防止策だけではなく、将来的に発生する可能性がある問題を未然に防ぐための予防策を検討することも大切な業務です。

品質改善では、なぜ不具合が発生したかのデータを収集・分析し、その結果をもとに再発防止策や予防策を考えます。

品質管理のための具体的な考え方・手法

品質管理には多くの考え方や手法があり、組織やプロジェクトに合わせて選択する必要があります。ここでは押さえておきたい7つの手法をご紹介します。

  • PDCAサイクル
  • QC七つ道具
  • 5S
  • 4M
  • IE
  • TQC・TQM
  • ツール導入

上記7つの詳細は以下の通りです。

PDCAサイクル

PDCAサイクルは、計画(Plan)、実行(Do)、評価(Check)、改善(Action)の4つの頭文字を取った略語で、これらのプロセスを繰り返して成果を出そうとする方法です。

1950年代に、品質管理の第一人者であるウィリアム・エドワーズ・デミング博士が提唱し、製造業の品質管理で導入されました。現在では品質管理だけにとどまらず、幅広いビジネスの場でPDCAサイクルが利用されています。

PDCAサイクルを繰り返すことで、目標達成までの道筋が可視化され、品質管理における課題を改善し続けられます。

QC七つ道具

QC七つ道具とは、統計的なデータ分析を実施して、品質管理を定量的に分析する方法のこと。QCは品質管理を英語にした「Quality Control(クオリティーコントロール)」の頭文字です。

七つ道具とは、下記の分析ツールを指します。

表はスライドできます

七つ道具
名称 内容
グラフ 数値データのパターン、トレンド、比較を視覚的に描写する方法。棒グラフ、折れ線グラフ、レーダーチャートなどが該当する。
チェックシート 事前に決めた項目ごとにチェック&記録する方法。適正に実行できれば、正しいデータが収集できる。
パレート図 棒グラフと折れ線グラフを合わせたグラフのこと。何から改善すればいいか、優先順位を決めるときに便利。
ヒストグラム 特定のデータを区間ごとに区切り、個数や数値を集計した棒グラフ。データの分布を可視化でき、平均やばらつきを把握できる。
特性要因図 結果と要因の因果関係を可視化した図。「魚の骨図」や「石川ダイアグラム」とも呼ばれる。
散布図 関係性のある2つのデータを、点を打って分布を表した図。2つのデータに関連性があるかを確認できる。
管理図 各工程のデータを時系列で表示した折れ線グラフ。工程ごとに異常がないか確認できる。

それぞれの道具は、目的によって使い分けます。たとえば、解決すべき問題の優先順位を決めたいならパレート図、問題の原因を特定したいなら特性要因図といった具合です。

5S

5Sとは、品質管理において重要な5つの要素の総称です。

表はスライドできます

品質管理重要な5つの要素の総称
5つの要素 内容
整理 しっかりと分別して不要なものを捨てること
整頓 必要なものをすぐに取り出せるように保管すること
清掃 空間や設備を掃除して点検すること
清潔 きれいで整理整頓された状態を保つこと
しつけ 清潔な状態を保てるようにルールを定めて周知すること

品質管理に5Sを導入することで、品質・生産性・安全性の向上や、人的ミスの削減につながります。

4M

4Mは品質管理を実施するために、必要な4つの要素のことです。

表はスライドできます

品質管理を実施するために必要な4つの要素
項目 内容
人(Man) 現場の担当者やスタッフのことで、4Mの中で最も重要とされている。担当者のスキルや適性、勤務状況、モラル、モチベーション、人的リソースを考慮する必要がある。
機械(Machine) 製造現場における機械や設備のこと。適切な機械を導入しているか確認するとともに、メンテナンスや点検、レイアウトも重要。
材料(Material) 製品をつくるために必要な原材料や部品のこと。仕入れ先の選定や在庫確認、欠陥品・不足品のチェックも実施する。
方法(Method) 製品をつくる方法のこと。決められた手順で進めることが大切なため、マニュアル作成&見直しを行う。

上記の4つの単語の頭文字をとって「4M」です。各要素に分類することで、漏れや重複なく状況を分析できるため、課題発見や改善に役立てられます。

IE

IEとは「Industrial Engineering(インダストリアルエンジニアリング)」の略称で、生産現場の効率化を追及する方法のことです。このアプローチは、トヨタの現場や工場で採用されており、どの担当者が作業しても同じ時間で同じ品質の製品を作れる状態を目指します。

作業の均一化が進めば、業務の属人化や作業上の無駄の解消につながり、生産性を最大化できます。

TQC・TQM

TQCとは「Total Quality Control(トータルクォリティーコントロール)」の略称で全社的品質管理のこと、TQMとは「Total Quality Management(トータルクォリティーマネージメント)」の略称で総合品質管理のことです。

どちらも、部門を超えて会社全体で品質管理に取り組む重要性を説いています。

両者の違いは、品質管理を行ううえで主体となる人物にあります。TQCでは現場の従業員を主体としていますが、TQMでは経営陣が主体です。言い換えると「現場視点」か「全社的な視点」の違いに過ぎません。

TQCを発展させたのがTQMであり、現在主流となっているのは経営陣を主体として品質を管理するTQMです。品質管理は、現場だけでなく経営的な視点も取り入れながら進めていく必要があります。

ツール導入

品質管理のパフォーマンスを向上させるためには、ITツールの導入も有効です。ITツールを活用することで、業務効率の向上と人的ミスの防止につながります。

たとえば、ITツールを使用することで、品質管理プロセスの自動化やデータの迅速な分析が可能です。その結果として作業時間の短縮や生産性の向上が実現できます。

また、ITツールの利用は、人手によるミスやヒューマンエラーを最小限に抑えられることもメリットです。データの正確性や一貫性が向上し、品質管理の精度が高まります。

ただし、ITツールの導入を成功させるためには、適切なツールの選択と導入計画の策定が欠かせません。ITツールを導入する際は、自社の課題とツールを導入する目的を明確にしておきましょう。

品質管理とAIの相性がいい理由

品質管理は、AIツールとの親和性が非常に高いことをご存じですか?品質管理とAIの相性が良い理由は「人間の目視を自動化ができるから」「データ分析ができるから」の2点です。

品質管理にツールを導入しても、最終的には人間が検査することが多いため、人的ミスの発生を防ぎきれません。どんなに優れた人でも、健康状態や集中度によるミスは起こってしまうものです。

しかし、AIなら人間による最終検査も任せられるため、人的ミスを防止できます。特に専門的なスキルを必要とする品質検査作業では、専門的なトレーニングを受けた人材が不足している場合も多いでしょう。AIを導入すれば、このような人材不足も解消できます。

また、品質管理や生産管理で蓄積されたデータは、AIを使用して分析できます。多くのデータをAIに読み込ませることで、精度の高い分析結果を出せるため、品質改善につながる施策を打てるようになります。

具体的な品質管理におけるAIの活用方法については、以下の記事で詳しく解説していますのでぜひご覧ください。

まとめ:品質管理を効率的に実施するにはAI導入がおすすめ

品質管理は、製品やサービスの品質を保つための重要なプロセスであり、生産管理の核心部分をなす要素です。

主に以下の3つから構成されていて、各工程のパフォーマンスを向上させることで全体が改善されます。

  • 工程管理:各工程を検査する
  • 品質検証:製品が基準を満たしているかチェックする
  • 品質改善:不具合の特定や原因究明、トラブル再発防止などを考える

また、品質管理はAIを活用したITツールの活用により効果的に進めることができるため、導入を検討してみてはいかがでしょうか。

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