ネットワーク セキュリティ

固定IPアドレスを法人が利用すべき理由とは?メリットと活用例も解説!

リモートワークの推進やワークスタイルの多様化によって、業務上、社外から社内ネットワークへアクセスする機会が増加している傾向です。それに従って、VPNを利用できる固定IPアドレスへの需要が高まっています。この記事では、IT・情報システム部門の管理者に向け、固定IPアドレスの概要や利用するメリット・デメリット、活用例について解説します。

事例の課題やよくいただくご相談を基に、サービスの活用方法をご紹介します。

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IPアドレスとは何か

IPアドレスとは、ネットワーク上で通信先の相手を識別するために必要となる情報です。
IPアドレスにはIPv4とIPv6と二つの規格がありますが、本コラムではIPアドレス = IPv4アドレスとして解説をします。

IPアドレスには「グローバルIPアドレス」と「プライベートIPアドレス」が存在します。インターネットで使用するのは、通信キャリアから割り振られる「グローバルIPアドレス」で、グローバルIPアドレスはインターネット上の住所のようなものといえます。

またIPアドレスは、さらに、「動的IPアドレス(変動IPアドレス)」と「静的IPアドレス(固定IPアドレス)」に分かれます。

動的IPアドレスとは?

IPアドレスが常に変動することが動的IPアドレスの特徴で、インターネットに接続する度にIPアドレスが付与される仕組みです。パソコンやルーターなどの端末を再起動してインターネットに再接続したときにIPアドレスが変わりやすいですが、端末の使用中でも変わる場合があります。

Webサイトの閲覧やメールの送受信などをするうえでは、IPアドレスが変動しても問題ありません。しかし、ファイルサーバーやWebサーバーのような外部ネットワークと接続するサービスを運用している場合、IPアドレスが変わると、ユーザーがアクセスできなくなってしまいます。

1.静的IPアドレス(固定IPアドレス)とは?

IPアドレスが変動せず、ずっと同じIPアドレスのままで利用できることが、固定IPアドレスの特徴です。インターネットが切断された後に再接続した場合でもIPアドレスが変わらないため、外部からいつでもアクセスできます。

固定IPアドレスが複数あれば複数の機器や端末の特定が可能です。そのため、外部からアクセスする機器(サーバーや複合機など)にそれぞれの固定IPを用意すると便利に使えます。

表はスライドできます

動的IPアドレスとは?
グローバルIPアドレス 動的IPアドレス
静的(固定)IPアドレス
プライベートIPアドレス 動的IPアドレス
静的(固定)IPアドレス

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法人が固定IPアドレスを利用する4つのメリット

固定グローバルIPアドレスを利用する主なメリットとして、以下の4つが挙げられます。

1.社外から社内ネットワークのデータなどにアクセスできる
2.自社サーバーを構築できる
3.VPN(Virtual Private Network)を構築できる
4.セキュリティの強化につながる

それぞれのメリットについて、以下で解説します。

1.社外から社内ネットワークのデータなどにアクセスできる

主な社内ネットワークには、ファイル共有やデータのパックアップのために使用するファイルサーバーがあり、一般的に社内LAN環境からのみアクセスが可能です。

しかし、固定IPアドレスを利用していれば、支社や出張所、取引先や出張先など、外部からファイルサーバーなどにアクセスできるようになります。また、ネットワークカメラなどのIoT機器にも、社外からアクセスが可能です。

2.自社サーバーを構築できる

自社サーバーを中心に社内ネットワークを構築し、社内ファイル共有サーバーとして利用することによって、業務に必要なファイルなどに素早くアクセスできるなど、業務を効率化できます。自社サーバー構築は、レンタルサーバーに付随する制約やセキュリティリスクの解消につながります。また、自社サーバーをインターネット上に公開することによって、Webサイトなど独自のWebサービスを公開することも可能です。

さらに、固定IPアドレスを複数取得すれば、複数の自社サーバーを構築することもできるようになります。

3.VPNを構築できる

VPN(Virtual Private Network)とは、仮想的な専用回線を意味します。インターネットを介してアクセスする複数の端末間にVPNを構築することによって、離れた拠点間でも接続が可能です。

VPNを構築すれば、悪意ある第三者からの不正アクセスや不正な操作、情報漏えいなどの抑止につながります。物理的な専用回線と比較して割安で利用できる点も、VPNのメリットです。

4.セキュリティを強化できる

固定IPアドレスを取得することによって、社外秘のファイルサーバーなどに、特定のIPアドレス以外からのアクセスを禁止する設定ができるようになります。

例えば、クラウドサービスの認証において、オフィスからのアクセスのみ許可して、自宅などのオフィス以外のネットワークからのアクセスを拒否し、情報資産にアクセスできる環境を制限する、というような使われ方をします。

また取引先企業によっては、上記対策を実施しており、取引先企業が準備するクラウドストレージなどに固定IPがないとアクセスできない場合もあります。

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固定IPアドレスを活用する3つの方法

主に、以下3つの活用法があります。

1. インターネットVPNに活用
2. 公開サーバーを設置しビジネスなどに活用
3.Webカメラによる遠隔監視の強化に活用

1.インターネットVPNに活用

固定IPアドレスがあれば、VPNルーターを導入し、自宅やコワーキングスペースなどの社外のネットワークから社内ネットワークにアクセスし、共有ファイルサーバーなどにアクセスすることができます。
またVPNに接続した状態で外部サイトにアクセスする場合、社内ネットワークから外部にアクセスするのと同じ環境になり、IP制限のかかったクラウドサービスなどの利用も可能です。

2.公開サーバーを設置しビジネスなどに活用

固定IPアドレスを公開サーバーに割り当てることによって、インターネットを介して誰でもそのサーバーにアクセスできるようになります。
Webサーバーを公開し、Webサイトをインターネットに公開することも可能ですし、基幹システムを構築し、IP制限などの認証を設けて、公開することも可能です。

3.Webカメラによる遠隔監視の強化に活用

Webカメラに固定IPアドレスを設定することによって、離れた拠点間の映像をインターネット経由で確認できるようになります。たとえば、本社と支社、営業所などの間で、リアルタイムに映像を共有することが可能です。逆に、社外からも社内の様子などを監視することができます。

固定IPアドレスをどこで申し込めばよいか

固定グローバルIPアドレスを利用するためには、ISP(インターネットサービスプロバイダー)か通信サービス業者への申し込みが必要です。

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まとめ

固定グローバルIPアドレスを取得すれば社外から社内ネットワークへのアクセス、自社サーバー構築、VPN構築、アクセス制限の設定によるセキュリティ対策ができます。

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