テレビ番組制作現場の働き方改革を、
システムはどう支援できるか?
AWS移行で目指す、新たなシステム基盤
株式会社ytv Nextry様(社内システム)
広告・放送・出版 AWSの活用・環境構築がしたい 100-500名
お客様プロフィール
- 会社名
- 株式会社ytv Nextry
- 本社所在地
- 大阪市中央区城見1-3-50
- 設立
- 1970年7月1日
- 資本金
- 1000万円
- 従業員数
- ~500名
- 事業内容
- 放送業
西日本最大規模の映像プロダクションとして、企画から撮影、編集、音響効果、MAまで一貫して手掛ける。先進的な機材を用い、バラエティー番組やスポーツ番組から報道、ドキュメンタリー、イベントなど映像制作のあらゆるニーズに対応。数多くの現場で技術協力を行ってきた。ドローン撮影やVRなど新たな技術にも積極的に取り組んでいる。
働き方改革を支える社内システム基盤を目指す
映像プロダクションとしてテレビ番組・CMの企画・制作から、企業の動画制作、イベント中継など幅広く手掛ける株式会社ytv Nextry。
テレビ番組制作の現場にも働き方改革の波が押し寄せている。同社では、不規則で長時間労働になりやすい社員の業務をシステムでサポートすべく、第一歩としてシステムをAWSに移行し、拠点間ネットワークや閉域SIMまであわせて導入。セキュリティ対策を整えるとともに、社外からも社内システムに簡単にアクセスできる体制を実現し、働き方改革を進める基盤づくりに成功した。
この大きな改革のきっかけとなったのが、本社の移転である。オンプレミスで運用していたサーバの更改時期が近づいていたこともあり、移転を機に将来まで見据えた社内システム基盤を整備したいと考えたのだ。「従来は社内のサーバルームで運用していました。オンプレミスの更改も検討しましたが、災害時の事業継続(BCP対策)まで含めて考え、クラウドにチャレンジしようということになりました。ですが、弊社の規模では『クラウドにしたら絶対にコストが削減できる』とは言えません。イニシャルコストとランニングコストのバランスも大きく変わるため、どう社内を説得するかが課題でした(中澤氏)」
実際に、社内からは今まで通りでよいのではないかという意見もあったが、コストを試算した資料をベースに、メンテナンスの手間や電気代まで含めればメリットが大きいと説得を重ねた。最終的には拠点間のネットワークからAWS Direct Connectまで一元化できる点も後押しとなり、ソニービズネットワークスの「マネージドクラウド with AWS」導入を決断した。
基幹システムなどをAWSへほぼ全面移行
基幹系・業務系システム・グループウェアなどをすべてAWSに移行した結果、現在はオンプレミスのサーバが1台(Active Directory)残るのみだ。「基幹系システムは、販売管理から会計・勤怠まで一式そろったものです。業界的に勤怠や会計がかなり特殊なため、パッケージ製品が使えず、スクラッチ開発したシステムを利用しています。WebアプリケーションサーバとDBをつないだ構成ですが、今回は短期間での移行のためスピードを優先し、AmazonRDSではなく、EC2インスタンス上にDBを構築する形で移行しました(布野氏)」
2019年3月に移行を完了し、7月にいよいよ本社移転を迎えることに。「引っ越しの間も業務を絶対に止めないようにと言われていました。オンプレミスだったら、サーバの停止や移動のタイミングなど調整がかなり大変だったと思いますが、AWSに移行したことで、ほとんど手間はかかりませんでした。事前に『この日時にネットワークを新社屋に切り替えてください』とソニービズネットワークスにメールして終わりです(布野氏)」移転だけでなくBCP対策としてもネットワークまでワンストップで管理できるメリットは大きい。通常は、AWS環境は社内からのアクセスに限定しているが、災害時などはポート設定を変えるだけで、自宅などどこからでもアクセスできるようになる。「ネットワークの設定も、運用管理ツール『クラウドポータル』※で簡単に変更できます。ネットワークまで含めてソニービズネットワークスに任せたことのメリットは想像以上に大きいと感じています(布野氏)」
さらに、AWSへの移行とあわせてOffice 365を導入。AWS上にActive Directoryのセカンダリサーバを構築することで、Office365と連携したシングルサインオンを実現した。今後はさらにグループウェアや基幹系システムまで含めた全体のシングルサインオン化を検討していくという。
- ※マネージドクラウド with AWSが提供する運用管理ツール。AWSからネットワーク、閉域SIMまでソニービズネットワークスが提供するサービスを一元管理・可視化できる
『ノーステップ接続』が現場社員から好評な閉域SIM
もうひとつ、閉域SIMを提供する「モバイル閉域アクセス」も働き方改革に大きく貢献している。ロケなどで外出することの多い制作部門に対し、SIMスロット搭載PCと閉域SIMをセットで支給している。
「これまではポケットWi-Fiを貸し出していましたが、インターネットに接続できてもメールを確認できる程度で、社内のファイルサーバやシステムは使えませんでした。外出先でセキュアな接続を実現するとなると、まずインターネットに接続してからVPNに接続して……とかなり手間がかかりますし、そこまでしてもアクセスできないサーバが残ります。今回は社内の無線がつながらない場所では自動で閉域SIMに切り替わるため、社員は一切手間をかけずに、どこにいても社内とまったく同じ環境にアクセスできます。『ノーステップ接続』でどこからでも社内と同じ環境が使えるため、ファイルサーバのファイルを外出先でさっと修正したり、空いた時間に経費精算を入力したりと、現場業務の効率化につながっています(布野氏)」このほか、閉域SIMの利用状況をクラウドポータルで確認でき、現場からの要望などに対して、データをもとに検討・提案できるようになった点も評価が高い。
今回のAWS移行、そして社屋移転ではシステム環境のメンテナンスをいかに省力化するかが鍵だった、と中澤氏は話す。「AWSのハードウェアメンテナンスがなくなる点は大きなメリットです。システムをメインで担当する布野が保守作業に手を取られずに新たな開発に着手できる体制が整いました。テレビ番組制作の現場でも働き方改革は長く言われているものの、どうしても制作の仕事は長時間没頭してしまうケースが少なくありません。このなかで事務的な作業を省力化するために、システム的に支援する提案を今後も続けていきたいと考えています」
2020年2月現在
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