クラウド 元SEママの情シスなりきりAWS奮闘記

【Windows】ファイルサーバのAWS移行_前編 サービス比較(FSx or EC2+EBS)

2020年6月26日掲載

こんにちは。シイノキです。やっと小学校の分散登校がはじまりました。学校に行けるのは大変喜ばしいのですが、休校中に狂ってしまった生活ペースを元に戻せず、登校する日は朝から壮絶な戦いをしており、息子を家から送り出すところまでで力尽きそうです。

さて、今回のテーマは「ファイルサーバのAWS移行」です。このコラムでも前回までテレワークシリーズをお送りしてきましたが、ファイルサーバも在宅勤務で困るもののひとつ。社員の自宅からファイルサーバにどうアクセスさせるのか、四苦八苦した企業も多いのではないでしょうか?そうでなくても、オンプレミスのファイルサーバは「すぐ容量がいっぱいになる」「増設するのも大変」「定期的にハードウェアをリプレイスしないといけない」と課題も盛りだくさん。

ならば!そこはAWS移行でしょう!移行すれば、このあたりの課題をまるっと解決!できる……はず。ということで、ファイルサーバをAWSに移行するならどうすればよいのか、イチから学んでいきたいと思います!

ファイルサーバのAWS移行なら、Amazon EC2か?Amazon FSx for Windowsか?

「ファイルサーバ」とひと言でいってもその用途は幅広いもの。たとえば機械学習などで使うデータを格納する共有ファイルシステムや、Webサービスで使う静的コンテンツの格納領域などもありますが、今回は社内でファイルを共有するために使うファイルサーバのAWS移行について取り上げたいと思います。アレですね、時々「ファイルサーバの容量がいっぱいなので、いらないファイルは削除してください」ってお知らせが来るアレです。

では、このファイルサーバをAWSに移行する場合、単純に考えるとAmazon EC2で仮想サーバを立ち上げてファイルサーバとして使えばいいような気がします。確かにそれでもファイルサーバとしては使えるのですが、もうひとつチェックしておきたいサービスがあるのです。それが「Amazon FSx for Windows File Server」(以下、Amazon FSx for Windows)。もうサービス名にファイルサーバって入ってますからね。これは以前、このコラム AWS上のWindows環境構築&運用がラクになる!「Amazon FSx for Windows File Server」の基本を学ぶ でも取り上げたことがありますが、ひと通り基本情報をおさらいすると、2018年のAWS re:Inventで発表された完全マネージド型のWindowsファイルサーバで、もちろん初期費用不要の従量課金。Windowsにもネイティブ互換しています。さらに、完全マネージド型なので、可用性の担保(冗長化)やバックアップもAWSにお任せできちゃいますし、OSのパッチ適用も自分でやる必要はありません。つまり、アプリケーション部分=ファイルサーバのデータだけ意識すればOK、ということに!

Amazon EC2で構築するケースと大きく違うのはその運用の範囲。違いは下図にまとめましたが、Amazon EC2ではAWSが提供するのはOSの導入までで、その先のOS運用(パッチ適用など)も、バックアップもすべてユーザ自身でおこなう必要があります。このあたりの運用をすべて任せられるのが“マネージド型”のAmazon FSx for Windowsというわけです。

サーバーごとのファイルサーバー運用の違い

ちなみに、Amazon EC2のメリットとしては、OSレベルでログインすることが可能で、CPUやストレージなども細かく選べる点が挙げられますが、業務システムなどを構築するならばさておき、一般的なファイルサーバとして利用するなかでOSにログインしなければならないケースは少ないはず。
というわけで、「ファイルサーバだけど、業務システムと連携するために細かく設定しなければならない」などなにかしら特殊な事情がない限り、基本的にはファイルサーバの移行にはAmazon FSx for Windowがおすすめです。

HDD対応でもっと低コストに!手が届くようになったAmazon FSx for Windows

ということで、とても便利なAmazon FSx for Windowsですが、実はこれ、便利なだけあって2018年のリリース後、特に引き合いが多いサービスなのだとか。たくさんのニーズに応えるべく、ほぼ毎月機能改善がおこなわれてきたそうなのですが、毎月ってすごすぎですよ。この数多くのアップデートのなかでも、一番注目したいのが、つい最近2020年3月末にリリースされたHDDプランです。

これまでAmazon FSx for WindowsはSSDを利用するプランのみの展開だったため、特に大量データを移行するとなると、ちょっと高かった。もっとお安く使いたいんだよねー、というのは当然の要望で、これに応えるべくリリースされたのがHDD対応、というワケですね。これにより、GB単価は10分の1に!なんとAmazon S3よりも安くなる!!!「大容量のデータなら単価の安いAmazon S3に」と言われてきたのに、コレ、もはやちょっとおかしくないですか?
ほかにも、重複排除も機能追加されているので、データ容量をできる限り少なくして保存することが可能に。データ量が減れば、コストも減る、とうれしい循環です。

マルチAZ対応、シャドウコピー……気になる新機能でここまで便利に

ほかにも新機能はたくさんありますが、なかから2つピックアップしてご紹介します。
まずは、マルチAZ対応。これで距離的に離れたAZへの冗長化を簡単に実現できるようになりました。障害時の可用性を高めることはもちろんですが、メンテナンスやWindows Updateのときにも有効なので、Windows Update中もファイルサーバを使えるようになるのだとか。「更新中だからファイルサーバ使えません」とか地味に面倒ですし、かなりうれしい気がします。もちろんマルチAZ化することでコストはかかるため、バランスを考慮する必要はありますが、検討する価値は大きいでしょう。

そして、もう1つが「シャドウコピー」対応です。要するにファイルのバックアップではあるのですが、これまで標準でついていたバックアップでは、復旧するときには一度バックアップデータをベースに新しく環境を作成する(全部まとめて復旧する)しかありませんでした。ところが!シャドウコピーを使えば、ファイル単位でのリストアが可能に!さらにさらに、利用者に権限を与えれば、間違えて消去したデータを自分で復旧できるようになります。つまり「ファイルを間違えて消しちゃったから復旧してほしい」みたいな対応を、情シスではなく現場に任せることもできちゃう!
もちろん現場社員がだれでもこの操作をできるかというと、それはそれでまた違ったサポートが必要だったりしそうですが、仕組みとして用意があるのはやはり便利そうです。

ファイルサーバに必要なAD連携やデータ移行までまとめてサポート

さて、今回はファイルサーバのAWS移行におすすめのAmazon FSx for Windowsについてご紹介してきました。オンプレミスのファイルサーバを運用管理し続けるのも面倒だし、テレワークにも対応しなきゃいけないし……山積みの課題への解決策として有力候補と言えそうです。

ちなみに、Amazon FSx for Windowsを利用するにあたって必要となる、ADとの連携やネットワーク、データ移行といったことは、ソニービズネットワークスがまとめてサポートいたします。ファイルサーバはAWSに移行したい、でも細かい設定とかを全部自分でやるのは不安……という方も、ソニービズネットワークスのエンジニアのみなさんが丁寧にサポートするのでご安心を!まずはぜひお問い合わせください。以上、シイノキでした!

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