クラウドサービスの使用状況と社内ネットワークの状況
1. クラウドサービスの導入でネットワークの状況はどう変化する?
「社内でクラウドサービスを利用している」と回答した企業は、全体の73.5%。クラウドサービスの普及が進んでいることがわかります。
クラウドサービスを利用中の企業に、導入後の社内ネットワークの状況について尋ねたところ、「重くなったり、つながりにくくなったりしたという実感がある」企業が、68.6%にも上りました。
クラウドサービスを導入したことで変化した、社内ネットワークの状況が見て取れます。
クラウドサービスは、インターネット回線を通じて提供されます。そのため、クラウドサービスの業務利用が増え、ファイルや画像、映像や音声など大容量のデータのやりとりが頻繁になされると、ネットワークのトラフィックに高い負荷がかかり、通信速度の低下(遅くなる)や通信品質の劣化(重くなる、途切れる)といった不具合が発生します。
今や、通信速度はビジネスにおいて重要です。近年のテレワーク、リモートワークの拡大で、その重要性はさらに増しました。多くの業務システムや社内データがクラウドで管理され、リモートからアクセスされる中、Microsoft 365をはじめとするグループウェアやWeb会議、メールなどのコミュニケーションツール、ファイル共有などへの接続が低速になると、会社全体の生産性にも大きな支障をきたします。
2. クラウドサービス導入の際には、ネットワークの増強・改善も視野に入れる
こうした事態を防止するため、ネットワーク管理者としては通信速度の低下を解消する対策を考えなくてはなりません。
アンケート結果では、クラウドサービスの導入後に「ネットワークの増強・改善を行った」または「増強・改善を行う予定がある」と回答した企業は、67.0%。「増強・改善を行わない」の27.8%を大きく上回っています。
クラウドサービスの活用を推進する際は、合わせてネットワークの増強・改善も検討しておく必要があることがわかります。
クラウドサービス導入後の対応と課題
1. ネットワークの増強・改善の手段は?
「ネットワークの増強・改善を行った」、または「増強・改善を予定している」企業は、どのような施策を行ったのでしょうか。
アンケート結果では、「通信回線の増設」(61.0%)がもっとも多く、「通信回線・業者の変更」(58.5%)が続きました。
2. ネットワークの増強・改善を行っても重さが解消しない!?
では、実際に「ネットワークの増強・改善を行った」企業は、社内ネットワークについてどのように感じているのでしょうか。
増強・改善後の課題について聞くと、80.3%もの企業が、何らかの課題を感じているという回答が寄せられました。
もっとも多かった回答は「ネットワークの重さが解消されなかった」(50.7%)。ネットワークの増強・改善を行っても、当初の問題点を解決できなかった企業が半数にも上ります。
また、 「費用が増大した」(49.3%)という回答も多く、費用面での負担がネットワーク管理者を悩ませている実態も明らかとなりました。
3. ネットワークの増強・改善を行わないのはなぜ?
一方、「ネットワークの増強・改善を検討したが、実際には行わなかった」という企業もあります。
理由を聞くと、「費用がいくらかかるかわからないから」(42.9%)、「費用が高いから」(40.0%)という回答が多く挙げられました。
このことから、ネットワークの増強・改善を検討する上でのボトルネックは、費用面に関する不安であることがわかります。
このことから、ネットワーク増強・改善の際に低コストであること、明確な料金体系で提供されるサービスが求められていることが明らかとなりました。
クラウド利用を前提としたネットワーク設計・構築のポイント
これからのビジネスにおいて、クラウドの利用は欠かせない要件になります。それでは、クラウド利用を前提とした場合に、ネットワーク設計・構築は、どのような点に気を付けるべきなのでしょうか。ここからはそのポイントを解説します。
1. 高速通信と広帯域の実現
これまでの企業ネットワークにおける通信は、インターネットVPNまたはIP-VPNなどの閉域ネットワークやLANの配下で完結していました。ところがインターネットに頻繁にアクセスするクラウドサービスの利用が拡大すると、トラフィック量が増大・渋滞し、通信速度やネットワーク品質が低下してしまう事態になります。
クラウドサービスによるメールやスケジューラ、チャットやビデオ通話によるWeb会議、大容量ファイルの共有などでトラフィックやセッションが増大すると、十分な通信速度の出ない回線では輻輳(ふくそう)が発生し、通信がつながらない、途切れるといった不具合が発生。社員の業務効率や生産性に、大きな影響を及ぼします。
既存のオンプレミス機器を入れ替えて閉域網およびVPNを広帯域化するには多額のコストと期間がかかるため、プロバイダーが提供する通信サービスを利用し、クラウド利活用時も安定して高速通信できるネットワークへと見直しを図ることがオススメです。
2. ゼロトラストセキュリティへのシフト
クラウド活用において、セキュリティ対策はもちろん重要な要素です。クラウド上に業務に欠かせない重要なデータが残るため、致命的なインシデントにつながらないための備えを検討しましょう。ファイアウォールやUTMなどの境界型セキュリティ強化に加えて、EDRなどのエンドポイントセキュリティ、DNSセキュリティや多要素認証(MFA)など、ゼロトラストセキュリティを基本とした考え方で備える必要があります。
3. テレワーク・リモートワークへの対応
コロナ禍を経て、日本企業でもテレワークやリモートワークが広く普及しました。VPN接続によるトラフィック増加に対応するための帯域の強化をはじめ、どこからでもセキュア・高速に社内システムにアクセスできるネットワーク環境の整備が、これからの事業運営には欠かせないポイントです。
4. マルチクラウド・ハイブリッド環境への対応
各事業部でのクラウド利活用が進むと、複数のクラウドベンダーのサービスを利用するマルチクラウドや、オンプレミスに残るシステムやデータとクラウドとのハイブリッド環境となるケースがほとんどです。こうした環境下で監視や管理が個別のツールで行われると運用負荷が高まり、さらなる人材難やコスト増につながるリスクがあります。そうした事態を避けるためにも、将来に渡って拡張やデータの移動がしやすい、ネットワーク環境にしておく必要があります。
5. 障害・災害時の対応、可用性の確保
ビジネスを支えるネットワークにおいて、クラウド利活用における障害発生や災害時への対策もBCP(事業継続計画)として重要です。各プロバイダーではBCP対策やDR(ディザスタリカバリ)への備えとして、負荷分散や冗長化のさまざまなメニューを提供しています。万一の際の備えとして、しっかり検討しましょう。
6. 統合管理性の向上
クラウド利活用の拡大は、拠点ごとにIT人材を配置し、データを個別管理するこれまでのやり方を脱却する好機でもあります。拠点ごとのIT機器管理やデータの個別運用は、DX推進やセキュリティ、ガバナンスの観点からも見直しが求められています。クラウドシフトに合わせて、全拠点でのネットワーク状態を可視化し、統合的に管理可能な環境を構築しましょう。
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まとめ
さまざまなメリットのあるクラウドサービスですが、導入することで社内ネットワークの通信速度や品質に課題を抱えている企業が予想以上に多いことが、アンケートを通してわかりました。今後、さらにクラウドサービスの業務利用が増加していくと予想される中、現在は社内ネットワークに不満を感じていない企業でも、近い将来に同様の課題に直面する可能性は十分にあります。
前述の通り、今やネットワークの通信速度、通信品質は全社的な生産性に関わり、業績にも影響を及ぼす重要な要素です。ただし、ネットワークの増強・改善を実施する際、当初期待した改善効果が得られなかったという企業も少なくありません。そのため、通信速度や品質に加えて、低コスト、明確な料金体系で提供されるサービスを選択することが、非常に重要です。
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