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クラウドPBXとは?導入メリット・デメリットを正しく把握して選択しよう

DX推進や働き方改革、スマートフォンの普及、コロナ禍を契機としたテレワークやWeb会議の急増など、企業におけるコミュニケーションはこれまでにない大きな変化を迎えています。そこで更改のタイミングを機に、従来型のオンプレミスPBXをクラウドPBXへリプレイスする企業が増えています。

この記事では、従来のレガシーなオンプレミスPBXが抱える課題と見直しを求める声が高まる理由、そしてクラウドPBXのメリットとデメリット、導入に際して注意すべきポイントを詳しく解説します。

クラウドPBXの導入を検討する際、ぜひ参考にしてください。

事例の課題やよくいただくご相談を基に、サービスの活用方法をご紹介します。

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PBXとは?従来のオンプレミス型PBXが抱える課題

PBX(Private Branch Exchange)とは、企業や組織内で内部通話と外部通話をルーティングするための「電話交換機(ハードウェア)」のことです。内線通話、外線通話、拡張番号、転送などの機能を提供し、企業ではこれまで長い間、オンプレミス型のPBXが利用されてきました。

従来型のオンプレミスPBXには、一般的に以下のような課題があります。

設備の維持・更新コスト

オンプレミスPBXは法定耐用年数が6年と定められており、ハードウェアおよびソフトウェアの保守・更新に際してコストがかさみ、特に多拠点の場合は負担が大きい。

拡張性(スケーラビリティ)

設備投資であるオンプレミスPBXは拡張が難しく、新たに拠点を増やす都度、コストと工期がかかる。また、組織変更や人事異動、増員などの際も設定変更が自社では対応できないことが多く、その都度外部の専門ベンダーに依頼する必要がある。

ハードウェアの故障リスク

オンプレミスPBXは物理的なハードウェアに依存するため、機器の故障や障害に伴い、通信の中断や停止が起こる可能性がある。

テレワーク、リモートワーカーへの対応

オンプレミスPBXはオフィス内での利用を前提としているため、社外で働く社員への電話機能提供が想定されていない。

オンプレミスPBXの見直しを求める声が高まる理由

オンプレミスPBXはこれまでも更改の際のコストや内線変更時の工数が問題となっていましたが、近年ではさらに別の理由から、見直しを求める声が高まっています。

その理由は、大きく3点あります。

  • ①社員のほとんどがスマートフォンを保持しており、会社の固定電話、携帯電話との連携を求める声が高まったこと
  • ②働き方改革やコロナ禍により働き方が大きく変わり、自席やオフィスの外で仕事する社員が増えたこと
  • ③Microsoft TeamsやSlack、ZOOMなど、Web会議やビジネスチャットといった電話以外のコミュニケ―ションツールが急速に普及したこと

こうした環境変化も相まって、従来型のオンプレミスPBXを見直す声が高まりました。従来の問題点を解決し、かつまた通信インフラを効率的かつ効果的に運用するために、多くの企業がクラウドPBXなどのモダンな通信ソリューションへのリプレイスを検討しています。

クラウドPBXとは?

クラウドPBX(Cloud Private Branch Exchange)とは、クラウドコンピューティング技術で通信インフラストラクチャーを提供し、音声通話やデータ通信を管理するサービスです。

クラウドPBXは従来のオンプレミスPBXとは異なり、クラウドベースのサーバあるいはデータセンター上にホストされ、インターネット経由でアクセス。その上で、必要な通信機能をプロバイダーから提供されるサブスクリプションベースの月額サービスとして利用します。クラウドプロバイダーがホスティングとメンテナンスを担当するため、企業は自社でPBXハードウェアやソフトウェアを管理・保守する必要がありません。

クラウドPBXで提供される機能はサービスにより異なりますが、現在提供されているクラウドPBXサービスは、従来型のレガシーPBXで利用されてきたダイヤルイン、内線通話、保留、転送などの機能は、ひと通り提供されると考えてよいでしょう。

その上で、クラウドPBXを導入するメリットとしては、以下が挙げられます。

クラウドPBXを導入するメリット

1.設定変更を自社管理者が行うことが可能

従来のPBXとは違い、クラウドPBXは番号の追加、削除、変更などの設定を、ブラウザ上からすべて行えます。これまで工事会社に依頼する必要があったレイアウトの変更や、人事異動に伴う番号の設定についても、社内の管理者だけで対応可能。工期やコストの削減につながります。

2.利用開始までのスピードが早い

クラウドPBXは、申し込みから短期間で利用開始できます。ハードウェアを設置する必要がなく、工事のための期間やそれに対応する人員も割かなくて済むため、早ければ手続きから数日で、利用を開始することができます。

3.ソフトフォンによる「スマホ内線」が実現

クラウドPBXでは、インターネットに接続したPCやスマートフォンで、ソフトフォンが利用可能。フリーアドレスやテレワークなど新しい働き方にも対応可能な「スマホ内線」が実現し、固定電話機の削減にもつながります。

4.急なコールセンター立上げなどにも対応可能

クラウドPBXは迅速な番号追加が可能。急に電話の窓口を増やしたい場合や、コンタクトセンターの増強を行いたい時も、すぐに対応できます。たとえばイベントやキャンペーンの問い合わせ窓口を作りたい、トラブルにより問い合わせが一時的に増えそうといったケースも、安心です。

5.国内外の拠点との電話環境整備にも役立つ

クラウドPBXは、インターネットに接続できれば工事をせずに利用できます。そのため、物理的に離れた場所に拠点がある場合でも、各拠点同士で利用できる内線を組むことが可能です。世界中に拠点を設けている企業でも拠点同士のやり取りを内線で済ませられるようになることで、コミュニケーションの強化やコスト削減につながります。

6.電話に関する費用の削減につながる

クラウドPBXを利用すれば内線を有効活用できるため、通話料を削減できる可能性があります。社員が所有するスマートフォンを活用すれば、端末代金も節約できます。また、従来のPBXと比べ導入や更新、設定変更にかかる費用が安いところも大きなメリットです。

*ただし、費用削減にならないケースもあるため、注意しましょう。詳しくは、デメリットを参照してください。

7.外出先で電話を受ける、テレワークなどの働き方の多様化にも対応できる

内線電話をスマホで受けられる「スマホ内線」を実現すれば、テレワークにおいてもスムーズな電話のやり取りが可能。外出先でも会社の代表電話を受けられることで、無駄な移動を減らし、業務効率化にもつながります。ただし、電話の利用状況によって電話番号が変わるケースと変わらないケースがあるため、注意しましょう。

8.災害発生時などの事業継続計画対策になる

拠点で災害が発生した際、通信設備の復旧作業が必要になります。しかし、クラウドPBXであればリモートから対応可能であり、拠点内の機器に依存しないため、BCP(事業継続)対策としても有効です。

9.顧客管理システムなどとのツール連携も可能

顧客管理システム、Web電話帳、名刺管理ツールなどの外部サービスとクラウドPBXを連携させれば、営業活動の記録も容易になります。いつ、どの顧客とやり取りしたかが明確になるため、今後の営業活動に活かすことも可能です。頻繁に異動がある企業でも、外部サービスとクラウドPBXを連携させていれば、新しいメンバーの連絡先をすぐに追加、管理できます。

これら多くのメリットからお分かりの通り、クラウドPBXは中小企業から大企業まで、現在の働き方にもマッチしたソリューションと言えるでしょう。そのため、コミュニケーションの効率化とコスト削減を求める企業で、導入が広がっています。

企業がクラウドPBXを利用するデメリットは?導入時に注意すべきポイント

では、クラウドPBXを利用する上で、デメリットはないのでしょうか?

規模感や利用状況によっても異なりますが、一般的にクラウドPBX利用のデメリットと、導入時に注意すべきポイントとしては、以下が挙げられます。

1.インターネットへの依存

クラウドPBXはインターネットを経由して提供されるため、インターネット接続に依存します。不安定なネットワーク接続や回線に問題がある場合、通話音質など、品質が低下する可能性があります。

2. カスタマイズの制限

クラウドPBXはサービスとして提供されるため、プロバイダーが提供する機能や設定に依存します。そのため、組織特有の要件に合わせたカスタマイズが難しいことがあります。

3. 月額費用、コスト変動

クラウドPBXは通常、サブスクリプションベースで提供され、毎月の利用料金が発生します。また、ユーザー数や利用量に応じて予算が変動する可能性があります。オフィスの外で電話を受ける頻度が少ない、拠点を増設、移転する予定がない、利用人数が少ない場合などは従来型の方が、コストが安く済むケースもあります。実際にどのように使用するかをシミュレーションした上で、選びましょう。

4. 110番や119番などの緊急番号への発信ができない

クラウドPBXはインターネットを利用するため、一部の特殊番号には電話をかけられません。たとえば、110番や119番などの緊急番号にも発信できないので注意が必要です。導入する際はこの点を理解し、緊急事態発生の際、どのように対応するかを検討しておくことが大切です。

5. インターネット通信障害時は利用不可

インターネットが利用できなくなると、クラウドPBXも使えなくなります。リスクを軽減するには、災害時の停電対策や、通信障害時に備えた別系統での通信確保など、導入前に対応を充分検討しておく必要があります。

6. セキュリティ

クラウドPBXはクラウド上にデータが保存、送信されるため、セキュリティに懸念を抱く企業も少なくありません。多くのクラウドPBXプロバイダーはセキュリティ対策を強化、データ保護に努力していますが、自社で導入するにあたっては、データのプライバシーやセキュリティについての確認は欠かせません。

7. データの所在地

データの所在地によっては、データ保護法規制など法的要件に関わる問題が発生するリスクがあります。プロバイダーによってはデータの所在地を明示しないケースもあり、注意が必要です。

8. プロバイダーの信頼性

クラウドPBXは、プロバイダーの信頼性に大きく依存します。そのため、信頼性やサービスレベル契約(SLA)について、しっかり確認することが重要です。

クラウドPBXが向いている企業、向いていない企業とは?

クラウドPBXが向いているか向いていないかは、利用する目的や規模感などによって異なります。

前述のデメリットはクラウドPBXを検討する際、充分に考慮すべき点ですが、クラウドPBXのコスト削減、スケーラビリティ、リモートアクセスといったメリットがデメリットを上回るのであれば、導入を検討しましょう。

たとえば、拠点数や社員数が多く、メンバーの増減や組織変更が頻繁にある企業には、クラウドPBXはおすすめです。逆にそういった特徴がなく、単にコールセンターを充実させるためだけに導入を検討している場合は、クラウドPBXはそれほど向いていません。むしろ、CTI*を活用したほうが適している可能性があります。

  • *CTI(Computer Telephony Integration)とは:電話とコンピューターを統合するためのシステム。主にコンタクトセンターで、音声や発着信情報など電話に関するデータを、CRM(Customer Relationship Management)など自社の顧客情報と連携して利用されています。

このようにクラウドPBXの向き不向きは、企業それぞれによって異なります。自社の状況やニーズをきちんと踏まえた上で、判断しましょう。

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まとめ

クラウドPBXを利用することで、現在の働き方にもマッチしたコミュニケーションの効率化と共に、コスト削減を実現することができます。ただし、デメリットもあるため、それをカバーするための対策も取り入れながら導入することが大切です。

NUROブランドの法人向けインターネット接続サービスである『NUROアクセス』は、通信速度下り最大2Gbpsを実現する高速インターネット接続サービスです。また、スタンダードプラン以上では10Mbps以上の帯域確保が標準スペックになっており、クラウドPBXなどのネットワークの品質が求められるサービスを利用されている、多くの企業様に採用いただいています。詳細についてはパンフレットでご覧いただけます。

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