
データドリブンのエクセル経営から次のフェーズへ
草の根DXを実現するワークマンがAIツール導入をした理由とは?
株式会社ワークマン様
小売・消費財・食品 DXを推進したい 100-500名
- 課題テーマ
-
販売予測、売上予測
- ご契約サービス
そんなワークマンがどうしてPrediction One導入を決めたのか、検討のきっかけから導入の決め手、今後の展望についてお話を伺いました。
お客様プロフィール
- 会社名
- 株式会社ワークマン様
- 設立
- 1982年8月
- 従業員数
- 332名(2021年3月末)
- 事業内容
- フランチャイズシステムで作業服、作業関連用品及びアウトドア・スポーツウエアを販売する専門店をチェーン展開
- 導入前の課題
-
- 社内へAI・機械学習を浸透させたい
インタビュー
現場知識を持った社員がデータ分析に携わる
—長谷川様の所属するデータ戦略部の業務内容とミッションをお聞かせください。
ワークマン:社内の分析業務全般を担当し、各部署からの様々な依頼に対応しています。
「ワークマン」はプロの作業員をターゲットに販売してきましたが、アウトドアやスポーツ向けの「ワークマンプラス」や女性向けアウトドアの「ワークマン女子」といった新規ブランドを立ち上げました。新規ブランドの製品開発は上手くいっており、売上も好調です。一方で、過剰生産や機会ロスといった観点ではまだ改善の余地があり、生産計画の見直しに取り組んでいます。
そのほか、データサイエンスに関わる社内資格を設けているのですが、資格取得者向けの教育など、様々なことに取り組んでいます。
—以前からデータ戦略部のようなデータ分析に関わる部署があったのでしょうか?
ワークマン:当初は、店舗のスーパーバイザーの中からデータ分析に関心のある有志を募ってチームを作り、勉強会を行っていただけでした。そこからデータ分析の人材育成を強化しようと、2021年の11月から資格制度を立ち上げました。分析に興味がある人材を集めて育成を推進しています。外部から優れた専門家を登用しているというわけではなく、社員を対象にしています。ビジネスを理解した人が基本的なデータ分析を勉強し、理解しながら進めていくというスタンスで行っています。
エクセル経営からAI活用のフェーズへ移行
—取締役の土屋様が執筆された書籍『ワークマン式「しない経営」』の中では「エクセル経営に注力し、AIはしない」と断言されていました。今回Prediction Oneを導入は、経営方針に何か変化が起きたのでしょうか?
ワークマン:経営に変化は起きていると思います。土屋は「新しい技術に飛びつくのではなく、先ずは現場が自分たちで判断できるようになる」ことを重視してました。そこで、現場の社員がデータを分析できる環境を整えるところから着手しました。データ分析を進めていた中で、人が分析するよりもAIが計算した方が早い領域が見つかりました。それは、因果関係が明らかになっている業務です。
”相関関係”と”因果関係”は混同されがちですが、「AとBは関係している」というのが相関関係であり、「AだからB」というのが因果関係です。AIやデータサイエンスは相関関係を導き出しますが、相関関係から因果関係を導き出すには検証が必要であり、実務を知らなければ判断するのは難しいです。だからこそ、現場の社員がデータを活用できるようになることが重要です。
当初は実際に手を動かして勉強するという方針で、様々な研修を実施いたしました。そしてデータ活用ができる人材が育ってきた現在、因果関係が明らかだと判断したものについてはAIに任せようという流れになってきています。
直観的なUI・操作性を評価、AIの普及目的に導入決断
—Prediction Oneを知った経緯について教えてください。
ワークマン:機械学習を社内に浸透させたいと考え、インターネットで調べていた時にPrediction Oneを知りました。導入企業数も多かったので試してみることにしました。1か月の無料体験で実際に操作しましたが、データをインポートするだけで簡単に機械学習が行え、非常に分かりやすい結果も取得することができました。UIもわかりやすく、使いやすかったため、今後の機械学習の活用推進と社内の人材育成の一環として導入を決めました。
—導入にあたって、他社製品との比較はされましたか?
ワークマン:実は以前にも別の予測分析ツールを検討したことがあります。そちらと比較してPrediction Oneは似た感覚で使えるにも関わらず、価格が10分の1以下でした。精度はどちらが高いかは分からないですが、精度の差があるからと言って、実際の結果に反映される利益はそこまで大きく変わることはないと思います。機械学習を今後導入しようという企業様は一度、 Prediction Oneを試してみると良いかもしれません。
また、個人的に気に入っているポイントは、モデルのアルゴリズムを選ばなくてもよいところです。予測する時には精度の高いアルゴリズムを選ぶことに大変苦労します。Prediction Oneは精度の高いモデルを自動選択してくれるので、データ分析の負担がかなり軽くなります。
販売予測や売上予測に挑戦
—実際に検討中の予測テーマ等ありましたら教えてください。
ワークマン:分析テーマとしていくつか検討している状況です。
Prediction Oneの活用予定業務
表はスライドできます
No. | 分析内容 | 目的 | 検討状況 |
---|---|---|---|
1 | 新製品の販売予測 | 新製品の欠品対策 | 活用予定 |
2 | 店舗取り置き確率 | 店舗取り置き確率が低い要因の分析 | 活用予定 |
3 | 新店舗1年間の売り上げ予測 | 販促費用の計算、利益確保 | 活用予定 |
4 | 物流の出荷予測 | 物流人員配置人数算出 | 検討中 |
5 | 物流の人員配置推奨値 | 物流人員配置人数算出 | 検討中 |
6 | SC店舗の来店数予測 | 物流人員配置人数算出 | 検討中 |
<新製品の販売予測>
新製品の予測はPythonでやっていますが、それもPrediction Oneでやってみようと思っています。また、定番品(既存品)の予測もできないか検討しています。
<新店オープン1年間の売上予測>
新店オープン1年間の売上予測については、重回帰分析で精度が5-6割出ていたので、Prediction Oneでも同じぐらいの精度が出るよう変数を検討している段階です。
<物流の出荷予測>
ピッキング(出荷時に必要な品物を集めること)数の予測に挑戦しています。ピッキング数が直前に増えてしまうと派遣社員を増やす必要があり、余分なコストがかかってしまいます。物流の出荷予測ができると人員配置が上手くいき、コストカットにつながります。同時に定番品(既製品)の売上予測も検討しています。
<ショッピングセンターの来店客数予測>
ショッピングセンターの来店客数予測も考えています。ワークマンの通常店舗であれば加盟店が運営しているので、加盟店に任せておけばよいのですが、運営代行の場合はどれぐらい来店数が見込めるか予測する必要があるため、実施できないか検討しています。
DX推進のためのデータ環境整備に着手
—社内の人材育成において、どのようにPrediction Oneを活用予定でしょうか?
ワークマン:いくつか社内に資格制度がありますが、現場知識に関する資格を取得した社員が社内の分析チームに参加可能です。その先の統計検定に合格した社員を対象にPrediction Oneの教育を組み込もうと思っています。
—先ずは現場知識がある方にPrediction Oneを利用してもらう予定ということですね。
ワークマン:はい。社員数は300人弱ですが、そのうち30人程度が対象になると思います。既に社内で数人がPrediction Oneを触っていますが、「使い勝手が良い」という声があがってきています。お世辞抜きで使いやすいと思います。今後は、1-2年かけてPrediction Oneを社内で浸透させ、各部署で使えるか検証していきます。
—様々な企業がDX人材の育成に取り組んでいますが、Prediction Oneを含め、どのように人材育成に取り込もうと考えていますか?
ワークマン:Prediction Oneに関しては社員がどれだけ使い倒せるかが重要だと思います。現状、弊社はオンプレミスで各部署のデータを持っているので、欲しいデータがバラバラに偏在しデータを用意するのに時間がかかっているという課題があります。今後はデータウェアハウスなどクラウドサービスを用いてデータを一元化し、様々なデータを使って色々な分析に取り組めるようにしたいと考えています。まずは環境整備から取り組んでいきます。
—ありがとうございました!
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